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 クリアーヌとの関係においてエリアーデの思想と亡命

北海道大学大学院文学研究科研究叢書21
エリアーデの思想と亡命 クリアーヌとの関係において

A5判 330ページ 上製
定価:8,200円+税
ISBN978-4-8329-6771-7 C3014
奥付の初版発行年月:2012年09月 / 発売日:2012年09月中旬
発行:北海道大学出版会  
発売:北海道大学出版会
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内容紹介

本書はルーマニア人亡命者組織におけるミルチア・エリアーデの活動と宗教理論の形成過程との関連に着目し、その思想の現代的意義を模索する。ルーマニア語で書かれた政治的論説、書簡、短編小説集から、亡命者としての罪責意識や政治的思想を抽出し、それが宗教研究や文学創作の原動力となったことを明らかにする。

出版部から一言

ミルチア・エリアーデに関する研究は、わが国においては1970年代ころから急速な発展をみて、宗教学のなかでももっとも活発な領域のひとつとなった。しかし、もっぱら研究対象とされてきたのは、エリアーデの宗教理論に関するフランス語文献や英語文献であり、エリアーデがルーマニア語で執筆した資料に関しては、まったくといってよいほど研究がなされてこなかった。わが国においては皆無といっても過言ではない。本研究は、ルーマニア人亡命者組織の機関誌に掲載された論説や、祖国に残した家族や同郷の亡命者たちと交わした書簡などを資料として用いる。そのことにより、エリアーデの宗教理論や文学作品を、亡命者としてのエリアーデの在り方との関連において解釈するあらたな見方を提示することが本研究の目的である。(本書 緒言より抜粋)

前書きなど

ミルチア・エリアーデに関する研究は、わが国においては1970年代ころから急速な発展をみて、宗教学のなかでももっとも活発な領域のひとつとなった。しかし、もっぱら研究対象とされてきたのは、エリアーデの宗教理論に関するフランス語文献や英語文献であり、エリアーデがルーマニア語で執筆した資料に関しては、まったくといってよいほど研究がなされてこなかった。わが国においては皆無といっても過言ではない。本研究は、ルーマニア人亡命者組織の機関誌に掲載された論説や、祖国に残した家族や同郷の亡命者たちと交わした書簡などを資料として用いる。そのことにより、エリアーデの宗教理論や文学作品を、亡命者としてのエリアーデの在り方との関連において解釈するあらたな見方を提示することが本研究の目的である。(本書 緒言より抜粋)

著者プロフィール

奥山 史亮(オクヤマ フミアキ)

2011年 北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了
    博士(文学)取得
    日本学術振興会特別研究員を経て
現在  北海道大学大学院文学研究科専門研究員

主要論文 「エリアーデ文学における宗教思想――クリアーヌのエリアーデ文学論を通して――」、『宗教研究』第358号、日本宗教学会、2008年、1-24頁.
"The Exile Eliade and His Concept of "Religion"," in ANALELE ŞTIINŢIFICE ALE UNIVERSITĂŢII "ALEXANDRU IOAN CUZA" DIN IAŞI, 2009, pp.95-102.
    「ポルトガル滞在期におけるエリアーデの思想形成」、『哲学年報』第58号、北海道哲学会、2011年、21-43頁.

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

目 次

緒 言 各章の構成と意図
 第一節 本研究の目的  
 第二節 研究の方法  
  一 近年のエリアーデ研究の動向  
  二 「亡命」をめぐる議論と本研究の位置づけ  
 第三節 各章の構成と意図  

