近代東アジアの政治変動と日本の外交
価格:4,058円 (消費税:369円)
ISBN978-4-7664-0616-0(4-7664-0616-8) C3031
奥付の初版発行年月:1995年01月 / 発売日:1995年01月上旬
日清戦争以後の約20年間、日本の東アジアでの発言力は急上昇した。政策決定に関していかなる人々が政府で、在野で、イニシアチブをとっていたのか。激動期の日本外交を中国論議を中心に再検討する。
波多野 勝(はたの まさる) 常磐大学教授
1953年岐阜県生れ。慶應義塾大学法学部卒、同大学院法学研究科博士課程修了、1994年同大学院より法学博士取得。1983年より常磐大学人間科学部専任講師、助教授を経て1994年より現職。日本外交史を中心にした日中関係が主たる専門分野。
目次
問題の所在
第一部 東アジアの政治変動と日本
第一章 フィリピン独立運動と日本
はじめに
一、フィリピン独立運動と日本
二、米西戦争の勃発
三、布引丸事件
結び
第二章 南進から北進への転換
第一節 北清事変と日本の対応−厦門事件再考と日本海軍の対応
はじめに
一、事変の勃発
二、後藤新平の積極論
三、南清への危機
四、厦門出兵
五、出兵中止と混乱
結び
第二節 北清事変と恵州事件−北進論と南進論の模索
はじめに
一、義和団の乱と日本人
二、挙兵への模索
三、北清事変の余波
四、恵州事件へのプロセス
結び
第三章 日韓併合運動−内田良平と対外硬運動からみた北進論の政治的成果
はじめに
一、伊藤統監の対韓政策
二、密使事件と対外硬派の対応
三、内田良平の動向
四、内田の一進会支援と桂内閣の成立
五、朝鮮問題同志会の成立と内田
六、朝鮮問題同志会の展開
七、融和への模索
八、明治四三年の政治状況
結び
第二部 中国革命と日本
第一章 辛亥革命と西園寺内閣−海陸軍の動向を中心に
はじめに
一、革命勃発と政府の対応、海軍の時局索
二、出先機関の報告と軍令部−第四班を中心に
三、軍革交渉と政府の善後策−君主立憲運動
四、視察出張と利益問題
五、陸軍の苦渋
第二章 中国第二革命と山本内閣−協調と強硬のジレンマ
はじめに
一、海軍出先機関報告と陸軍批判
二、第二革命勃発
三、事件の勃発
結び
第三章 対独開戦と大隈内閣−外交一元化をめぐる錯綜
はじめに
一、大戦勃発と海陸軍の対応
二、日本の参戦決定
三、参戦決定後
四、外交一元化問題−陸軍の行動をめぐる二つのケース
五、開戦後と海陸軍
結び
第四章 中国第三革命と大隈内閣−反袁強硬政策と外務省秘密会議
はじめに
一、革命勃発と参謀本部の軍令部接近
二、帝政反対から反袁へ−田中次長のリーダーシップ
三、閣議決定と外務省秘密会議
四、反袁政策の展開と南京会議
五、袁世凱の死去と時局収拾
結び
第五章 段祺瑞政権の登場と寺内内閣−協調路線への回帰
はじめに
一、対中方針の確定
二、田中訪中と段罷免問題の展開
三、服辟のインパクト
四、援段政策の展開
結び
あとがき