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経済学の歴史

経済学の歴史

A5判 328ページ 並製
定価:2,600円+税
ISBN978-4-7664-2175-0 C3033
奥付の初版発行年月:2014年11月 / 発売日:2014年11月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

経済学はどのような問題に答えようとしているのか
「科学と道徳哲学」の関係や、「生産と分配」の問題を中心に、古典から現代までを見通す

本書は、経済学がこれまでどのような問題と取り組み、どのような考え方を重視し、何について議論してきたのかを明らかにし、経済学の歴史、多様性、方法論を理解することで、現代の経済学がどのような問題に答えようとしているのかを知るためのものである。
 そのため、道徳哲学的な考察が明らかにされている古典派経済学を重視し、「科学と道徳哲学」の関係や、「生産と分配」の問題を中心に古典から現代までの経済学の発展過程を描く。経済学の領域にとどまらず、広く現代社会の成り立ちを考える上での出発点となる一冊。

著者プロフィール

小畑 二郎(オバタ ジロウ)

立正大学経済学部教授・筑波大学名誉教授。博士(経済学)。
1970年慶應義塾大学経済学部卒業、1977年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。財団法人日本証券経済研究所研究員、筑波大学社会科学系講師を経て、1995年筑波大学教授、2010年より現職。1993~94年米国ジョージメイソン大学公共選択研究センター客員研究員、2003年カナダ、アカディア大学客員教授。専門は、経済学および経済思想の歴史、金融史、経済哲学。
主な著書に『ヒックスと時間――貨幣・資本理論と歴史理論との総合』(慶應義塾大学出版会、2011年)、『ケインズの思想――不確実性の倫理と貨幣・資本政策』(慶應義塾大学出版会、2007年)、『アメリカの金融市場と投資銀行業』(東洋経済新報社、1988年)、訳書にJ.ブキャナン著『倫理の経済学』(有斐閣、1997年)等がある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 はしがき
 経済学の歴史的連関図

序 章 なぜ経済学の歴史を学ぶのか
 1 経済学の歴史を学ぶことの意義
 2 テキストの構成と使い方
 3 経済学の歴史を学ぶ方法論について
 4 経済学の歴史に関する本書の立場

  第1部 古典派経済学

第1章 経済学の誕生前史
 1 経済学の誕生までの経済史的背景
 2 思想的背景
 3 政治哲学の革命
 4 スミスの『道徳感情論』(1759)
 5 まとめ

第2章 スミスの経済学(1)
〈前史〉
 1 『国富論』(1776)の問題設定:序文
 2 『国富論』の篇別構成と概観
 3 分業と市場
 4 価値・真の価格:2つの労働価値説
 5 剰余価値論:商品価格の構成部分

第3章 スミスの経済学(2)
 6 経済学の原点:スミスの経済思想
 7 自然価格と市場価格
 8 資本蓄積、貨幣と信用
 9 統治の経済学:重商主義批判と自然的自由の体系
 10 スミスの経済学のまとめ

第4章 リカードの古典派経済学(1)
 1 序論
 2 リカード経済学の中心的な問題:序文
 3 労働価値説
 4 自然価格と市場価格
 5 分配の長期動態と定常状態

第5章 リカードと古典派経済学(2)
 6 リカードの外国貿易論
 7 セイの法則と古典派の貨幣理論
 8 リカードと古典派経済学
 9 リカードの機械論

第6章 マルクスの経済学
 1 マルクスの思想
 2 『資本論――経済学批判』(1867、1885、1894)
 3 労働価値説
 4 剰余価値論または搾取説
 5 生産価格と転形問題
 6 資本蓄積論
 7 マルクス経済学と社会主義の困難

  第2部 近代経済学

第7章 近代経済学の誕生――限界革命
 1 近代経済学の出発
 2 1870年代の3大著作
 3 近代経済学の思想的源泉
 4 価値論における古典と近代
 5 効用理論の歴史と近代経済学におけるその発展

第8章 ワルラス=パレートの一般均衡理論
 1 ワルラス=パレートの経済思想とその起源
 2 一般均衡理論の主題
 3 ワルラス=パレートの一般均衡理論の解答
 4 一般均衡理論の成果と問題点

第9章 マーシャルの経済学
 1 マーシャル経済学の思想的基礎
 2 マーシャルと古典派経済学との関係
 3 近代経済学におけるマーシャルの特徴
 4 『経済学原理』(1890-1920)の篇別構成
 5 企業と市場の経済学
 6 分配論

第10章 メンガーとオーストリア経済学
 1 概説
 2 メンガー経済学の出発点
 3 メンガー経済学の内容
 4 その後のオーストリア経済学の発展と論争

第11章 ケインズの思想と経済学
 1 歴史的背景:『平和の経済的帰結』(1919)
 2 ケインズ:哲学者としての出発
 3 ケインズ:政治経済学のヴィジョン
 4 代表的著作における主題の展開
 5 ケインズ『一般理論』(1936)の経済学
 6 ケインズ政策とその帰結

第12章 ヒックスの経済学と現代
 1 序論
 2 ケインズ経済学の普及とIS-LM理論
 3 ヒックス:経済学研究の出発点
 4 後期ヒックスの研究の特徴とその歴史的背景
 5 貨幣理論の研究
 6 資本理論の研究
 7 経済史の理論

索引


Key Word
 比較優位の法則〈5章〉
 購買力平価説〈5章〉
 物価・正貨のフローメカニズム〈5章〉
 貨幣数量説〈5章〉
 セイの法則〈5章〉
 パレート改善と最適〈8章〉
 厚生経済学の基本定理〈8章〉

Comment
 スミス労働価値説のもう一つの解釈:後ろ向きの価値と前向きの価値
 〈2章〉
 資本主義経済における搾取〈6章〉
 メンガー経済学とマーシャル経済学の補完性〈10章〉
 ベーム-バヴェルクの資本理論に対するメンガーの反対理由〈10章〉
 IS-LM理論の問題点と貨幣・資本理論の研究〈12章〉

Column
 労働経済思想の現代的な意義〈2章〉
 スミスの分業論のその後〈2章〉
 スミスの資本論、とくに人間資本の取り扱いについて〈3章〉
 リカードの生存賃金説の歴史的な背景〈4章〉
 リカードの救貧法反対の理由〈4章〉
 リカードとケインズのヴィジョンの比較〈4章〉
 金本位制の自動安定装置について〈5章〉
 マルクス資本蓄積論の応用〈6章〉
 マーシャルの短期の市場均衡における商人(企業)の役割〈9章〉
 伝統的な利子批判と『ヴェニスの商人』〈9章〉


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