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ブラキストン「標本」史

ブラキストン「標本」史

加藤克:著
A5判 362ページ 上製
定価:8,200円+税
ISBN978-4-8329-8209-3 C3045
奥付の初版発行年月:2012年09月 / 発売日:2012年09月上旬
発行:北海道大学出版会  
発売:北海道大学出版会
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在庫あり

内容紹介

本書は,北海道大学植物園・博物館所蔵の“ブラキストン標本”についての標本ラベルを中心とした文献史学的研究の集大成である。
“ブラキストン標本”とは,江戸末期~明治初期にかけて函館に滞在した英国商人,トーマス・W・ブラキストンが収集・研究した日本産鳥類標本のコレクションのことである。このコレクションは,日本最初の近代的鳥類目録の根拠となり,また「ブラキストン線」として知られる動物地理学上の境界線(津軽海峡)の解明に利用された「歴史資料」である。
著者は,それらの“歴史資料”を丹念に調べ,比較して,生物学情報としての情報の訂正・整理をしたのみならず,“ブラキストン標本”の収集,寄贈,管理,利用,研究の歴史を読み解き,これまで歴史学,文献史学ではほとんど注目されてこなかった生物標本に関する,新しい「標本史」学を打ち立てるのに成功している。山階鳥類研究所などにおいても標本史の解明に着手するなど,その先駆性・意義が評価されつつある。本書は,鳥類標本を生物学のためだけではなく,歴史学の材料としても利用するという新たな研究分野の開拓という大きな刊行意義を有している。

出版部から一言

本年度より、博物館学芸員課程の履修内容が変わり、「博物館資料編」が正式科目となる。本書は格好の教科書となり得る内容でもある。

著者プロフィール

加藤克(カトウ マサル)

1972年 愛知県に生まれる
1999年 北海道大学大学院文学研究科博士課程中退
現 在 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター助教
    博士(文学,北海道大学)
主論文 加藤克.2003:「ブラキストン標本と絵画資料」(『北大植物園研究紀要』3:1-14),加藤克.2005:「ブラキストンと札幌博物場」(『北大植物園研究紀要』5:23-46),加藤克.2006:「明治初期の「自然史」通詞 野口源之助」(『北大植物園研究紀要』6:1-24),加藤克・市川秀雄.2002:「北大植物園所蔵ブラキストン標本の受入過程とその現状」(『北大植物園研究紀要』2:1-24),加藤克・市川秀雄.2005:「犬飼哲夫のブラキストン資料」(『北大植物園研究紀要』5:1-21),加藤克・市川秀雄.2007:「折居彪二郎雲南鳥類写生図とその標本について」(『北大植物園研究紀要』7:1-34),加藤克・市川秀雄・高谷文仁.2009:「札幌農学校所属博物館における鳥類標本管理史(1)―東京仮博物場から札幌農学校所属博物館初期まで」(『北大植物園研究紀要』9:29-94),加藤克・市川秀雄・高谷文仁.2010:「札幌農学校所属博物館における鳥類標本管理史(2)―明治期の札幌農学校所属博物館」(『北大植物園研究紀要』10:9-96)など

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序論 生物学標本と歴史資料

第1章 ブラキストン標本の変遷と現状
1. トーマス・W・ブラキストンとブラキストン標本  
2. ブラキストンによる標本寄贈時期とその点数,分散先について  
3. ブラキストン標本付属のラベル  
4. ブラキストン標本の現状  
おわりに  

第2章 ブラキストン標本と鳥類図
はじめに  
1. 開拓使東京仮博物場の鳥類図  
2. 東博所蔵『博物館図譜』に描かれたブラキストン標本  
おわりに  

第3章 八田三郎・犬飼哲夫のブラキストン資料
はじめに  
1. ブラキストン二十年祭  
2. 犬飼哲夫のブラキストン資料  
3. 犬飼の記した標本分散先と標本移管について  

第4章 ブラキストンと札幌博物場
はじめに  
1. ブラキストンと明治期の博物場  
2. ブラキストンの採集したノガン  
3. 札幌博物場の能力――むすびにかえて  

第5章 明治初期の「自然史」通詞 野口源之助
はじめに  
1. 野口源之助の履歴  
2. 神奈川県時代  
3. 開拓使東京出張所時代  
4. 函館県時代  
5. もう一人の「Noguchi」  
むすび  

今後の展望――あとがきに代えて

資料編
引用・参考文献


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