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税制改革と家計の対応日本の家計行動のダイナミズム[Ⅱ]

日本の家計行動のダイナミズム[Ⅱ] 税制改革と家計の対応

B7 328ページ 並製
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-7664-1293-2(4-7664-1293-1) C3333
奥付の初版発行年月:2006年09月 / 発売日:2006年09月上旬

内容紹介

▼慶應義塾大学経商連携21世紀COE「市場の質に関する理論形成とパネル実証分析」パネルデータ班による家計パネル調査研究の第2年度の成果。日本では極めて例の少ない大規模な家計パネル調査に基づき、様々な政策・制度変更が私たちの行動に与える影響を分析、政策提言を行う。
▼今回は、2004−05年調査を用いて、定期借地借家法、譲渡損失繰越控除制度、贈与税、配偶者特別控除、その他所得減税、たばこ税、家電リサイクル法など、近年進められている税制改革が消費・就労行動に与える影響を分析して政策効果の検証を行う。
▼同時に、標本磨耗の分析や種々のバイアスの検出・修正を行い、パネル調査の理論と方法に関する最先端の研究成果ともなっている。社会調査の専門家にとっても必読書である。


樋口美雄(ひぐち よしお) 慶應義塾大学商学部教授
宮内 環(みやうち たまき) 慶應義塾大学経済学部助教授
木村正一(きむら まさかず) 総務省統計局労働力人口統計室
瀬古美喜(せこ みき) 慶應義塾大学経済学部教授
隅田和人(すみた かずと) 金沢星陵大学経済学部講師
森泉陽子(もりいずみ ようこ) 神奈川大学経済学部教授
直井道生(なおい みちお) 慶應義塾大学経済学部特別研究講師
坂田 圭(さかた けい) 立命館大学経済学部助教授
C.R.McKenzie(マッケンジー、コリン) 慶應義塾大学経済学部教授
柳田征児(やなぎだ せいじ) 慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程
三好向洋(みよし こうよう) 慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程、経商連携21世紀COEプログラム研究員
四方理人(しかた まさと) 慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程、経商連携21世紀COEプログラム研究員
馬欣欣(ま きんきん) 慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程、経商連携21世紀COEプログラム研究員
戸田淳仁(とだ あきひと) 慶應義塾大学経済学部研究助手
石井加代子(いしい かよこ) 慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程、日本学術振興会特別研究員
河井啓希(かわい ひろき) 慶應義塾大学経済学部助教授
竹中直子(たけなか なおこ) 慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程
新保一成(しんぽ かずしげ)  慶應義塾大学商学部教授

目次

はしがき
序章 本書の目的と概要
第1節 本書の目的
第2節 本書の概要

第Ⅰ部 KHPSの継続・脱落サンプル
第1章 パネルデータ継続と回答行動の分析  宮内 環/C.R.McKenzie/木村正一
 第1節 はじめに
 第2節 継続者・脱落者の属性分布の比較
 第3節 「フリーター・ニート」変数の導入
 第4節 パネル調査継続・脱落の分析
 第5節 調査項目への回答行動の分析
 第6節 おわりに
 補論A 「直近一年間の引越し」について
 補論B モデルに用いた変数
 補論C 調査項目への回答確率モデルの別法による推定

第2章 KHPSにおける回答率の変化とその影響   木村正一
 第1節 はじめに
 第2節 使用するデータ
 第3節 回答率変化の検証
 第4節 結果と今後への課題

第Ⅱ部 KHPSを使った制度改革分析
第3章 現行借地借家法・譲渡損失繰越控除制度は人々の転居を容易にしたか   瀬古美喜/隅田和人
 第1節 はじめに
 第2節 先行研究
 第3節 コックスの比例ハザード・モデルと仮説、変数の作成
 第4節 持ち家からの転居の要因の分析——住居エクイティの問題
 第5節 借家からの転居の要因の分析——借地借家法の問題
 第6節 まとめと今後の課題
 補論 ハザード・モデル推定に使用した変数の作成について

第4章 贈与税制の変更は若年家計の住宅購入を促進したか   森泉陽子/直井道生
 第1節 はじめに
 第2節 先行研究
 第3節 推定モデル
 第4節 データの概要
 第5節 推定結果
 第6節 おわりに
 補論A 離散時間ロジット・モデル
 補論B 主な変数の作成方法について

第5章 配偶者特別控除の廃止は有配偶女性の労働供給を促進したか   坂田 圭/C.R.McKenzie
 第1節 はじめに
 第2節 配偶者控除・配偶者特別控除
 第3節 分析手法
 第4節 データ
 第5節 分析結果
 第6節 おわりに

第6章 日本における賃金は本当に勤続年数とともに上がるのか   柳田征児/三好向洋
 第1節 はじめに
 第2節 先行研究
 第3節 実証分析
 第4節 推定結果
 第5節 おわりに

第7章 90年代における両立支援施策は有配偶女性の就業を促進したか   四方理人/馬 欣欣
 第1節 はじめに
 第2節 先行研究
 第3節 仮説と分析視角
 第4節 データと分析手法
 第5節 分析結果
 第6節 おわりに
 補論 競合リスクの離散時間イベント・ヒストリー分析に関する多項ロジット・モデル・アプローチについて

第8章 恒久的減税と一時的減税の消費支出拡大に与える影響は異なるか——恒常所得仮説の検証   戸田淳仁
 第1節 はじめに
 第2節 先行研究
 第3節 データ
 第4節 理論モデルと推定方法
 第5節 分析結果
 第6節 おわりに
 補論 推定モデルの導出方法

第9章 たばこ税の引上げや健康増進法は禁煙にどこまで有効か   石井加代子/河井啓希
 第1節 はじめに
 第2節 先行研究と本章の意義
 第3節 仮説と分析方法
 第4節 使用するデータ
 第5節 分析結果
 第6節 おわりに

第10章 家電リサイクル法は消費者行動にどのような影響を与えたか    竹中直子/新保一成
 第1節 はじめに
 第2節 家電リサイクル法
 第3節 分析データの特徴と分析結果
 第4節 家電リサイクル法の評価と提言
 第5節 むすびにかえて——残された課題

付録 調査票


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