阪大リーブル052
むかしの家に学ぶ 登録文化財からの発信
価格:1,760円 (消費税:160円)
ISBN978-4-87259-434-8 C1352
奥付の初版発行年月:2016年02月 / 発売日:2016年02月中旬
最近の日本の住宅は快適のみを求め,その代償としてエネルギー消費が多くなり機能的ではあるがゆとりがない.自然と共生するという日本古来の伝統文化が消えつつある今,残されている伝統的建造物を登録文化財という形で残し,昔の生活の合理性や工夫を学んで地域の暮らしを見直す.古い住宅を保存しながら活用し,各地で行われる多様な活動が,地域の活性化にも貢献している例を紹介する.
目次
はじめに
第1章 伝統的木造住宅と国民の文化向上
1.古い日本住宅に見られる生活の工夫
2.建物がもつ潜在的教育力すなわち住育の力義久
(1)伝統的木造住宅に潜む住育の力
(2)学校建築と住育
3.伝統的木造住宅がもつ住育の検証
(1)木の家の温かさ
(2)伝統的木造住宅と音の響き
(3)同じ目線で学ぶことのできる学びの場
(4)日本住宅の開放性と柔軟性
(5)建築は歴史の学び舎であり教師でもある
(6)住生活基本法と日本住育の会について
4.知恵の宝庫と工夫する心-勿体ないの心と家
5.小学生の文化力を高めよう
(1)小学校での文化財教育の推進
(2)小学校への出前授業のすすめ
【コラム】
ゴムはなぜ伸び縮みするのか-ある日の出前授業-
(3)伝統的日本住宅による小学校教育の支援
(4)科学技術の進歩と住育
6.自然と共生する住居
第2章 歴史的建造物とヘリテージマネージメント
1.文化財と文化遺産
(1)文化・文化財とは
(2)文化財・文化遺産と法
(3)登録文化財の制度
2.文化財を管理するヘリテージマネージャー
(1)ヘリテージマネージャーとは
(2)歴史的建造物の活用と保存は今を生きる市民の使命
(3)文化と道徳と教育
(4)平成につくる未来の文化財
3.美しい街並みを残そう
(1)大阪府登録文化財所有者の会とその活動
(2)白川郷を訪ねて
(3)写真で見るアメリカの歴史的文化財
(4)アメリカにおける文化財保存の現状
(5)オランダの歴史的都市ドルドレヒトを訪ねて
第3章
登録有形文化財の保存と活用
1.登録文化財制度と大阪府の登録有形文化財
(1)はじめに
(2)大阪府の登録有形文化財建造物概観
種別/建築年代/建築様式・構造/建築家・設計者
(3)登録有形文化財と日常生活とのかかわり
住宅/産業に関わる建物/学校/文化福祉関係の建物/宗教関係の建物/交通関係の建造物
(4)登録有形文化財建造物の年代別特徴
江戸期/明治期/大正期/昭和期
(5)まとめ
【コラム】
南河内の文化力
2.民家に生きる木の建築文化の継承を
3.伝統的木造住宅における教育・文化活動
(1)登録文化財の動態保存と異文化理解
(2)登録文化財での活動の実例
畑田家住宅での畑田塾/山田家住宅・新川家住宅/ナヤ・ミュージアム/吉村医院
【コラム】
重要文化財
吉村家住宅
おわりに