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 文字はどのように書かれてきたのか日本語の風景

SI Libretto 006
日本語の風景 文字はどのように書かれてきたのか

新書 304ページ 並製
定価:900円+税
ISBN978-4-88125-292-5 C0281
奥付の初版発行年月:2015年04月 / 発売日:2015年04月下旬

内容紹介

漢字の伝来から、その後の日本の文字文化の流れを概観し、日本語の文字と表記の歴史を考察する。
漢字から万葉仮名へ、漢文訓読が日本語に与えた影響、文字列展開方向について、漢字表の歴史など、書家、日本語学・国語施策の専門家による好個の書。

著者プロフィール

仲川 恭司(ナカガワ キョウジ)

専修大学文学部教授、書家。一般財団法人毎日書道会理事、公益財団法人独立書人団理事長・全日本書道連名理事。
〔専門〕書道、書道科教育論。
〔主な受賞歴〕第1回日本書道大賞新人賞、独立書道展会員奨励賞、毎日書道展会員賞、第1回手島右卿賞など。
〔著作・論文〕「施福寺所蔵空海『中寿帖』の考察」(『専修国文』39号、1986年)、「草書の源流についての一考察」(『専修国文』50号、1992年)、『古代多胡碑と東アジア』(共著、山川出版社、2005年)など。

斎藤 達哉(サイトウ タツヤ)

国立国語研究所研究員、文化庁文化部国語課専門職(国語調査官)、国立国語研究所主任研究員、専修大学文学部准教授を経て、現在、専修大学文学部教授。
〔専門〕日本語学。
〔著作・論文〕「語の表記における仮名字体の「偏り」と「揺れ」―米国議会図書館蔵源氏物語写本の「ケハヒ」と「カタハライタシ」の表記―」(小山利彦編著『王朝文学を彩る軌跡』、2014年)、「仮名文の文字調査―源氏物語花散里六八本の仮名字母と漢字―」(『専修国文』91号、2012年)

高田 智和(タカダ トモカズ)

国立国語研究所研究員を経て、現在、国立国語研究所 理論・構造研究系准教授。
〔専門〕日本語学(文字・表記)、漢字情報処理。
〔著作〕『日本語文学・表記の難しさとおもしろさ』(編著、彩流社、2014年)、『例解辞典』(ぎょうせい、2010年)、「国家図書館(台北)所蔵本史記夏本紀とその訓点」(『訓点語と訓点資料』115輯、2005年)など。

屋名池 誠(ヤナイケ マコト)

昭和女子大学専任講師、大阪女子大学専任講師、東京女子大学助教授、同教授を経て、現在慶應義塾大学文学部教授。
〔専門〕日本語学。
〔著作〕『横書き登場―日本語表記の近代―』(岩波新書、2003年)、『上方ことばの今昔』(共著、和泉書院、1992年)など。

氏原 基余司(ウジハラ キヨシ)

都立高校教諭、文化庁文化部国語課国語調査官、同主任国語調査官を経て、現在江戸川大学メディアコミュニケーション学部教授。
〔専門〕国語施策、国語教育。
〔著作〕「改定常用漢字表の字体」(『日本語学』29巻10号、2010年)、『必携 用字用語辞典』(監修、三省堂、2012年)、「国語施策と異字同訓―国語施策における音訓の扱いを中心として―」(『日本語学』33巻10号、2014年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

刊行にあたって  大庭 健

第1章 
漢字の伝来から日本の文字文化へ(基調講演より) 仲川 恭司
  書家の目で見た日本の文字文化
  「漢委奴國王」の金印と貸泉
  倭国の人は漢文を書けたか
  東アジアの緊張関係が日本の漢字音に与えた影響
  鉄剣に刻まれている文字
  『論語』『千字文』はどういう形だったのか
  人名・地名を万葉仮名で書く
  法華義疏
  白村江の戦いと万葉仮名
  写経の隆盛
  万葉仮名
  二通りの漢字の字音――漢音と呉音
  光明皇后の書――杜家立成・楽毅論
  木簡
  三筆と三蹟
  訓点と片仮名
  国風文化の隆盛
  公の文字となった仮名文字
  ちらし書き
  仮名文字による文学の隆盛
  仮名の名称

第2章 
日本語と文学 ―日本語はどのように記されてきたのか― 斎藤 達哉
 1 はじめに
 2 日本語に固有の文字はなかった
     日本列島に入ってきた漢字
     仏教文化が漢字を広めた
 3 漢字から万葉仮名へ
     漢語に翻訳できない和語
     万葉集と万葉仮名
     万葉仮名からわかること
     東アジアに広がっていた表記法
 4 崩して書く「仮名」
     万葉仮名を崩して書く
     仮名を使う場面
     使われなくなった字体
     「 」と「 」の併存
     同じ音の仮名が連続したとき
     句読点代わりの「連綿」の切れ目
     仮名文でも漢字を使う
     仮名には清濁の区別がない
 5 省略して書く「片仮名」
     片仮名は小さく書き込む
     片仮名とヲコト点
     片仮名の発展的利用
 6 絵と「仮名」
     内容によって仮名と片仮名を使い分ける
     絵が入ると仮名で書く
 7 仮名文字の利点を生かす
     滑稽本の会話文
     地方を舞台にした滑稽本
     言葉の地域差を意識する
     言葉の正しさとは何か
 8 「仮名遣い」の発生
     仮名が発音と一致しなくなる
     定家仮名遣い
     歴史的仮名遣い
 9 漢字と仮名文字を交ぜて書く
     異なる文字体系を交ぜる
     漢字と片仮名を交ぜて書く
     草創期の民法
     現代の日本語表記のよりどころ
 10 おわりに――現代の表記を考えるために

第3章
漢文訓読と日本語 高田 智和
 1 はじめに
 2 平安・鎌倉時代の訓点資料
 3 漢文訓読が日本語に与えた影響
     片仮名
     和訓(訓)
     漢文訓読語
     漢文訓読文体
     借用語
     句読点
 4 おわりに

第4章
文字はどこを向いているか ―日本語の文字の知られざる世界― 屋名池 誠
 1 「文字列展開方向」ルールがなければ文字は読めない
 2 失われた「文字列展開方向」ルール――肖像画・人物画の場合
 3 「文字列配置方向」は何を伝えていたか――古地図の場合
 4 文字における二次元的要素の重要性
 5 「文字列展開方向」から広がる世界

第5章
国語施策としての漢字表の意味 氏原 基余司
 1 はじめに
     改定された常用漢字表
     答申、内閣告示とは
     国語施策の中心課題
     この章で取り上げる内容
 2 常用漢字表は必要なのか
     平成一七年の諮問
     「国語施策としての漢字表」は不要か
     分科会ではどのように考えたのか
     「総合的な漢字政策」の捉え方
 3 漢字表の歴史を知る
     戦前からあった「国語施策としての漢字表」
     戦後の漢字政策の転換点
     新常用漢字表の基本的な方向
     漢字政策の流れと当用漢字表
     漢字表と仮名遣いとの関係
 4 常用漢字表を改定するために行った調査とは
     国語施策としての漢字表と、漢字使用の実態
     文字列調査で分かったこと
 5 まとめ
 資料1 昭和五六年内閣告示「常用漢字表」からの変更点一覧
 資料2 これまでの国語施策(漢字関係)の流れ(付:人名用漢字)

おわりに ―この本が誕生するまで―


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