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 ヒロシマ/ナガサキの思想原爆の記憶

原爆の記憶 ヒロシマ/ナガサキの思想

四六判 514ページ 上製
定価:3,800円+税
ISBN978-4-7664-1725-8 C3020
奥付の初版発行年月:2010年06月 / 発売日:2010年06月中旬

内容紹介

戦後、ヒロシマとナガサキは、一体何を象徴し、神話化してきたのか
▼ 終戦、そして原爆投下から65年。戦争体験者や被爆当事者が失われつつある今、あらためて原爆の投下と被爆の人類史的意味を批判的に検証していくなかで、国境と世代を越えて、ヒロシマとナガサキを考える意義を明らかにしていく。
▼日本の戦争被害者意識を正当化する根拠として、「唯一の被爆国/被爆国民」 という 「集合的記憶」 を構築し、自らの戦争責任、戦争犯罪に対する免罪符を与えようとしてきた日本政府と、そのようなナショナル・アイデンティティの構築へのマスメディアの介在を分析する。
▼広島市、長崎市、原爆資料館等の協力を得て、写真や資料を多数掲載。


奥田博子(OKUDA Hiroko)

南山大学外国語学部准教授。

米国ノースウエスタン大学大学院コミュニケーション学研究科博士後期課程修了。

主要論文に、“Japanese Prime Minister Koizumi's Call for International Cooperation,” Journal of International and Intercultural Communication 2, 2009, 「日本における『ヒロシマ』と『ナガサキ』——記憶の抗争」、日本記号学会編『写真、その語りにくさを超えて』(慶應義塾大学出版会、2008年)、“Murayama's Political Challenge to Japan's Public Apology,” International and Intercultural Communication Annual XXVIII, 2005などがある。

目次


  被爆から被曝、そしてヒバクへ
  ヒロシマ、ナガサキ、そしてヒバクシャ
  「ヒロシマ」「ナガサキ」とは何か?
  記憶とは何か?
  現代社会史的な日本の「戦後」区分
  「唯一の被爆国/被爆国民」という神話
  本書の構成

第 I部 軍都「廣島」「長崎」からヒロシマ/ナガサキへ
第1章 なぜ、広島と長崎が原子爆弾の投下目標となったのか?
  広島のなりたち
  長崎のなりたち
  広島の近代都市化・軍事化
  長崎の近代都市化・軍事化
  軍都「廣島」
  軍都「長崎」
  昭和一六(一九四一)年一二月八日
  マンハッタン計画
  無差別爆撃と戦略爆撃
  日本空爆から原爆投下まで
  まとめ

第2章 広島と長崎では何が起こったのか?
  昭和二〇(一九四五)年八月六日午前八時一五分
  昭和二〇(一九四五)年八月九日午前一一時〇二分
  昭和二〇(一九四五)年八月一五日
  原爆被害
  熱線による被害——原子爆弾熱傷
  医療や援護
  原爆症認定制度
  国連報告書
  まとめ

第3章 広島と長崎はどのように想起/忘却されてきたのか?
  原爆報道
  米国の「原爆神話」
  日本の「戦争被害受忍論」
  戦後日米関係の「起源の物語」
  「核の傘」という虚構
  まとめ

第II部 日本のなかの「ヒロシマ」「ナガサキ」
第 4章 爆心地を再生する——広島と長崎の戦後復興
  「廣島平和記念都市建設法」と「長崎国際文化都市建設法」
  広島平和記念公園
  長崎平和公園
  広島平和都市記念碑
  長崎平和祈念像
  広島市の取り組み
  長崎市の取り組み
  被爆地の現在
  まとめ

第5章 歴史/物語を保存する——広島平和記念資料館と長崎原爆資料館
  広島平和記念資料館
  遺品の<かつて>と<いま>
  写真の<かつて>と<いま>
  展示構成の<かつて>と<いま>
  長崎原爆資料館
  遺品の<かつて>と<いま>
  写真の<かつて>と<いま>
  展示構成の<かつて>と<いま>
  まとめ

第 6章 記憶を記念=顕彰化する——広島平和記念式典と長崎平和祈念式
  「戦後」という時代区分
  広島平和記念式典
  長崎平和祈念式
  平和宣言
  日本政府の関心
  内閣総理大臣の挨拶
  まとめ

第7章 過去と物語・記憶を表象する——全国紙vs.地方紙
  メディア・リテラシー
  ナショナルな「原爆の日」
  ローカルな「平和記念日」
  ナショナルなまなざし——全国紙のなかの「ヒロシマ」「ナガサキ」
  ローカルなまなざし——地方紙のなかのヒロシマ/ナガサキ
  まとめ

第8章 原爆体験を思想化する——かつて、いま、そしてこれから
  国家補償を求める被爆者運動
  記憶の形象
  原爆体験の思想化
  積分(Σシグマ)の論理
  核抑止論——「想話テクスト的な現象」
  「人道に対する罪」の遡及性
  まとめ

第III部 グローバル化のなかのヒロシマ/ナガサキ
第9章 検定歴史教科書のなかの原爆投下
  記憶から歴史へ
  国定教科書から検定教科書へ
  原爆投下をめぐる教科書記述
  検定「歴史教科書」という表象空間
  戦後日本の平和教育
  まとめ

第10章 「記憶の場」のなかの原爆体験
  ヒロシマに学ぶ——広島平和記念公園とその周辺の記念碑や慰霊碑および詩碑から
  ナガサキに学ぶ——長崎平和公園とその周辺の原爆遺構から
  取り壊された浦上天主堂と永久保存される原爆ドーム
  まとめ

結 論
  原爆の記憶
  原爆体験と被爆の記憶
  ナショナルなア集団的記憶
  グローバリゼーションと歴史認識
  「核なき世界」への展望

  あとがき
  註
  索引


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