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 東南アジアのフィールドから熱帯雨林の自然史

熱帯雨林の自然史 東南アジアのフィールドから

A5 300ページ
定価:3,800円+税
ISBN978-4-486-01773-8 C3045
奥付の初版発行年月:2008年01月

内容紹介

本書は、学生の時から東南アジアの熱帯雨林で研究を続ける研究者たちによるフィールド生態学である。熱帯雨林の生物地理、生態学、保全など熱帯に生息する動植物全体を描く。生態学のテキストとして最適な一冊。


目次

はじめに
  1. 熱帯雨林とは
  2. 東南アジアの森林の現状
  3. 熱帯雨林の研究
  4. 本書の構成とねらい
  引用文献
第1章 植物
 1-1 東南アジア熱帯林でみられる一斉開花の謎を追う(沼田真也・安田雅俊)
  1. 生物の季節:フェノロジー
  2. 一斉開花とは
  3. 東南アジアの一斉開花現象
  4. 一斉開花を引き起こすもの:気象シグナル古今東西
  5. 一斉開花の季節性:パソ森林保護区における研究から
  6. 気候の地域性から予測された一斉開花の地域性
  7. 一斉開花の広域モニタリング
  8. 一斉開花の季節性と地域性:半島マレーシアの広域調査から
  9. 一斉開花はいつ,どこで起こるのか?
  ボックス1 エルニーニョ・ラニーニャ現象とは
  10. 一斉開花のメカニズムと予測可能性
  11. 今後の研究に向けて
  コラム:複合民族国家マレーシア
  コラム:マレーシアにおける研究:ビザ取得
  人物紹介1:ピーター・ショー・アシュトン
  引用文献
 1-2 フタバガキの種子の散布様式(長田典之・安田雅俊)
  1. フタバガキ科樹種の果実の多様な形態
  2. 種の性質と果実形態の関連
  3. 高さ,果実サイズ,風速に応じた実際の散布距離
  4. 羽根が散布におよぼす影響
  5. 周囲の森林構造が散布におよぼす影響
  ボックス2 オランアスリの木登り
  6. 羽根のない種子はいかに散布されるか
  7. 種子散布様式と熱帯雨林の種多様性の関連
  コラム:オランアスリ
  コラム:オランアスリのカンポンのまつり
  人物紹介:ティモシー・チャールズ・ホィットモア
  引用文献
 1-3 熱帯雨林の森林構造と葉の性質の関連(長田典之)
  1. 植物の葉のフェノロジー
  2. 熱帯雨林における高さに応じた葉のフェノロジー
  ボックス3 タワーからみた熱帯雨林
  3. 葉群動態からみた樹冠の発達様式
  ボックス4 植物の成長特性:固着性とモジュール性 
  ボックス5 葉群動態の調査
  4. 林冠構成種の生育段階に応じた葉群動態の変化
  ボックス6 リタートラップをブタオザルに壊される?
  5. 葉の性質の多様性
  6. 葉の性質と森林構造の関連
  人物紹介:エドレッド・ジョン・ヘンリー・コーナー
  引用文献
第2章 動物
 2-1 熱帯雨林の塩場と哺乳類(松林尚志)
  1. はじめに
  2. 塩場とは
  3. ボルネオ島の塩場
  4. デラマコット商業林
  ボックス1 地域の哺乳類相
  5. デラマコットの塩場
  6. デラマコット全体と塩場周辺の哺乳類相の比較
  ボックス2 森林管理協議会(FSC)
  7. 哺乳類の塩場依存性
  ボックス3 自動撮影カメラ
  コラム:偶蹄類の足跡
  8. 塩場の生理的な機能と意義
  9. 塩場以外のミネラル源
   コラム:反芻動物
  10. 塩場の生態的な機能と意義:塩場を中心とした食物網
  11. 残る塩場の謎
  12. おわりに
  コラム:塩場にすむヒルのコロニー
  コラム:ゾウの糞とミミズ
  コラム:ゾウの生態系機能:林冠ギャップと塩場の維持
  人物紹介:ジョン・マキノン
  引用文献
 2-2 マメジカの生態と行動(松林尚志)
  1. マメジカとは
  2. ジャワマメジカの活動日周期と環境利用
  コラム:まめじかカンチル
  コラム:マメジカの捕獲方法
  3. ジャワマメジカの採食生態
  4. ジャワマメジカの社会構造
  5. 近縁種オオマメジカとの関係
  コラム:調査の原動力
  コラム:調査の基本
  人物紹介:メドウェイ卿
  引用文献
 2-3 動物による果実消費と種子散布(安田雅俊)
  1. 動物による種子散布
  ボックス4 動物の色覚と果実の色
  2. 東南アジア熱帯林の動物散布
  3. 様々な動物が関与するラミンの種子散布
  ボックス5 ワシントン条約とラミンの取引
  4. 大型種子の散布者の消失と熱帯雨林の保全
  コラム:なぜ分散するのか? なぜ分散を動物に依存するのか?
  人物紹介:リム・プー・リャット
  引用文献
第3章 保全
 3-1 熱帯雨林の人為撹乱と哺乳類の分布(安田雅俊)
  1. 熱帯雨林の自然撹乱
  2. 熱帯雨林の人為撹乱
  ボックス1 地下の泥炭や石炭が燃える
  3. 森林伐採と小型哺乳類の分布
  ボックス2 地表火による森林火災
  4. 森林火災と哺乳類の分類
  ボックス3 自動撮影とカメラと誘引餌
  5. 今後の研究の方向性:”去るけもの,来るけもの”をどう捉えるか
  コラム:調査の方法と規模にかかわる問題
  コラム:東南アジアで哺乳類研究を始めようとする人のための手引き(第2版)
  人物紹介:アルフレッド・ラッセル・ウォレス
  引用文献
 3-2 大型絶滅危惧種と森林管理の現状(松林尚志)
  1. 人と野生動物
  ボックス4 生物の絶滅と絶滅危惧種
  ボックス5 ヌタ場
  2. 森林と野生動物
  3. 人と森林
  4. おわりに
  コラム:森林が人間へ与える影響
  コラム:巨大なヒル,リタ
  コラム:バンテンによる草本類の種子散布
  コラム:ゾウムシの幼虫を食べる
  コラム:メンガリスの木
  コラム:安間繁樹
  引用文献
 3-3 変わりゆく半島マレーシアの熱帯雨林とその保全(沼田真也)
  1. はじめに:熱帯雨林が育む生物多様性
  2. 熱帯雨林の景観の変遷と野生生物
  3. 生物多様性の低下をもたらすもの:様々な人為撹乱
  4. まとめにかえて
  人物紹介:吉良竜夫
  引用文献
おわりに
索引


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