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ワーキングメモリの脳内表現

ワーキングメモリの脳内表現

菊判 294ページ 上製
定価:3,500円+税
ISBN978-4-87698-736-8 C3047
奥付の初版発行年月:2008年02月 / 発売日:2008年02月下旬

内容紹介

今や「意識と脳」「心と脳」研究の中心課題となったワーキングメモリ.その働きは、脳のどこでどのように担われているのか? 脳機能画像解析の最新技術を駆使しながら,その秘密に迫る.脳に過大な情報処理を強いる一方,外部メモリに依存することで,「記憶の危機」を招く情報化社会,そして高齢化社会における脳研究の緊急性を示す.

著者プロフィール

苧阪 直行(オサカ ナオユキ)

京都大学大学院文学研究科教授
1946年生まれ。1976年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了
文学博士
主要編著書、論文に、
The Cognitive Neuroscience of Working Memory. Oxford University Press, 2007
Object Recognition, Attention and Action, Spronger Verlag, 2007
Neuro Basic of Consciousness, John Benjamins Publishing, 2003
The neural basis of executive function in working memory: an fMRI study based on individual differences, Neuroimage, 21, 623-631, 2004
『脳とワーキングメモリ』、京都大学学術出版会、2000
『実験心理学の誕生と展開』、京都大学学術出版会、2000
など

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

口絵 
まえがき 

Ⅰ ワーキングメモリ研究の現在的意義

第1章 ワーキングメモリ研究の現在(苧阪直行)
1 はじめに
2 モデルの変遷 
3 高度情報化社会における「ワーキングメモリの危機」 
4 発達・進化研究とワーキングメモリ
5 ニューロイメージング研究の動向
6 本書の構成

第2章 ワーキングメモリと志向的意識の脳内表現—知情意との関わり(苧阪直行)
1 はじめに 
2 志向性の脳内表現
3 内側前頭前野皮質
4 社会脳

Ⅱ 視空間性ワーキングメモリ

第3章 色のワーキングメモリの脳内表現(池田尊司・苧阪直行)
1 色とその神経基盤
2 ワーキングメモリの中の色
3 色のカテゴリー
4 言語的な記憶と視覚的な記憶
5 色のワーキングメモリ
6 色のワーキングメモリの脳内表現
7 色の言語性ワーキングメモリ
8 視空間性ワーキングメモリ

第4章 視覚的注意の脳内表現(坪見博之・苧阪直行)
1 はじめに
2 視覚野における注意のモジュレーション
3 注意と一次視覚野の活動
4 一次視覚野への注意効果はどこから来るのか
5 一次視覚野より以前の注意効果
6 視覚野へのモジュレーション源
7 注意によるモジュレーションの経路
8 視覚的注意とワーキングメモリ

Ⅲ 言語性ワーキングメモリ

第5章 ワーキングメモリにおける注意のフォーカスと抑制の脳内表現(苧阪満里子)
1 はじめに
2 ワーキングメモリの資源制限
3 ワーキングメモリの個人差
4 ワーキングメモリの脳内機構
5 中央実行系の脳内機構
6 リーディングスパンテスト課題下における脳内表現
7 DLPFCとACC
8 ワーキングメモリの個人差とその脳内表現
9 スパンタスクと注意の制御
10 注意のフォーカスとその個人差
11 注意のフォーカスの脳内表現の探索
12 フォーカスと抑制の脳内表現

第6章 高齢者のワーキングメモリ(大塚結喜・苧阪直行)
1 加齢とワーキングメモリ
2 行動研究からのアプローチ
3 ニューロイメージング研究
4 行動的研究とニューロイメージング研究の融合
5 今後の課題と展望

第7章 言語性ワーキングメモリ課題遂行時の情報処理と貯蔵容量(森下正修・苧阪直行)
1 言語性ワーキングメモリ
(1) ワーキングメモリとリーディングスパン課題
(2) リーディングスパン課題の問題点
(3) 仮説
2 注意の焦点の容量
(1) 短期記憶の容量に関する研究
(2) 短期記憶の“純粋な”貯蔵容量
(3) 注意の焦点とWM の関係
3 リーディングスパン課題の処理に伴う情報量
(1) 文の音読の効果
(2) 文の音読に伴う情報量
4 リーディングスパン課題における保持量のレビュー
(1) WM の貯蔵容量の意義
(2) 先行研究の選択基準
(3) 言語性WM の貯蔵容量の範囲
5 リーディングスパンテストにおける貯蔵と処理の動的関係
(1) リーディングスパン課題の流れ
(2) “RST”,“RST#”タイプでの課題の流れ
(3) “RST +”タイプ(真偽判断)での課題の流れ
(4) “RST +”タイプ(意味性判断)での課題の流れ
(5) “RST +”タイプ(試行終了後の文意確認)での課題の流れ
6 仮説の評価
(1) 仮説のまとめと問題点
(2) 個人差の問題
(3) モダリティの問題

Ⅳ 心の理論とワーキングメモリ

第8章 自閉症のワーキングメモリー(越野英哉)
1 人間のワーキングメモリーとそれに関するブレインイメージング
2 自閉症の情報処理の特徴
3 自閉症のワーキングメモリーに関する行動指標に基づいた研究
4 自閉症者のワーキングメモリーに関するブレインイメージングの研究
5 自閉症のワーキングメモリーの特徴

第9章 心の理論の脳内表現—ワーキングメモリからのアプローチ(苧阪直行)
1 はじめに
2 ミラーシステム
3 心の理論と実行系機能
4 心の理論と内側前頭前野皮質
5 心の理論と側頭頭頂接合領域
6 セルフをめぐる話題
7 セルフと心の理論の分化

Ⅴ TMSとワーキングメモリ

第10章 経頭蓋磁気刺激法を用いたワーキングメモリ研究(田中悟志)
1 はじめに
2 経頭蓋磁気刺激法のメカニズムと実験パラダイム 
3 経頭蓋磁気刺激法を用いた視空間性ワーキングメモリ研究 
4 経頭蓋磁気刺激法を用いた言語性ワーキングメモリ研究
5 経頭蓋磁気刺激法によるワーキングメモリ研究のまとめ

第11章 経頭蓋磁気刺激法とワーキングメモリ(苧阪直行)
1 はじめに
2 ワーキングメモリの機能的磁気共鳴画像法研究 
3 経頭蓋磁気刺激法を用いて何が分かってきたか
4 リーディングスパンテストを用いた経頭蓋磁気刺激実験

あとがき
索引


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