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 自然と利害関心の間生命倫理学

叢書・ウニベルシタス1081
生命倫理学 自然と利害関心の間

四六判 534ページ 上製
定価:5,600円+税
ISBN978-4-588-01081-1 C1310
奥付の初版発行年月:2018年06月 / 発売日:2018年06月下旬

内容紹介

生命倫理学は、生という現象に関わりのある道徳問題に関与する倫理学である。本書は、現在の技術革新や医療の進歩とともに生じる問題を具体的な事例において論じる。自然保護・動物の殺処分・自殺防止・クローニング・脳死・臨死介助・脳組織移植・遺伝学・幹細胞研究の領域で議論の対象となっているのはつねに、外的および内的自然に対する人間の関係に関する根本的な問いである。

著者プロフィール

ディーター・ビルンバッハー(ビルンバッハー ディーター)

(Dieter Birnbacher)
1946年、ドルトムントに生まれる。デュッセルドルフ、ケンブリッジ、ハンブルクで哲学などを学び、1973年にハンブルク大学で哲学博士号、1988年にエッセン大学で教授資格を得た。ドルトムント工科大学教授を経て、1996年より2012年までデュッセルドルフ大学教授。現在は同大学名誉教授。応用倫理学(とくに世代間倫理、環境倫理、生命医療倫理)の分野で功利主義的立場を取り、分析哲学の手法を応用し、規範的ならびに価値論的な問題に取り組んでいる。1980年代以来、ドイツ応用倫理学の論争状況に影響を与え続けており、ショーペンハウアー研究の第一人者としても知られている。主要著作にAnalytische Einleitung in die Ethik (Walter de Gruyter, 2003), Verantwortung für zukünftige Generationen (Reclam, 1988),「生命倫理における人間の尊厳」(忽那敬三/高畑祐人訳、加藤泰史編『尊厳概念のダイナミズム』法政大学出版局、2017年)、「『生命の尊厳』とは、どういう意味か」(中澤武訳、『思想』第1114号、2017年)、など。

加藤 泰史(カトウ ヤスシ)

1956年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(文学)。一橋大学大学院社会学研究科教授。哲学、倫理学専攻。『尊厳概念のダイナミズム』(編著、法政大学出版局、2017年)、「尊厳概念史の再構築に向けて」(『思想』第1114号、2017年)、『思想間の対話』(分担執筆、法政大学出版局、2015年)、『フィヒテ知識学の全容』(分担執筆、晃洋書房、2015年)、ほか。

高畑 祐人(タカハタ ユウト)

翻訳担当:前書き、第4章、第5章
1961年生まれ。南山大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(文学)。名古屋大学・南山大学非常勤講師。「エコフェミニズムの批判的変換―自然美学的読み替えの試み」(名古屋哲学研究会編『哲学と現代』第31号、2016年)、「本質的自然資本の規範的説得力―環境経済学と環境倫理学の生産的な協働に向けての一試論」(南山大学社会倫理学研究所『社会と倫理』第29号、2014年)、D・ビルンバッハー「生命倫理における人間の尊厳」(共訳、加藤泰史編『尊厳概念のダイナミズム』、法政大学出版局、2017年)、ほか。

中澤 武(ナカザワ タケシ)

翻訳担当:序文
1963年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程中退。ドイツ・トリーア大学博士(哲学Dr. phil.)。早稲田大学文学学術院・明海大学歯学部・東京薬科大学非常勤講師。翻訳家。Kants Begriff der Sinnlichkeit (Stuttgart: frommann-holzboog, 2009)、『大学と学問の再編成に向けて』(分担執筆、行路社、2012年)、D・ビルンバッハー「『生命の尊厳』とは、どういう意味か」(『思想』第1114号、2017年)、ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

[訳者紹介]

遠藤寿一(エンドウ トシカズ) 翻訳担当:第8章、第16章
1958年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期過程単位取得退学。修士(文学)。岩手医科大学教養教育センター教授。哲学専攻。『教養としての生命倫理』(分担執筆、丸善、2016年)、「私たちは動物か―動物主義の妥当性について」(『東北哲学会年報』第31号、2015年)、ほか。

河村克俊(カワムラ カツトシ) 翻訳担当:第13章
1958年生まれ。関西学院大学大学院文学研究科修士課程修了。ドイツ・トリーア大学博士(Dr. phil.)。関西学院大学法学部教授。Spontaneität und Willkür. Der Freiheitsbegriff in Kants Antinomienlehre und seine historischen Wurzeln (Stuttgart: frommann-holzboog, 1996),『近代からの問いかけ―啓蒙と理性批判』(現代カント研究9、共編著、晃陽書房、2004年)、G・ベーメ『新しい視点から見たカント『判断力批判』』(監訳、晃陽書房、2018年)、ほか。

小谷英生(コタニ ヒデオ) 翻訳担当:第7章
1981年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(社会学)。群馬大学准教授。哲学・倫理学・社会思想史専攻。「政治に対する道徳の優位―いわゆる『嘘論文』におけるカントのコンスタン批判について」(『群馬大学教育学部紀要 人文・社会編』第67巻、2018年)、「道徳と〈幸福であるに値すること〉―カントは幸福にいかなる価値を認めたのか」(『現代カント研究14』、2018年)、ほか。

