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岡山・神庭の滝の群れの60年写真でつづるニホンザルの暮らしと心

写真でつづるニホンザルの暮らしと心 岡山・神庭の滝の群れの60年

A5判 148ページ 並製
価格:1,980円 (消費税:180円)
ISBN978-4-87259-680-9 C1045
奥付の初版発行年月:2019年03月 / 発売日:2019年04月上旬

内容紹介

おっぱいをやめられない子ザル、孫を可愛がるおばあちゃんザル、養子を育てるサル、老眼ザル、子どもの世話に熱心なオスザル、メスザルに支えられる老オスザルの地位…

ニホンザルの様々なエピソードを、豊富な写真と簡明な文章によって活写する。サルの暮らしを満喫できるとともに、サルと人の近さも感じられる一冊であり、子どもから大人まで楽しめる。岡山・神庭の滝のニホンザル集団は半世紀以上、個体識別に基づいた行動研究が継続され、世界的にも大変貴重な群れである。本書ではこの群れに生きたサルたちの歴史を伝える。巻末には霊長類の特徴についての解説も付し、霊長類学、行動研究の入門書としても最適である。

著者プロフィール

中道 正之(ナカミチ マサユキ)

大阪大学大学院人間科学研究科・教授

京都府生まれ。1984年大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了、1986年学術博士。大阪大学大学院人間科学研究科准教授を経て、2007年から同教授。2014年から2016年まで、同研究科長。2015年から日本霊長類学会会長。40年以上にわたり、野生ニホンザル集団の中で暮らすサルの顔を覚え、「誰が誰に何をしたか」を記録しながら、サルの行動発達や子育て、老いなどをテーマに研究を継続。1996年からは動物園で暮らすゴリラの観察も実施している。最近は、動物園で暮らす大型野生動物の子育てなども観察している。

〈主著〉
『ゴリラの子育て日記』(昭和堂、2007年)
『サルの子育て ヒトの子育て』(KADOKAWA(角川新書)、2017年)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

◆はじめに

◆第1章 子ザルの四季―最初の1年
春―生まれたての赤ん坊
夏―広がる子ザルの世界
秋―冬支度を整えた子ザル
冬―初めての雪

◆第2章 子ザルたちの成長―1歳からワカモノまで
おっぱいをめぐる母ザルと子ザルのせめぎ合い
1歳の子ザルになっても続く背中でのおんぶ
弟、妹が生まれたとき
おっぱいをあきらきれない1歳の兄や姉
赤ん坊の妹と一緒におっぱいを飲む2歳の姉
子ザルの遊び
赤ん坊に関わる年長のメスの子ザルやワカメス
オトナに近づいたワカメス
群れを離れるワカオス

◆第3章 おとなのメスの暮らし
メスの一生
母系血縁メスたちの結びつき
優劣順位
毛づくろい
出産
死んだ赤ん坊を抱く母ザル
ケガをした子ザルへの世話
養子を育てる
草の根を洗って食べるメスたち
老メスの暮らし
生後2カ月の孫の世話をする老メスのマッチ
1歳の孫の世話をする老メスのテラ
老メスのバーチャンの最後

◆第4章 おとなのオスの暮らし
群れから出るオス、残るオス
オスの順位と行動
オスの毛づくろい相手と交尾相手
子ザルの世話をするオス
ボス、それとも第1位オス
第1位オスの変遷
17年間も第1位オスだったリキニオ
群れに再び戻ってきたオス

◆解説 霊長類の特徴
ニホンザルとヒトは「進化の隣人」
握る手、つまむ指
顔の前面にある並んだ2つの目と毛のない顔

◆おわりに

◆付録 写真に写っているサルたちの名前一覧

関連書

『サルの子育て ヒトの子育て 』(角川新書)、『高崎山のサル 』(講談社学術文庫)、『スノーモンキー 』(とんぼの本)、『おサルの王国 地獄谷野猿公苑の四季』(講談社)、『消えた伝説のサル ベンツ』(ポプラ社)


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