
学習の生態学 リスク・実験・高信頼性
定価:3,800円+税
ISBN978-4-13-011127-0 C3011
奥付の初版発行年月:2010年08月 / 発売日:2010年08月中旬
医療,原子力発電など,高いリスクに晒されながら先端技術を運用する現場において,学習とは,熟練とは,そして安全文化の実現とはいかにされているのか.徒弟制や学校をモデルとした従来の学習論をこえ,「日常的実験」としての学習,熟練の民族誌=生態学を描く.
言葉の知識を記憶し繰り返すことが学習なら,レコーダーこそが最高の学習者である,というのは馬鹿げた話ですが,では事故が起きたあとマニュアルを作って周知徹底すればOKという発想は,それと一体どう違うことなのか.かといって,学校もあらゆる組織も,徒弟制よろしくOJT(現場学習)を無秩序に繰り返す身体の群れが実体なのか.「現代の現場」の人類学者である福島先生は,医療,科学技術における学習,熟練が,実際はどう生きられているのかを調査し,「学習する組織」というものがもしあるとすれば,それはその現場が,ある学習のための「ラボ」(実験室)としての領域を持っていることを見出します.では,それは「どこ」にあるのか? 学習論のみならず組織のデザインを考えたい方にも必読の書になったと思います.
福島 真人(フクシマ マサト)
福島真人:東京大学大学院総合文化研究科教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
はじめに
I 実践から日常的実験へ
第1章 野生の知識工学――暗黙知の民族誌についての試論
第2章 状況・行為・内省――共同体神話を超えて
第3章 空洞の共同体――教育研究における徒弟モデルの功罪
第4章 学習の実験的領域――試行・コスト・免責
II 組織というレッスン
第5章 組織、リスク、テクノロジー――高信頼性組織研究について
第6章 アメリカン・アサイラム――精神病院民族誌と科学社会学の起源
第7章 野生のリスク管理――病棟のダイナミクスを観る
第8章 救命救急センターにおける組織と学習
あとがき
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