第Ⅰ部 亡命者エリアーデの思想活動とエリアーデ宗教学
第一章 ポルトガル滞在期におけるエリアーデの思想形成
 第一節 問題の所在  
 第二節 ポルトガル滞在期におけるエリアーデの『日記』  
 第三節 「宗教学者エリアーデ」の誕生--『宗教学概論』と『永遠回帰の神話』  
  一 『宗教学概論』--歴史を貫くヒエロファニー  
  二 『永遠回帰の神話』--「歴史の恐怖」に抗して  
 第四節 小 結  
第二章 ルーマニアに対するエリアーデの罪責意識と宗教理論の形成
 第一節 問題の所在 
 第二節 ルーマニア民族の「精神」  
  一 エリアーデのルーマニア・フォークロア研究  
  二 エリアーデの「精神」概念に対する批判  
 第三節 家族へ宛てたエリアーデの書簡  
 第四節 贖いとしての創造的活動--「ロシア化」と『永遠回帰の神話』  
  一 ルーマニア人亡命者組織におけるエリアーデ  
  二 宗教学者としてのエリアーデ  
 第五節 小 結  
第三章 亡命者エリアーデの思想におけるエリアーデ宗教学
 第一節 問題の所在  
 第二節 ルーマニアの民族的「精神」に基づく文化活動の提唱  
 第三節 民族主義に対するエリアーデの批判  
  一 「ヨーロッパと鉄のカーテン」における「宇宙的キリスト教」  
  二 「ルーマニア文化における普遍的伝統」  
 第四節 エリアーデ宗教学における「宇宙的キリスト教」と「遊牧民的宗教」  
  一 「宇宙的キリスト教」に関するエリアーデの考察  
  二 農耕民的宗教と遊牧民的宗教  
 第五節 小 結  

第Ⅱ部 亡命者エリアーデの思想活動とエリアーデ文学
第四章 エリアーデ文学をめぐるエリアーデとクリアーヌの対話
 第一節 問題の所在  
  一 小説家としてのエリアーデ  
  二 エリアーデ研究の動向  
 第二節 エリアーデとクリアーヌの関係  
 第三節 クリアーヌのエリアーデ文学論  
  一 聖の解読者としてのエリアーデ  
  二 聖の創造者としてのエリアーデ  
  三 後期作品についての考察  
 第四節 生の了解としての解釈学  
 第五節 小 結  
第五章 エリアーデ文学における「精神」概念に関する考察
 第一節 問題の所在  
 第二節 戦後の作品における「精神」の用例  
  一 『ディオニスの宮にて』  
  二 『一九本の薔薇』  
 第三節 戦前の作品における「精神」の用例  
  一 『マイトレーイ』  
  二 『令嬢クリスティナ』  
  三 『蛇』  
 第四節 ルーマニア人亡命者組織において提示されたエリアーデの文学論  
 第五節 小 結  

第Ⅲ部 エリアーデとクリアーヌの関係
第六章 鉄衛団運動をめぐるエリアーデ批判とクリアーヌ
 第一節 問題の所在  
 第二節 エリアーデに対するイエルサレムからの批判  
 第三節 エリアーデとクリアーヌの『往復書簡』  
 第四節 エリアーデとクリアーヌの中断された対話  
  一 七八年『エリアーデ』の「補遺Ⅱ」をめぐる問題  
  二 ポール・ゴマが企画したエリアーデとクリアーヌの対談  
 第五節 ルーマニア人亡命者組織でなされたクリアーヌによる鉄衛団への言及  
 第六節 亡命者エリアーデの思想とエリアーデ宗教学  
  一 「ロシア化」と『永遠回帰の神話』  
  二 亡命者エリアーデの思想とルーマニア民族主義  
 第七節 小 結  
第七章 ルーマニア社会主義政権との闘争におけるエリアーデとクリアーヌ
 第一節 問題の所在  
 第二節 一九八九年以前におけるクリアーヌの政治的言論活動  
  一 「ジョルマニアへのツォラブの侵略」  
  二 「精神に対する罪」  
 第三節 一九八九年以後におけるクリアーヌの政治的言論活動  
  一 『自由なる世界』における政治的論説  
  二 「国王は死んだ││後継者に注意せよ」  
 第四節 クリアーヌの政治的言論と宗教理論  
  一 クリアーヌの宗教理論  
  二 クリアーヌの短編小説における「システム」  
 第五節 政治的言論におけるエリアーデとクリアーヌの比較  
 第六節 小 結  
第八章 クリアーヌからみたエリアーデ宗教学批判の再考
 第一節 問題の所在  249
 第二節 エリアーデに対する反抗者としてのクリアーヌ  
  一 エリアーデの弟子クリアーヌ  
  二 反抗者としてのクリアーヌ  
  三 七八年『エリアーデ』におけるエリアーデ批判  
 第三節 エリアーデとクリアーヌによるルーマニア・フォークロア研究  
  一 ルーマニアの宇宙創造神話  
  二 エリアーデの説  
  三 クリアーヌの説  
 第四節 小 結  

結 言

和訳資料 『エリアーデ―クリアーヌ往復書簡』からの抜粋  
文献解題  
参考文献  
あとがき  
書名索引
人名索引


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