内容紹介
江戸幕府が海外情報を入手するためにつくらせた「風説書」を,オランダ語・日本語史料の双方からその作成過程や背景を明らかにする.17世紀から19世紀にかけて近世日本をとりまく世界情勢の変動を実証的に検討し,対外関係史研究に新生面をひらく.
目次
序 章
第一部 「通常の」風説書の確立
第一章 風説書確立以前のオランダ人による情報提供
第二章 オランダ風説書の確立過程
第三章 オランダ東インド会社の時事情報配信システム——1640-70年代オランダ風説書の情報源
第四章 「通常の」風説書に「原文」は存在したか
第二部 別段風説書の成立
第五章 別段風説書の成立——1840-45年の蘭文テキスト
第六章 1844年オランダ国王ウィレム二世の「開国勧告」の真意
第七章 1845年の別段風説書
第八章 1846年におけるオランダ風説書
終 章 オランダ風説書の終局——1853-59年
附 表 「通常の」風説書蘭文控と別段風説書蘭文テキストの一覧(1834-59年)