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アランの情念論

アランの情念論

A5判 448ページ 上製
定価:7,000円+税
ISBN978-4-7664-2172-9 C3010
奥付の初版発行年月:2014年09月 / 発売日:2014年09月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

「魂の医術」としての哲学

20世紀の哲学において、「情念」とは「死んだ」概念であった。
19世紀末に哲学の教育を受けたアランは、生理学的な心理学の成果を吟味した結果、「情念」の概念に辿り着き、これを自らの思想の中核に据えた。
アランが、20世紀初頭に「情念」という概念を見出し、自己の思想に持ち込んだ必然性はどこにあったのだろうか?

勃興期の実験心理学と哲学の関係を描きながら、「心理学の時代」となった20世紀に情念概念の積極的な意義を論じたアランの姿を明らかにする力作。

著者プロフィール

新田 昌英(ニッタ マサヒデ)

1978年生まれ。2010年東京大学大学院人文社会系研究科単位取得満期退学。博士(文学)(東京大学、2011年)。2012年4月より、東京大学大学院人文社会系研究科助教、東京理科大学非常勤講師。専門はフランス近現代思想。
主要業績: «Philosophie des sentiments―une forme primordiale de la théorie des passions chez Alain» 『フランス語フランス文学研究』日本フランス語フランス文学会、101号、2012年)「日本人への手紙―哲学者アランから戦後日本へ」(『仏語仏文学研究』、東京大学仏語仏文学研究会、第46号、2013年)。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次


第一部 アランの情念論と情念論の伝統
 第一章 アランの情念論とその生成の問題
  情念論とは何か  アランの思想における情念論の適用例
  情念論の生成の問題  情念概念の衰退後に現れたアランの情念論
 第二章 フランスにおける情念論の伝統
  古代の情念論  一七世紀の語用法  デカルトの情念論
  一八世紀の情念論  一九世紀ロマン主義の情念論
  ジュフロワの情念論  ガルニエの情念論

第二部 知覚と情感性の理論
 第三章 知覚の理論
  知覚研究における感覚の分析  純粋感覚の問題
  アランの知覚理論における対象の観念と宇宙の関係
  二元論の再検討
 第四章 情感性の理論
  触覚知覚における苦痛の役割  「自我の教育」に見る情感性への視
  点  『第一哲学に関する書簡集』におけるアランの感情・感覚理論
  知覚を根底から規定する情感性  身体の認識

第三部 実験心理学の感情研究と認識論上の諸問題
 第五章 心理学と形而上学
  ジュフロワの心理学擁護
  リボーの折衷学派批判と実験心理学のマニフェスト
  ラシュリエによる「心理学と形而上学」の関係
  第三共和政下の中等教育における心理学
  哲学教師エミール・シャルチエの授業計画における心理学
 第六章 アランの心理学批判
  折衷主義の心理学の批判  実験心理学の批判
  自己認識の方法または精神の学
 第七章 「神経学的身体」の時代における情念論
  「神経学的身体」における病因の解剖病理学的な同定と心理学におけ
  る情念の消滅  リボーの情念論  リボーの情念論と比較してみた
  場合のアランの情念論  結論
 第八章 「悲しいマリー」―― 傾向心理学の批判
  「循環性精神障害」の解釈  「悲しいマリー」
  デュマの感情理論  デュマの読者アラン
  狂気の中の確信の構造  傾向概念の批判  結論

第四部 感情の哲学
 第九章  「感情の哲学」の構想と展開
  「感情の哲学」の構想  情感の構造化
 第一〇章  「感情の哲学」と実験心理学
  デカルトが知らなかったこと
  情動の性質  情感の規則性とジェネロジテ
  感情の確かさと宗教性

結 論 魂の医術
  生理的なものと心理的なもの  媒介としての情感性
  心の自然化の時代における魂の医術


  註
  あとがき
  アラン「感情の哲学」フランス語翻刻
  引用・参照文献
  第三共和政下の中等教育における哲学指導要領(抜粋)
  人名索引


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