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 子規から太宰までこう読めば面白い!フランス流日本文学

阪大リーブル60
こう読めば面白い!フランス流日本文学 子規から太宰まで

四六判 336ページ 並製
定価:2,100円+税
ISBN978-4-87259-443-0 C1390
奥付の初版発行年月:2017年06月 / 発売日:2017年06月中旬

内容紹介

日本文学の柱ともいうべき8人の作者の周辺にすでに西洋文学があった。作者は意図せずして教養の奥からにじみ出てきたエッセンスを掬い取り、自作の表現に生かしていることをフランス文学者である著者はそこここに見出している。これまでの日本文学を全く違ったアングルからみると、さらにその作品の面白さが際立ってくる。

前書きなど

世の中は今やスマホ時代で、かつて電車の中で頁を繰っていた手は、画面をスクロールする
姿に変容した。分からぬことがあると、たちまちスマホの画面を触って知識を得る。確かに便
利には違いなかろうが、さっと画面が切り替えられるように、頭の中も刻々思考が切り替わっ
ているのではないか。また過去の教養主義(教養偏重)をあざ笑うかのような、教育の現場で
の実践(実戦?)主義が横行して、英語ならスピーキング、国語なら自由意見の表出等、コミ
ュニケーション重視の授業が重んじられる結果、書かれた文章を味読し、あるいは味読する方
法を十分に体得せぬままに上級学校に進み、その上級学校でも同じようにコミュニケーション
中心の語学授業や実務、資格重視の講義・演習を終えて世の中に出る。口先ばかりの人間が育
っていないか。

著者プロフィール

柏木隆雄(カシワギタカオ)

944年生まれ。大阪大学大学院博士課程単位取得、パリ第七大学文学博士。神戸女学院大学文学部助教授、大阪大学文学部教授を歴任。放送大学大阪学習センター所長勤務を経て大手前大学学長。2017年同大学退任。現在大阪大学、大手前大学名誉教授、日本フランス語フランス文学会会長。 

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第一章 正岡子規の生と死 ―自筆墓碑銘をめぐって―
一 伝統的和歌と子規の革新
二 「文学」研究の縮図としての「自筆墓碑銘」  
三 墓碑銘の系譜
四 ふたたび自筆墓碑銘を読む
五 月給四十円
六 連作「瓶にさす藤」
七 自筆墓碑銘の意義
第二章 坪内逍遙の『小説神髄』と曲亭馬琴
一「芸術」としての小説  
二逍遙の「稗史家略伝並びに批評」 
三 小説七則
四 馬琴七則とフランス十九世紀の小説
五 逍遙の小説技法
第三章 島崎藤村に見るジャン=ジャック・ルソー―『破戒』から『新生』へ―
一 ルソーの日本移入
二 藤村の『破戒』における『懺悔録』の位置
三 『破戒』に見るルソー『告白』
四 透谷の石坂美那宛書簡
五 透谷、ルソーそして藤村
六 『破戒』から『春』へ
七 『新生』の意義―ふたたびルソー『告白』へ
第四章 菊池寛とバルザック ―『真珠夫人』をめぐって―
一 処女作が語るもの
二 「恩」を眺める「普通の目」
三 菊池寛と芥川龍之介
四 新聞小説『真珠夫人』の成功
 五 「書き出し」の仕掛け  六 フランス小説の影
第五章 バルザックを通して見た黒澤明
一 映画と文学
二 立川文庫の役割
三 演劇への悟入
四 老人の位置
五 黒澤明とバルザック、それぞれの登場人物たち
六 老人の群像
七 登場人物の連環―「人物再登場法」―
八 黒澤はバルザックを知っていたか?
第六章 三好達治の詩的空間 ―フランス詩との関わりをめぐって―
一「雪」の世界
二 「甃のうへ」
三 「甃のうへ」の淵源  
四 日本語の押韻
五 詩人の形成
六 ジュール・ルナールとフランシス・ジャム
七 詩人のその後
第七章 竹友藻風とヴェルレーヌ ―学匠詩人の面目―
一 師と弟子
二 『海潮音』から『法苑林』へ
三 韻律の重さ
四 詩法―なによりもまず音楽を―
五 ヴェルレーヌの影 ―翻訳の彼方に―
第八章 太宰治はフランス文学をどう読んだか?
一 太宰治とフランス文学
二 ダマツテ居レバ名ヲ呼ブシ/近寄ツテ行ケバ逃ゲ去ルノダ
三 「私」語りの問題
四 再び「ダマツテ居レバ名ヲ呼ブシ/近寄ツテ行ケバ逃ゲ去ルノダ」
第九章 太宰治『乞食学生』とフランソワ・ヴィヨン『大遺言書』
一 『乞食学生』の屈託
二 日本におけるヴィヨン
三 ヴィヨン『大遺言書』年譜と太宰治
四 ヴィヨン『大遺言書』から『乞食学生』へ
第十章 太宰治『惜別』の生成
一 物語の交差
二 「日本文学報国会」と太宰治
三 『惜別』創作の意図
四 中国文化の位置
五 太宰治が目指すもの、あるいは目指したもの 
六 善意の「悪人」
第十一章 『ヴィヨンの妻』の周辺
一 『如是我聞』の罵詈雑言
二 戦中から戦後日本におけるフランソワ・ヴィヨン
三 ヴィヨンから『ヴィヨンの妻』へ
四 ヴィヨンと詩人大谷


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