食べ物の履歴書
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-87354-754-1 C3039
奥付の初版発行年月:2022年09月 / 発売日:2022年09月下旬
日々の献立に登場する、いくつかの食べ物について、その由来と普及のプロセスなどを平易に解説する。うどんや豆腐がかつて高級食材であったこと、きゅうりが一般に広まったのが江戸時代末期であったこと、重曹が存在しない時代のカルメ焼きはどのようなものであったかなど、ありふれた食べ物や献立の知られざる歴史を語る。
吉田 宗弘(ヨシダ ムネヒロ)
1953年生まれ。京都生まれの京都育ち。
京都大学大学院農学研究科博士後期課程食品工学専攻修了。
関西医科大学助教授などを経て,現在は関西大学化学生命工学部特別契約教授。
主な著書に,『食と環境−問われている日本のフードシステム−』(分担執筆,晃洋書房,2008 年),『改訂基礎栄養学』(共編著,光生館,2011 年),『ビタミン・ミネラルの科学』(分担執筆,朝倉書店,2011 年),『身のまわりの食品分析実験』(共編著,三共出版,2011 年),『サプリメントのほんととウソ−エビデンスに基づいたサプリメントの有効性−』(分担執筆,ナップ,2013 年),『ヒト社会と環境-ヒトは環境とどのように向き合ってきたか-』(編共著,古今書院,2015 年),『食と農の環境問題−持続可能なフードシステムをめざして−』(分担執筆,すいれん舎,2016 年),『教養としての公衆衛生』(単著,文教出版,2016 年),『新・食生活を科学する−食品は人の行動を変えてきた−』(編共著,文教出版,2018 年),『エッセンシャル栄養化学』(分担執筆,講談社,2021 年)などがある。
目次
第1章 食生活の基本
1.食事の役割
2.食べ物の加工と調理
3.栄養機能を満たすためには
4.アジアの食事と欧米の食事
第2章 小麦粉の普及とうどんの誕生
1.栽培小麦の誕生と粉食
2.うどん類の歴史
3.うどんの普及
第3章 日本人と芋
1.『和名類聚抄』に収載されている芋類
2.サトイモ
3.ヤマノイモとナガイモ
4.新大陸原産の芋
5.ユリネ
6.芋の栄養価
第4章 豆腐の誕生と普及
1.大豆
2.豆乳と豆腐の誕生
3.豆腐
4.世界に飛躍する豆腐
第5章 世界を制覇したインゲン
1.インゲンの原産地
2.インゲンの伝播
3.サヤインゲン
4.インゲンの豆を使った料理と食品
第6章 ワインの伝来と南蛮菓子
1.南蛮貿易
2.日本語に残るポルトガル語
3.戦国武将が飲んだワイン
4.南蛮菓子
第7章 日本における豚の飼育と豚肉食
1.家畜としての豚
2.日本における養豚と豚肉食
3.日本の豚肉料理
第8章 めで鯛
1.生物、および水産資源としてのタイ
2.いつから食べていたか
3.文献に現れる鯛と名前の由来
4.鯛と日本文化
5.消費量における地域差
6.鯛料理
第9章 苦かったキュウリ
1.日本への伝来
2.完熟キュウリ
3.未熟キュウリ
4.キュウリと文化
第10章 日本で栽培野菜として発展したゴボウ
1.生物としてのゴボウ
2.利用の歴史と実態
3.ゴボウの品種・ブランド
4.成分
5.ゴボウを使った料理
第11章 香酸柑橘
1.日本の香酸柑橘の種類と生産量
2.日本における香酸柑橘の種類と歴史
3.日本における香酸柑橘の利用
4.海外における日本産香酸柑橘の利用
5.香り成分
第12章 日本特産の香辛料である山椒
1.植物としての山椒とその辛味・香気成分
2.香辛料としての歴史
3.生産量と消費量
4.山椒の利用
5.サンショウウオ(山椒魚)
第13章 ミョウガと近縁植物
1.ミョウガの起源と語源
2.栽培植物としてのミョウガ
3.食材としてのミョウガの利用
4.ミョウガの特徴的な成分
5.日本人の生活の中のミョウガ
6.ミョウガの近縁植物
第14章 抹茶スイーツ
1.抹茶の歴史
2.抹茶を使った和菓子
3.抹茶スイーツの誕生と定番化
4.むすび
第15章 いい塩梅
1.製塩の技術と原料
2.食塩をめぐるエピソード
3.食塩の生理的な必要性
4.食品の保存
5.味覚と食塩
6.食塩は悪者か