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 文学者が絵を読むとは絵のなかの物語

絵のなかの物語 文学者が絵を読むとは

四六判 270ページ 上製
定価:3,000円+税
ISBN978-4-588-49030-9 C1090
奥付の初版発行年月:2013年07月 / 発売日:2013年07月上旬

内容紹介

文学は同時代の視覚をめぐる文化的・社会的な環境とどのように関わり、参与してゆくのか。英米、ドイツ、日本と領域の異なる文学研究者が、19世紀の英米の図版、世紀末ウィーンのクリムトから20世紀イギリスのモダニズム絵画、さらに日本の平安時代の絵巻から現代日本のマンガを題材に、視覚的表象と文学言語とのインターテクスチュアリティを問い直し、視覚文化論の可能性を探る。

著者プロフィール

庄司 宏子(ショウジ ヒロコ)

1961年生まれ。お茶の水女子大学大学院博士課程人間文化研究科比較文化学専攻単位取得。現在、成蹊大学文学部教授。専門はアメリカ文学。
主な論文・著書に、「もう一つのアメリカ・ルネサンス――マーガレット・フラーとボストンの超絶主義的女性たち」『成蹊大学文学部紀要』(2013年)、『かくも多彩な女たちの軌跡』(共著、南雲堂、2004年)、『病と文化』(共著、風間書房、2006年)、『アメリカン・テロル』(共著、彩流社、2009年)、『グローバル化の中のポストコロニアリズム』(共著、風間書房、2013年)、ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

[執筆者紹介] *は編著者

庄司 宏子(ショウジ ヒロコ)[序章、第2章] *

富山 太佳夫(トミヤマ タカオ)[第1章]
1947年、鳥取県生まれ。東京大学文学部英文学科卒業、同大学大学院修士課程修了。お茶の水女子大学文教育学部、成城大学文学部を経て、現在、青山学院大学文学部教授。専門はイギリス文学。
主な著訳書に、『シャーロック・ホームズの世紀末』(青土社、1993年)、『ポパイの影に』(みすず書房、1996年)、『文化と精読』(名古屋大学出版会、2003年)、『英文学への挑戦』(岩波書店、2008年)、『おサルの系譜学』(みすず書房、2009年)、S. ソンタグ『隠喩としての病い・エイズとその隠喩』(新版、みすず書房、1992年)、『火山に恋して』(同、2001年)、『書くこと、ロラン・バルトについて』(同、2009年)、E. ウォー『大転落』(岩波書店、1991年)、J. カラー『ディコンストラクションⅠ・Ⅱ』(共訳、同、1998年)、ほか。

三浦 國泰(ミウラ クニヤス)[第3章]
1948年生まれ。1971年北海道大学文学部独語・独文科卒業。同大学院修士課程、博士課程に学ぶ。ドイツ学術交流会(DAAD)給費生としてボン大学哲学部留学。ドイツ語学文学振興会奨励賞。現在、成蹊大学文学部教授。文学博士。専門はドイツ文学・芸術理論。
主な著訳書に、「ヴァルター・ベンヤミンの悲劇論、あるいは詩学の解体」富山太佳夫篇『批評のヴィジョン』(研究社、2001年)、『ヘルメスの変容と文学的解釈学の展開──ヘルメネイン・クリネイン・アナムネーシス』(風間書房、2005年)、M. クリュル『トーマス・マンと魔術師たち』(共訳、新曜社、1997年)、H.-G. ガダマー『健康の神秘──人間存在の根源現象としての解釈学的考察』(法政大学出版局、2006年)、H.-G. ガダマー『芸術の真理──文学と哲学の対話』(編訳、法政大学出版局、2006年)、H.-G.ガダマー『真理と方法Ⅲ』(共訳、法政大学出版局、2012年)、ほか。

阿部 公彦(アベ  マサヒコ)[第4章]
1966年生まれ。東京大学文学部卒業、ケンブリッジ大学博士号取得(PhD)。現在、東京大学人文社会系研究科・文学部准教授。専門は英米詩。
主な著訳書に、『文学を〈凝視する〉』(岩波書店、2012年)、『小説的思考のススメ──「気になる部分」だらけの日本文学』(東京大学出版会、2012年)、『英語文章読本』(研究社、2010年)、F. オコナー『フランク・オコナー短篇集』(岩波書店、2008年)、ほか。

