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犯罪捜査における情報技術の利用とその規律

犯罪捜査における情報技術の利用とその規律

A5判 296ページ
価格:7,150円 (消費税:650円)
ISBN978-4-7664-2920-6 C3032
奥付の初版発行年月:2023年11月 / 発売日:2023年10月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

飛躍的に進化を遂げた情報通信技術(ICT)と犯罪捜査の在り方。
――「監視型捜査」という新たな捜査の類型について、刑事法学、憲法学の考察を通じて、その統制手法を論じる進取の研究。
「監視型捜査」という新たな捜査の類型について、第Ⅰ部では、代表的ケースである位置情報取得捜査において、米国の判例・学説を概観しつつ、わが国との比較法的検討を行い、同捜査の被侵害利益について考察。第Ⅱ部では、近年発展のめざましい生体認証(特に顔認証)技術を用いた捜査手法の法的規律のあり方について考察を行い、第Ⅲ部において、監視型捜査の統制手法に向けた示唆を得る。

著者プロフィール

尾崎愛美(オザキアイミ)

筑波大学ビジネスサイエンス系准教授。
慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(法学)。
株式会社KDDI総合研究所アナリスト、慶應義塾大学大学院法学研究科助教、杏林大学総合政策学部総合政策学科専任講師を経て現職。
主要著作として、“Governance Framework for Facial Recognition Systems in Japan,” in: David Kreps, Taro Komukai, T. V. Gopal and Kaori Ishii, Human-Centric Computing in a Data-Driven Society(共著:Springer,2020); 指宿信編『GPS捜査とプライバシー保護』(共著:現代人文社、2018年)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 本書の目的
1.1 監視型捜査の意義
1.2 本書のアプローチ
第Ⅰ部 位置情報取得捜査
第2章 米国における装着型GPS捜査の動向
2.1 位置情報の活用をめぐる新たな動き
2.2 「捜索」に関する米国判例法理の形成
2.3 Jones判決
2.4 Jones判決後の状況
2.5 検討
第3章 わが国における装着型GPS捜査の動向
3.1 移動追跡装置運用要領
3.2 初期の学説
3.3 下級審裁判例
第4章 装着型GPS捜査の分析
4.1 米国判例法理の日本法への示唆
4.2 装着型GPS捜査とプライバシー
第5章 米国における基地局位置情報取得捜査の動向
5.1 携帯電話と位置情報
5.2 Davis判決
5.3 Carpenter判決
第6章 わが国における基地局位置情報取得捜査の動向
6.1 電気通信事業における個人情報保護に関するガイドラインにおける規制
6.2 (参考)内蔵型GPS捜査
6.3 検討
第7章 新たな位置情報取得捜査――偽装携帯基地局・ジオフェンス令状
7.1 偽装携帯基地局
7.2 ジオフェンス令状
第Ⅱ部 顔認証技術利用捜査
第8章 米国における顔認証技術に関する規制動向
8.1 米国法執行機関における顔認証技術の使用状況
8.2 条例・州法による規制
8.3 今後の米国の方向性
第9章 わが国における顔認証技術に関する規制動向
9.1 写真撮影・映像記録を行う捜査手法に対する規制
9.2 顔認証技術の捜査利用
9.3 従来の議論を踏まえた顔認証システムの捜査利用の規制に向けた検討の方向性
第10章 顔認証技術を利用した捜査手法の統制方法
10.1 論点の整理
10.2 「データベース問題」の深化
10.3 わが国における議論の動向
10.4 検討
第Ⅲ部 監視型捜査
第11章 位置情報取得捜査と顔認証技術利用捜査の比較的検討
11.1 第Ⅰ部のまとめ――位置情報取得捜査
11.2 第Ⅱ部のまとめ――顔認証技術利用捜査
11.3 位置情報取得捜査と顔認証技術利用捜査の類似性
11.4 令状による規制の可能性
11.5 小括
第12章 監視型捜査の統制に向けて
12.1 従来の議論の動向
12.2 おわりに
参考文献
参考資料:ポートランド市顔認証技術禁止条例


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