時代を生きる若者たち
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-87354-705-3 C3036
奥付の初版発行年月:2019年09月 / 発売日:2019年09月下旬
まだ昭和の時代だった1987年から30年間5年おきに7回、大学生の価値観を調査してきた貴重な社会学研究の集大成。時代の影響を受け、同じ大学生とは言っても、その価値観は大きく変わってきたことが端的に指摘されている。大学生を通して見る日本社会論として読むことができる価値のある1冊。
片桐 新自(カタギリ シンジ)
片桐 新自(かたぎり・しんじ)
1955年 東京都生まれ
1978年 東京大学文学部社会学科卒業
1983年 東京大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学
1983年 桃山学院大学社会学部助教授
1992年 関西大学社会学部助教授
1993年 関西大学社会学部教授(現在に至る)
目次
はじめに ―本書の狙い―
第1章 これまでの調査から語ってきたこと
1−1 「新人類」たちの価値観 ―1987 年調査から―
1−2 若者たちのコミュニケーション ―1992年調査から―
1−3 「大人」になりきれない若者たち ―1995年調査から―
1−4 時代状況に影響される若者の価値観 ―1997年調査から―
1−5 収斂する意識と「まじめ」の復権 ―2002年調査から―
1−6 不安定社会の中の若者たち ―2007年調査から―
1−7 不透明社会の中の若者たち ―2012年調査から―
第2章 調査対象者に関する基本データ
2−1 調査方法と調査対象者の基本属性
2−2 「レジャーランド」から「就職予備校」へ
―「出席度」と「入学目的」から見る大学生の変化―
第3 章 男と女,どう生きるか
3−1 働きたいというよりも ―女性の仕事と家事・育児の分担―
3−2 家族を作るという「物語」の行方
3−3 ジェンダーの受け止め方
3−4 男女交際をめぐる考え方
第4章 反抗期なき若者たちの親子関係
4−1 親のようになりたいか?
4−2 さらに高まる母親評価
4−3 大人自覚と自立心
第5章 スマホ世代の友人関係
5−1 友人関係をめぐる社会状況の変化
5−2 群れ行動と群れ意識
5−3 ネットを通した友人関係
5−4 友人の数と質
第6章 情報源の変化と社会関心
6−1 新聞の読み方の変化
6−2 スマホが引き起こす社会関心の低下
6−3 社会関心の中核としての政治関心
6−4 現代的リスクへの関心
第7章 減退する社会活動意欲
7−1 ボランティアの経験と意欲
7−2 ボランティア以外のNPSA(非営利型社会活動)
7−3 政治的意思表示としての投票意欲
第8章 保守化した大学生
8−1 混乱から自民党一強へ ―政党激変の30 年―
8−2 支持政党別に見た学生たちの政治意識
8−3 学生たちが考える日本の将来像 ―静かに広まる愛国心―
第9章 刹那主義的な生き方選択
9−1 先の見えない未来より今を楽しむ ―学生たちの生活目標―
9−2 頑張らず楽に働きたい ―学生たちの仕事観―
9−3 個同保楽主義の復活なのか?
おわりに ―総括と展望―