木谷 眞理子(キタニ マリコ)[第5章]
東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程を単位取得退学、現在、成蹊大学准教授。博士(文学)。専門は日本古代文学。
主な論文に、「絵巻について」『源氏物語の鑑賞と基礎知識 花散里』(2003年6月)、「源氏絵の表現──源氏物語はどのように描かれてきたか」『別冊太陽 王朝の雅 源氏物語の世界』(2006年4月)、「源氏物語と食」『成蹊國文』40号(2007年3月)、「伊勢物語の物語論」『成蹊國文』42号(2009年3月)、ほか。

山田 利博(ヤマダ トシヒロ)[第6章]
1959年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程日本文学専攻満期退学、帝京大学・国士舘大学・亜細亜大学非常勤講師、宮崎大学教育文化学部助教授等を経て、現在、宮崎大学教育文化学部教授。博士(文学)。専門は、源氏物語を中心とした平安朝散文。
主な論文・著書に、『源氏物語の構造研究』(新典社、2004年)、『源氏物語解析』(明治書院、2010年)、『アニメに息づく日本古典』(新典社新書、2010年)、「源氏物語の映像化」伊井春樹監修・編集『講座 源氏物語研究』第1巻(おうふう、2006年)、「文学としてのマンガ──文学の新しい定義について」『研究論文集』第3巻第2号(2010年)、ほか。

目次

序論 文学からの視覚文化論に向けて (庄司宏子)

第 I 部 歴史のなかの絵画

第1章 顔と服装と人種 (富山太佳夫)
 イギリス人は異人種をどう描いたか
 一 顔の色、肌の色──大英帝国のなかの人種
 二 絵画に描かれた人種──人種差別の記号
 三 観相術──人種の顔から国民の顔へ
 四 写真──動く体、動く表情
 五 「黄色い人」とは誰か?

第2章 〈沈黙した身体〉を視るまなざし (庄司宏子)
 一九世紀視覚文化の一考察
 一 シンパシーのまなざし
 二 シンパシーとメスメリズム
 三 視覚のテクノロジーの登場──観相学、催眠、麻酔、写真術(ダゲレオタイプ)
 四 トマス・イーキンズの手術絵とアウラなき身体──〈沈黙した身体〉の変容

第 II 部 文学と絵画──アール・ヌーヴォーからポストモダンへ

第3章 世紀末ウィーンの思想と芸術 (三浦國泰)
 グスタフ・クリムトの幻の絵画をめぐって
 一 ウィーンの都市改造と建築様式
 二 学部寓意画《哲学》
 三 学部寓意画《医学》
 四 音楽的間奏と学部寓意画《法学》
 五 「絵画と文学との限界論」とクリムトの絵画──あるいは世紀末ウィーンにおけるポストモダンの胎動

第4章 〈目の失敗〉の物語 (阿部公彦)
 ウォレス・スティーヴンズとハワード・ホジキン
 一 私たちは見ることが下手なのか?
 二 スティーヴンズと目の作法
 三 「雪の男」のぎらぎらさ
 四 線の画家たち──ハワード・ホジキンを中心に

第 III 部 物語の絵画化

第5章 絵で語るということ (木谷眞理子)
 信貴山縁起絵巻について
 一 旅の絵
 二 未知の力
 三 尼公の巻の絵を読む
 四 鑑賞者の関わり

第6章 『源氏物語』のマンガ化 (山田利博)
 古典をマンガ化するとはどういうことか
 一 本章が対象とする作品について
 二 牧美也子『源氏物語』
 三 大和和紀『あさきゆめみし』
 四 「カノン」(?)としての『あさきゆめみし』
 五 源氏マンガ研究の今後

 あとがき
 人名・事項作品名索引

関連書

見市雅俊編著『近代イギリスを読む』
G.ディディ=ユベルマン著/小野康男・他訳『時間の前で』


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