瀬川真吾(セガワ シンゴ) 翻訳担当:第12章、第15章
1983年生まれ。ミュンスター大学大学院哲学科博士課程ならびに同大学生命倫理学研究所客員研究員。生命倫理学専攻。Die Gültigkeit des locke’schen Personenbegriffs in der biomedizinischen Ethik. In: Michael Quante, Hiroshi Goto, Tim Rojek und Shingo Segawa (Hrsg.): Der Begriff der Person in systematischer und historischer Perspektive (Münster: mentis, 2018),「ミヒャエル・クヴァンテ『人間の尊厳とパーソナルな自律 生命諸科学における民主主義的諸価値』における区分化戦略の有効性」(『ぷらくしす』第15号、広島大学応用倫理学プロジェクト研究センター編、2014年)、M・クヴァンテ「尊厳と多元主義―今日におけるヘーゲル哲学のアクチュアリティとその限界」(『思想』第1114号、2017年)、ほか。

馬場智一(ババ トモカズ) 翻訳担当:第10章
1977年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。ソルボンヌ・パリ第四大学大学院第五研究科博士課程修了。博士(哲学)。長野県立大学グローバルマネジメント学部准教授。『倫理の他者―レヴィナスにおける異教概念』(勁草書房、2012年)、「全体性の彼方へ―コーヘン、ゴルディーン、レヴィナス」(『京都ユダヤ思想研究』第6号、2016年)、J・デリダ『哲学への権利Ⅰ/Ⅱ』(共訳、みすず書房、2014/2015年)、ほか。

府川純一郎(フカワ ジュンイチロウ) 翻訳担当:第6章
1983年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(社会学)。横浜国立大学非常勤講師。哲学、美学専攻。「アドルノ『自然史の理念』における『意味』と『含意』―隠れた通奏低音からの読み直しの試み」(『唯物論』91号、2017年)、ほか。

松本大理(マツモト ダイリ) 翻訳担当:第11章、第14章
1973年生まれ。ケルン大学人間科学部博士課程修了。Dr. Phil.山形大学地域教育文化学部准教授。哲学、倫理学専攻。「カントの『理性の事実』とその背後の問い」(『東北哲学会年報』第29号、2013年)、「『道徳形而上学の基礎づけ』における実践哲学の限界」(『日本カント研究13』、2012年)、ほか。

南孝典(ミナミ タカノリ) 翻訳担当:第9章
1975年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(社会学)。東海大学・東邦大学非常勤講師。哲学、倫理学専攻。「ハイデガーの現象学―彼が最後まで手放さなかった思考の可能性として」(『唯物論』90号、2016年)、「フッサール―アルケーの探求者」(三崎和志・水野邦彦編著『西洋哲学の軌跡―デカルトからネグリまで』晃洋書房、2012年)、「フッサールにとってカントを語ることの意義とは何か―『危機』と関連草稿における『カント批判』を中心に」(『フッサール研究』第6号、2008年)、ほか。

山蔦真之(ヤマツタ サネユキ) 翻訳担当:第1章
1981年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。名古屋商科大学国際学部准教授。主要論文「『生の哲学』としてのカント哲学」(『日本カント研究18』、2017年)、「統一の感情としての尊敬の感情」(『倫理学年報』第63集、2014年)、「カント実践哲学における尊敬の感情」(『哲学』第61号、2010年)、ほか。

横山陸(ヨコヤマ リク) 翻訳担当:第2章、第3章
1983年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員。哲学、倫理学専攻。「他者の心の知覚の問題」(『実存思想論集』第33号、2018年)、「マックス・シェーラーの『感情の哲学』」(『現象学年報』第33号、2017年)、“Offenbarung und Glückseligkeit bei Max Scheler” in: Markus Enders (Hrsg.): Selbstgebung und Selbstgegebenheit (Freiburg: Alber-Verlag, 2018)、ほか。

目次

目次

前書き

序文 ドイツにおける生命倫理学論争 アンドレアス・クールマン

第Ⅰ部 生命倫理学の根本問題
第1章 どのような倫理学が生命倫理学として役立つのか
第2章 人格概念のジレンマ
第3章 人造人間は人間の尊厳への脅威となるか?

第Ⅱ部 自然概念とエコロジー
第4章 功利主義とエコロジー倫理学──不釣り合いな結び付き?
第5章 エコロジー倫理学における機能的論証
第6章 人間的行為の尺度としての「自然」

第Ⅲ部 生と死をめぐる問題
第7章 古典的功利主義の観点からみた殺害の禁止
第8章 倫理的観点からみた自殺と自殺予防
第9章 動物を殺すことは許されるのか?
第10章 脳死判定基準の擁護

第Ⅳ部 医療倫理学論争
第11章 脳組織移植とニューロバイオニクス手術──人間学的および倫理的問題
第12章 クローンに関する展望
第13章 子孫の選択
第14章 医療保険制度における医療資源の配分と配給──功利主義的観点から
第15章 ES細胞研究──〈共犯〉の役割
第16章 幹細胞法──ダブルスタンダードの一例か?

ビルンバッハーの功利主義とドイツの生命・環境倫理学──監訳者あとがきに代えて

初出一覧
事項索引
人名索引


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