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 身装文化の相互認識から相互摂取まで近代日本と中国の装いの交流史

近代日本と中国の装いの交流史 身装文化の相互認識から相互摂取まで

A5判 340ページ 上製
価格:5,940円 (消費税:540円)
ISBN978-4-87259-702-8 C3039
奥付の初版発行年月:2020年09月 / 発売日:2020年10月上旬
発行:大阪大学出版会  
発売:大阪大学出版会
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内容紹介

近代の日中において相手国の身装を着用する動機の違い、効果、影響の差異とは何だったのか。1900-1920年代の日中の交流のなか、それぞれの文化に驚き、差別を生みながらも身装文化は双方で取り入れられていった。日本人も中国人も同じように、洋服がアジア人である自分たちには合わない服だと認識し、自国の伝統の服装も否定し、中国では日本の服装への、日本では中国の服装への憧憬が生まれていった。本書では「近代化=西洋化」に拘泥するあまり見えにくくなっていた両国の交流、これまで曖昧だった学生装、日本の学生服、中山装について、歴史と実態も明らかにし、東アジア交流史の研究分野に新たな一視座を与えるものである。

出版部から一言

これまであいまいに終わっていた先行研究に変わり、服装の名称と実態を明らかにしている内容だが、日中の両国で自国の文化さえ否定して双方の身装文化を取り入れていった経緯は、西洋化を完全に受け入れた現代において文化を見直すとき、新たな視座を生むに違いない。

著者プロフィール

劉 玲芳(LIU LINGFANG)(リュウ レイホウ)

1990年中国湖南省生まれ。大阪大学日本語日本語文化教育センター特任助教、国際日本文化研究センター共同研究員。
専門は、日中文化交流史、服飾文化学、比較文化学。2017年4月から2019年3月まで、日本学術振興会特別研究員(DC)。2018年に大阪大学言語文化研究科日本語・日本文化専攻博士後期課程修了。博士(日本語・日本文化)。東アジア文化交渉学会、服飾文化学会、日本風俗史学会、比較文化学会会員。2019年に中国留日同学会優秀論文賞大阪府知事賞を受賞。
主な論文に、「中国における学生服の誕生と変遷」『風俗史学』第67号、日本風俗史学会(単著、2018年)/「日本人男性と『支那服』の関わり―1910-40年代を中心に―」『日本語日本文化研究』第28号(2018年、単著)/「清末民初の中国における『東洋髻』の起源と流行」『比較日本文化研究』第19号、風響社(単著2019)、など刊行論文16本がある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに
序章

第一部 身装文化の相互認識

第一章 中国人が「東遊日記」に描いた日本人の身装文化
一.渡日した中国人と「東遊日記」
二.カルチャー・ショック
三.明治維新後の洋装
四.和服の歴史に関する記述
五.賛否両論の日本人観
六.まとめ
第二章 1900―1910年代における日本の対中貿易にみる中国人の身装文化
一.対中貿易という視点からの身装文化の研究
二.貿易資料に描かれた中国人の身装文化
三.中国人の身装に関わった日本の商品
四.まとめ
第三章 1910―1920年代における日本人の中国人に対する身装観
一.中国研究の発展
二.奇怪な風習
三.奇妙な衣生活
四.「支那服」優位論
五.まとめ

第二部 身装文化の相互摂取(一)

第四章 日本人男性と「支那服」
一.「支那服」の話
二.歌舞伎俳優の「支那服」
三.知識人の「支那服」物語
四.様々な日本人の「支那服」の体験
五.まとめ
第五章 日本における中国人男子留学生の身装の変遷
一.清末留学生の身装文化にみる日中の摩擦
二.清末留学生の受容の諸相―断髪・学生服・和服
三.中華民国男子留学生の身装の変化
四.まとめ
第六章 日本の「学生服」から中国の「中山装」へ
一.中国本土に現れた「学生服」
二.「学生服」を着用しよう
三.新型の「学生服」―「中山装」の誕生
四.まとめ

第三部 身装文化の相互摂取(二)

第七章 中国人女学生の身装にみる日本の影響
一.女子留学生の身装の変化
二.中国人女学生の「文明新装」
三.まとめ
第八章 清末民初の中国における「東洋髻」の起源と流行
一.「東洋髻」の由緒
二.「東洋髻」と近代日中の女子教育の交流
三..一般女性の間に流行した「東洋髻」
四.まとめ
第九章 日本における「支那服」の流行
一.資料と方法    
二.メディアで語られた「支那服」
三.支那服の流行の始まり
四.流行期の到来―一般家庭へ
五.まとめ

終章
参考文献  
付記


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