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北東アジアにおける帝国と地域社会

北東アジアにおける帝国と地域社会

A5判 504ページ 上製
定価:8,200円+税
ISBN978-4-8329-6831-8 C3021
奥付の初版発行年月:2017年03月 / 発売日:2017年04月中旬

内容紹介

19世紀から20世紀半ばの北東アジアはロシア(ソ連)、清(中国)、日本という3つの帝国が勢力圏を交錯させていた世界でもまれな地域であった。本書は諸帝国のプレゼンスが重なり合う植民地の地域社会に焦点をあて、支配される側の問題を重視しつつ地域史を描く。

著者プロフィール

白木沢 旭児(シラキザワ アサヒコ)

北海道大学大学院文学研究科教授
〈主な研究業績〉
『大恐慌期日本の通商問題』御茶の水書房,1999年
『日中両国から見た「満洲開拓」─体験・記憶・証言─』御茶の水書房,2014年(寺林伸明・劉含発と共編)
『日中戦争と大陸経済建設』吉川弘文館,2016年

東 俊佑(アズマ シュンスケ)

北海道博物館学芸員
〈主な研究業績〉
「幕末カラフトにおける蝦夷通詞と幕府の蝦夷地政策」『北海道・東北史研究』第2号,2005年
「幕末蝦夷地の経営帳簿『土人勘定差引帳』」『東京大学史料編纂所研究紀要』第20号,2010年
「幕末のサンタン交易について」『北方の資源をめぐる先住者と移住者の近現代史─北方文化共同研究報告─』2010年

及川 琢英(オイカワ タクエイ)

北海道大学大学院文学研究科専門研究員
〈主な研究業績〉
「満洲国軍と国兵法」『歴史学研究』第921号,2014年
「『満洲国軍』創設と『満系』軍官および日系軍事顧問の出自・背景」『史学雑誌』第125巻第9号,2016年
「『満洲国軍』の発展と軍事顧問・日系軍官の『満系』統制」『北大史学』第56号,2016年

秋山 淳子(アキヤマ ジュンコ)

札幌市公文書館専門員
〈主な研究業績〉
「戦前期オーストラリアにおける日本人人口分析」北海道歴史研究者協議会『道歴研年報』第11号,2010年
「「満洲国」成立以降における土地商租権問題」寺林伸明・劉含発・白木沢旭児編『日中両国からみた「満洲開拓」─体験・記憶・証言─』御茶の水書房,2014年
「札幌市公文書館の開館と今後の課題」記録管理学会『レコード・マネジメント』第67号,2014年

張 暁紅(zhang xiaohong)

香川大学経済学部准教授
〈主な研究業績〉
「1920年代の奉天市における中国人綿織物業」『歴史と経済』194号,2007年
「『満洲国』期における奉天の工業化と中国資本─機械器具工業の分析を中心として─」柳沢遊,木村健二,浅田進史編著『日本帝国勢力圏の東アジア都市経済』慶應義塾大学出版会,2013年
「『満洲国』の都市における民族資本の戦時と戦後─奉天市の機械器具工業を中心に─」『経済論叢』(香川大学)第89巻第2号,2016年

朴 仁哲(piao renzhe)

北海道大学大学院教育学研究院専門研究員
〈主な研究業績〉
「「満州」における朝鮮人「安全農村」に関する一考察」『北海道大学教育学院研究紀要』第106号,2008年
「朝鮮人「満州」移民研究における対話的構築主義アプローチへの一試論」富士ゼロックス小林節太郎記念基金編『富士ゼロックス小林節太郎記念基金2009年度研究助成論文』2011年
「跨越年代的历史对话─以朝鲜人「满洲移民」第一代为个案─」祁进玉,孙春日主编『东北亚民族文化评论』第2辑,学苑出版社,2012年

胡(猪野)慧君(hu ino huijun)

北海道大学大学院文学研究科専門研究員
〈主な研究業績〉
「国民使節および駐米大使としての胡適の講演活動の意義」北海道中国哲学会『中国哲学』第39号,2011年
『抗日战争时期的胡适─其战争观的变化及在美国的演讲活动─』浙江大学出版社,2013年
「阿城・八紘開拓団,寧安の日本人残留帰国者」寺林伸明・劉含発・白木沢旭児編『日中両国から見た「満洲開拓」─体験・記憶・証言─』御茶の水書房,2014年

辻 弘範(ツジ ヒロノリ)

北海学園大学経済学部教授
〈主な研究業績〉
「台頭中国と朝鮮半島─ 「東北工程」をめぐって─」中居良文編著『台頭中国の対外関係』御茶の水書房,2009年
「在朝日本人の日常生活─上甲米太郎日記を読む─」高麗博物館編『植民地・朝鮮の子どもたちと生きた教師 上甲米太郎』大月書店,2010年
『こんなとき,どう言う? ハングル表現力トレーニング』NHK出版,2016年

崔 誠姫(チェ ソンヒ)

一橋大学大学院社会学研究科特別研究員
〈主な研究業績〉
「第二次朝鮮教育令施行期における中等教育機関への進学過程─高等普通学校・女子高等普通学校を中心に─」『朝鮮史研究会論文集』51集,2013年
「1920年代朝鮮における高等普通学校・女子高等普通学校の設立と「昇格」の事例研究」『日本植民地研究』26号,2014年

内藤 隆夫(ナイトウ タカオ)

東京経済大学経済学部教授
〈主な研究業績〉「北海道近代史研究のための覚書」北海道大学『経済学研究』第61巻第3号,2011年
「明治期石油精製業者の製造・販売活動と原油調達」『東京経大学会誌』第279号,2013年
「明治期佐渡鉱山の製錬部門における技術導入」北海道大学『経済学研究』第62巻第3号,2013年

