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 アメリカの宗教的平等の伝統良心の自由

良心の自由 アメリカの宗教的平等の伝統

A5判 620ページ 上製
定価:5,200円+税
ISBN978-4-7664-1814-9 C3010
奥付の初版発行年月:2011年10月 / 発売日:2011年10月中旬

内容紹介

真なる信仰の自由を確保するために。
▼現代アメリカを代表する法哲学者(規範倫理学)、マーサ・C・ヌスバウムの重要著作 Liberty of Conscience: In Defense of America's Tradition of Religious Equality, 2008の翻訳。
▼アメリカ独立および建国時の最大の勝利は「信教の自由」の獲得であり、宗教的不寛容を「憲法」(修正第一条)によって克服したことである。その「伝統」の危機に際し、ロジャー・ウィリアムズやジェイムズ・マディソンのような良心の自由と平等の尊重の考え方を根本に据えて、アメリカの「伝統」、そして関連する様々な概念や理念を明快に分析し、指針を提示する。

著者プロフィール

マーサ・ヌスバウム(マーサヌスバウム)

シカゴ大学法学部教授
1947年生まれ。ハーヴァード大学にて文学修士、哲学博士(Ph.D.)取得。1986~93年世界開発経済研究所リサーチアドヴァイザー、ブラウン大学を経て、現職。
主要著作としては、『感情と法』(慶應義塾大学出版会、2010年)、センとの共著『クオリティー・オブ・ライフ』(里文出版、1992年)のほか、共著『国を愛するということ』(人文書院、1996年)、『女性と人間開発』(岩波書店、2000年)がある。また未邦訳だが、The Therapy of Desire (1994), Poetic Justice (1996), Cultivating Humanity (1997), Frontiers of Justice (2006)も重要な著作である。

河野哲也(コウノテツヤ)

立教大学文学部教育学科教授
1963年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程哲学専攻修了。博士(哲学)。国立特殊教育研究所特別研究員、防衛大学校、玉川大学を経て、2008年より現職。
主要著作には、『メルロ=ポンティの意味論』(創文社、2000年)、『エコロジカルな心の哲学』(勁草書房、2003年)、『環境に拡がる心』(勁草書房、2005年)、『〈心〉はからだの外にある』(NHK出版、2006年)、『善悪は実在するか』(講談社メチエ、2007年)、『暴走する脳科学』(光文社、2008年)、『道徳を問いなおす』(ちくま新書、2011年)、『エコロジカル・セルフ』(ナカニシヤ書店、2011年)、『意識は実在しない』(講談社メチエ、2011年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 序論 脅かされた伝統
第1節 公正さの伝統
    第2節 二つの訴訟――シャーバート夫人とピッツバーグの郡庁舎
    第3節 概念
    第4節 原則
    第5節 脅威
    第6節 歴史と法
   
第2章 共生――尊重のルーツ
    第1節 この「荒涼とした寂しい土地」
    第2節 「粗末なカヌーに、たった独りきりで乗り込む」――ウィリアムズのロードアイランド
    第3節 「この良心は全人類にある」――ウィリアムズによる信教の自由の保護
    第4節 「教会と国家権力のモデル」
    第5節 「真理と平和、稀にみる、束の間の邂逅」

第3章 平等を宣言する――新しい国家の宗教
    第1節 平等の価値と尊厳――ストア派に由来する背景
    第2節 国教樹立論への攻撃
    第3節 マディソンとヴァージニア州の課税論争
    第4節 憲法原文の枠組みを作ること
    第5節 誤解を招く二つの理論

第4章 便宜的措置をめぐる闘争
    第1節 「この恐るべきジレンマ」――多数派の法が支配する世界の少数派
    第2節 建国時の便宜的措置
    第3節 編入についての覚書
    第4節 シャーバート夫人の仕事、ヨーダー氏の子どもたちの通学
    第5節 便宜的措置の消滅――雇用部門対スミス事件
    第6節 スミス事件とボーン市事件以降の便宜的措置――バランスを回復させる?
    第7節 宗教は特別であるべきか

第5章 よそ者を恐れる
    第1節 原則と不安
    第2節 モルモン教の一夫多妻制、「常に……嫌悪されてきた」?
    第3節 「私は忠誠を誓う」――エホバの証人と忠誠をめぐる危機
    第4節 反カトリシズムと政教分離
    第5節 恐怖と憲法の原則 

第6章 国教樹立禁止条項――学校における祈り、公的な展示
    第1節 国教樹立と平等
    第2節 学校での祈り――平等、強制、仲間からの圧力
    第3節 沈黙の時間と卒業式での祈り
    第4節 公的な展示――具体的な文脈における平等
    第5節 公的な展示――十戒
    第6節 攻撃にさらされている伝統

第7章 教区学校に対する援助をめぐって――公正さを探究する
    第1節 教区学校――疑惑にまみれて
    第2節 基礎となる原理――公正としての中立性
    第3節 分離理念の探究
    第4節 障害者のケース――再度中立性原理へ
    第5節 「可変的な障壁」――公正さを求めて
    第6節 バウチャーと奨学金

第8章 現代の議論――「忠誠の誓い」、進化論、想像力、同性婚、イスラーム教徒への恐怖
    第1節 今日の良心の平等な自由
    第2節 「神の御もとの」――「忠誠の誓い」、現在と未来
    第3節 進化論の議論
    第4節 教室のなかの差異と想像力
    第5節 よそ者への恐怖――同性婚
    第6節 今一度、よそ者への恐怖――イスラームの脅威とされているもの 

第9章 結論 「重なりあう合意」に向けて?

訳者解題 木原弘行
判例
原註
索引


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