見ることに言葉はいるのか ドイツ認識論史への試み
四六判
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-910425-07-8 C3010
奥付の初版発行年月:2023年04月 / 発売日:2023年04月下旬
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-910425-07-8 C3010
奥付の初版発行年月:2023年04月 / 発売日:2023年04月下旬
内容紹介
『見ることに言葉はいるのか――ドイツ認識論史への試み』を読み、
楽しんでもらうべく、読者に哲学的問題を紹介しておく。
たとえば、手に触れて立体や球体がわかる盲人は、新たに視力を手に入れたさい、
目にするだけで立体と球体を見分けうるだろうか。
モリヌークス問題である。
では、言葉の場合はどうだろう。
盲人の世界は独自の豊かさに満ちていると言われるが、
盲人が視力を得たとき、それまで生きてきた世界を表現した言葉は、
新たに目で見る世界に適しているのか?
見るひとが言葉をもちい、語るひとが眼差すこと、
これが実は当たり前ではないなか、〈当たり前さ〉を過剰なまでに吟味する、
その徹底ぶりを堪能していただきたい。
目次
序 ドイツ認識論と超越論的言語哲学
第一部 哲学するラテン語とドイツ語のあいだ
1 語り得ないものを語るということ
2 バウムガルテンの存在論と世界論
3 カントのカテゴリー論と理念論
4 美は人間を人間たらしめる形成手段である
第二部 ドイツ語で思索する古代ギリシャ哲学
5 自我と認識
6 〈イデアを観ること〉とはどのようなことか
7 フッサールとプラトン
8 実践的推論において見ること
第三部 ドイツ語で哲学するユダヤ人たち
9 コーエンにおける無限判断とその射程
10 機能・シンボル化・人間学
11 ローゼンツヴァイクと聖書物語
第四部 ドイツ認識論で現象を救う
12 フッサールとブレンターノ
13 ハイデガー的カントの図式論=演繹論
14 沈黙と饒舌
終 ドイツ哲学で認識の身分を問う