現代中国語の文語
価格:4,840円 (消費税:440円)
ISBN978-4-87354-774-9 C3087
奥付の初版発行年月:2024年01月 / 発売日:2024年01月中旬
本書は学術的な洞察と実践的な応用のバランスを取りながら、法律や食品包装など実用的な文語の理解を助け、比喩やプロソディ、告知文のリズムなど言語の認知的側面を解説しています。また中国語の標点符号の適切な使用、若年層の文語利用の割合など、多岐にわたる話題を提供しつつ、中国語の文語の世界へと導きます。
石崎 博志(イシザキ ヒロシ)
1970年石川県金沢市生まれ
関西大学文学部教授、博士(文化交渉学・関西大学)
単著
2015年『琉球語史研究』好文出版
2015年『しまくとぅばの課外授業』ボーダーインク
2018年『走る日本語、歩くしまくとぅば』ボーダーインク
受賞
2012年 第16回窪德忠琉中関係研究奨励賞
2013年 第35回沖縄文化協会賞(金城朝永賞)
2015年 第43回金田一京助博士記念賞
目次
序章
第1章 法律における文語表現
序
1 基礎資料
2 法律の構成
3 文法的特徴
3.1 「授受」に関する表現について
3.2 「授受」に用いられる処置文
3.3 「授受」における主題と介詞の使い分け
3.4 兼語文
3.5 介詞の分布と用法
3.6 否定を示す語の分布
3.6.1 “无”
3.6.2 “未”と“没有”
3.6.3 “非”
3.7 指示代名詞の分布と用例
3.8 受身文
3.9 多項関係節
3.10 法律文書の文法特徴
4 語彙の特徴
4.1 「以上」、「以下」、「未満」などの表現
4.1.1 口語
4.1.2 文語
4.2 文語と口語の対照
小結
参考文献
資料
第2章 食品表示における文語表現
序
1 基礎資料
1.1 標準と通則
1.2 食品パッケージ
2 表示義務
2.1 栄養成分表示
2.1.1 項目 “项目” Items
2.1.2 単位 “每” Per
2.1.3 栄養素摂取目安量 “营养素参考值” NRV
2.2 原材料名と食品添加物の表示
2.2.1 “標準” における記載
2.2.2 食品パッケージにおける記載
2.2.3 アレルギー表示
3 標準規格と食品表示にかかる当為表現
3.1 義務
3.1.1 標準規格の義務表現
3.1.2 食品のパッケージの義務表現
3.2 推奨
3.2.1 標準規格の推奨表現
3.2.2 食品のパッケージの推奨表現
3.3 許容(任意)
3.3.1 標準規格の許容表現
3.3.2 食品のパッケージの許可・許容表現
3.4 禁止
3.4.1 標準規格における禁止表現
3.4.2 食品のパッケージにおける禁止表現
3.5 他の標準規格における当為表現
4 語彙と表現の特徴
4.1 栄養成分の語彙
4.2 標準規格の表現と語彙
小結
参考文献
第3章 医薬品における文語表現
序
1 基礎資料
2 説明書の構成
3 文法的特徴
4 語彙の特徴
4.1 “禁用”、“忌用”、“慎用”、“不宜”の違い
4.2 その他の禁止・注意表現
5 文語と口語の対照
小結
参考文献
資料
第4章 告知文と公文書にみる比喩と表現
序
1 基礎資料
1.1 “二更” について
1.2 《疫战 传递温暖人心的力量》について
1.3 新型肺炎白書
1.4 Covid-19の告知文
2 比喩表現
2.1 動画における比喩表現
2.2 『白書』における比喩表現
2.3 比喩のまとめ
3 中国語のプロソディと告知文のリズム
3.1 3音節区切り
3.2 4音節区切り
3.3 7音節区切り
3.4 3音節区切りと7音節区切りの組み合わせ
小結
参考文献
第5章 口頭でなされる文語表現
序
1 基礎資料
2 面接での質問と表現
2.1 就職活動でよく質問される事柄
2.2 語彙からみた表現の特徴
2.2.1 頭字語の使用
2.2.2 「失敗」を表す比喩表現
2.2.2.1 「死」を用いた比喩
2.2.2.2 「落とし穴」を用いた比喩
3 面接における文語の使用
3.1 自己紹介の回答
3.2 欠点を説明する回答
3.3 志望動機の回答
3.4 キャリアに関する回答
3.5 オフィシャルな場における文語的表現
4 人的評価の表現
4.1 長所を述べるときの表現
4.2 短所を述べるときの方略
4.2.1 能願動詞の使用
4.2.2 非恒常的であることを示す表現
4.2.3 “不够/不算/不太”の使用
4.2.4 短所を述べる表現
小結
参考文献
資料
第6章 若年層の作文にみる中国語の文語
序
1 基礎資料
2 文語の品詞
3 「文語形態素」を用いた口語と文語の識別
3.1 “之”
3.2 “而”
3.2.1 前置タイプ “而~”
3.2.2 後置タイプ “~而”
3.2.3 接続詞 “而”
3.3 “如”
3.3.1 前置タイプ “如~”
3.3.2 後置タイプ “~如”
3.3.3 単独タイプ “如”
3.4 “于”
3.5 “此”
3.5.1 前置タイプ “此~”
3.5.2 後置タイプ “~此”
3.5.3 単独タイプ “此”
3.6 “总”
3.7 “未”
3.8 “何”
3.8.1 前置タイプ “何~”
3.8.2 後置タイプ “~何”
3.9 “有”
3.10 “曾”
3.11 “所”
3.12 “为”
3.13 “其”
3.13.1 前置タイプ “其~”
3.13.2 後置タイプ “~其”
3.14 “相”
3.15 “以”
3.15.1 前置タイプ “以~”
3.15.2 後置タイプ “~以”
3.16 “已”
3.17 “忽”
3.18 “否”
3.19 “深”
3.20 “互”
3.21 “皆”
3.22 “系”
3.23 “宜”
3.24 文語表現と成語との関係
4 各学年の分析
4.1 小学1年生から3年生の作文
4.2 小学4年生から6年生の作文
4.3 中学1年生から3年生の作文
4.4 高校1年生から3年生の作文
5 “而”、“之”、“如”、“于”の使用状況
5.1 “而”
5.2 “之”
5.3 “如”
5.4 “于”
5.5 有効性の低い項目
小結
参考文献
資料
第7章 現代中国語におけるくぎり符号 “標点符号” について
序
1 基礎資料と翻訳の範囲
2 句読法の分類と種類
3 翻訳に関して
4 翻訳
くぎり符号 “标点符号” の用法
附録 A(規範に関する附録)くぎり符号 “标点符号” の用法に関する補則
附録 B(資料性の附録)くぎり符号 “标点符号” のいくつかの用法説明
小結
参考文献
終章
あとがき
索引