湯山 英子(ユヤマ エイコ)

北海道大学大学院経済学研究科地域経済経営ネットワーク研究センター研究員
〈主な研究業績〉
「仏領インドシナにおける日本人社会─日仏共同支配前を中心に─」蘭信三編『日本帝国をめぐる人口移動の国際社会学』不二出版,2008年(2014年4月改訂版)
「仏領インドシナにおける対日漆貿易の展開過程─1910年代〜1940年代初めの現地日本人商店からの考察─」『社会経済史学』第77巻第3号,2011年
「台湾の仏領インドシナ調査と事業経営─南亜公司と日仏製糖会社を中心に─」『台湾学研究』(国立台湾図書館)第20期,2016年

池田 貴夫(イケダ タカオ)

北海道博物館学芸員
〈主な研究業績〉
『クマ祭り─文化観をめぐる社会情報学─』第一書房,2009年
「日本領期樺太の民俗・緒論」『日本民俗学』第272号,2012年
『なにこれ!? 北海道学』北海道新聞社,2013年

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 帝国と地域社会に関する覚書 ………………………………白木沢旭児
1 帝国主義から帝国へ
2 北東アジアと地域社会
3 本書の構成

  第1部 帝国のプレゼンスの原初形態

第1章 「トコンヘ一件」再考
    ─北蝦夷地ウショロ場所におけるアイヌ支配と日露関係─
                      …………………東 俊佑
はじめに
1 「トコンヘ一件」のあらまし
2 ロシア人によるアイヌの借用
─日露「雑居」下におけるサハリン島現地の対応─
3 ハウトンマカの選択
4 ヲフツセリとロシア人の内通
5 「強奪土人」の帰村
まとめにかえて

第2章 日露戦争期から辛亥革命期の奉天在地軍事勢力
    ─張作霖・馬賊・陸軍士官学校留学生─ ………………及川琢英
はじめに
1 張作霖・馬賊と日露戦時特別任務班
2 張作霖の昇進と馬賊の清国官軍編入・日本人監督官の招聘
3 辛亥革命と張作霖・馮徳麟・陸軍士官学校留学生
おわりに

  第2部 帝国と「勢力圏」

第3章 植民都市・安東の地域経済史
    ─2つの帝国のはざまで─  ……………………………白木沢旭児
はじめに
1 植民都市・安東
2 2つの帝国 ─商人の世界─
3 2つの帝国 ─工業発展の諸相─
おわりに

第4章 日中合弁企業:営口水道電気株式会社の経営展開
                      …………………秋山淳子
はじめに
1 都市営口の概要
2 営口水電の特徴と事業展開
3 経営をめぐる日中関係─対抗と協同─
おわりに

第5章 1940年代初頭の奉天市における中国人工場の地域分布
    ─『満洲国工場名簿』の分析を中心として─
                      …………………張 暁紅
はじめに
1 地域区分と人口分布
2 工場分布
おわりに

第6章 朝鮮人「満洲」移民体験者の語りの諸相についての一考察
    ─ライフヒストリー(生活史)法を用いて─
                      …………………朴 仁哲
はじめに
1 ライフヒストリー(生活史)法を用いる理由
2 朝鮮人の満洲への移住過程
3 移民体験者たちの語りの諸相
おわりに

第7章 日中戦争までの日中関係を改善するための胡適の模索
    ─胡適の日記を中心に─ …………………………………胡 慧君
はじめに
1 胡適における日本,中国および日中問題改善の基本的な考え方
2 太平洋問題調査会と中国参加の背景
3 第三回会議(京都会議)
4 第四回会議(杭州・上海会議)
5 第五回会議(バンフ会議)
6 第六回会議(ヨセミテ会議)
結  び

  第3部 帝国と「公式植民地」

第8章 旧植民地在住日本人の記憶とその記録  …………………辻 弘範
はじめに
1 福岡市総合図書館「郷土・特別収蔵室」所蔵自伝資料
2 自伝執筆者たちの記憶と「植民地」
おわりに

第9章 第二次朝鮮教育令施行期(1922~1938年)における
    女子高等普通学校卒業生の進路選択について
                      …………………崔 誠姫
はじめに
1 第二次朝鮮教育令施行期の女子教育─初等教育と中等教育─
2 女子高等普通学校卒業生の進路選択
おわりに

第10章 植民地企業城下町の構築と変容
    ─日本窒素肥料の事例─ …………………………………内藤隆夫
はじめに
1 日本窒素肥料の朝鮮における事業展開
2 企業城下町の形成
3 植民地企業城下町の実態とその変容
おわりに

第11章 朝鮮北部残留日本人の活動と「脱出」・「公式引揚」
    ─日本窒素肥料の事例─ …………………………………内藤隆夫
はじめに
1 敗戦と日本人世話会
2 日本人の工場締出しと再入場
3 技術者の役割
4 「脱出」と「引揚」
おわりに

第12章 日本の植民地下における生漆「国産化」の展開過程
                      …………………湯山英子
はじめに
1 漆「国産化」の背景
2 台湾における安南漆導入過程
3 斎藤漆店の海外展開
4 戦後への連続
まとめと課題

第13章 日本領期の樺太における温泉開発と
    温泉をめぐる人びとの精神誌 ……………………………池田貴夫
はじめに
1 日本領期に開発された主な温泉地
2 21世紀初頭のサハリンにおける川上温泉と遊仙閣跡地
3 樺太島民の温泉をめぐる精神誌
おわりに

あとがき
事項索引
人名索引
執筆者一覧


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