女たちの日韓キリスト教史
価格:4,840円 (消費税:440円)
ISBN978-4-86283-314-3 C3016
奥付の初版発行年月:2021年03月 / 発売日:2021年03月上旬
日本による朝鮮植民地時代から現代まで、日韓女性キリスト者たちは互いをどう理解し活動を展開したのか、フェミニズムの視点から考察。第2部には韓国フェミニスト神学についての論考を収録。
神山 美奈子(カミヤマ ミナコ)
兵庫県西宮市生まれ。関西学院大学神学部卒業、同大学神学研究科にて神学修士(Th. M)及び神学博士(Th. D)学位を取得。専攻は実践神学。在学中に韓国の延世大学校、梨花女子大学校に留学。日本キリスト教団牧師として兵庫松本通教会担任教師、甲陽園教会主任教師、丹後宮津教会担任教師を務める。ヴォーリズ学園近江兄弟社中学校聖書科教諭、聖潔大学校(韓国)日語日文学科専任講師、国立仁川大学校(韓国)非常勤講師、関西学院高等部、夙川学院中学・高等学校、梅花高等学校で聖書科非常勤講師などを経て現在、名古屋学院大学商学部准教授。日韓キリスト教史を主な研究課題とし、執筆・翻訳活動に励む。『아시아 공동체와 평화 열 가지 시선』(모시는 사람들、2020 年)など。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
まえがき
凡例
第1部 女たちの日韓キリスト教史 ─婦人矯風会をめぐって─
序章 問題設定と研究の意義
1 問題設定と方法論
2 先行研究の分析と研究課題
第1章 明治期『婦人新報』における朝鮮理解
1.1 日本キリスト教婦人矯風会の設立過程と当時の日韓関係
1.2 設立から日清戦争(1886-1894年) ─清国から独立すべき隣国朝鮮─
1.3 日清戦争から日露戦争(1895-1904年) ─保護国としての朝鮮─
1.4 日露戦争から韓国併合(1905-1909年) ─保護国から植民地朝鮮へ─
第2章 大正から昭和期『婦人新報』における朝鮮理解
2.1 武断統治期(1910-1920年)
2.2 文化統治期(1921-1930年)
2.3 十五年戦争期(1931-1945年)
第3章 女性キリスト教団体及び機関紙における朝鮮理解の比較分析
3.1 『YWCA』との比較 ─韓国併合と3・1独立運動─
3.2 『女學雜誌』との比較
第4章 朝鮮理解に関する宣教学的考察 ─淑明女学校の設立過程を手掛かりに─
4.1 淑明女学校設立と淵澤能惠
4.2 淑明女学校と矯風会
4.3 淑明女学校と日本組合基督教会
4.4 淑明女学校と朝鮮総督府
第5章 朝鮮理解に関する宣教学的考察 ─植民地期から現在まで─
5.1 韓国併合による宣教理念への影響(1910年代)
5.2 矯風会朝鮮支部設立期の宣教理念(1920年代)
5.3 敗戦(解放)前後の宣教理念(1930-50年代)
5.4 「神の国」建設としての宣教 ─1930年代の矯風会と今日の宣教学的課題─
5.5 敗戦(解放)後の矯風会と大韓節制会の宣教理念の比較
結論 研究成果と展望 ─矯風会と大韓節制会の歩み─
1 各章における研究成果の概要
2 今後の歩みにおける展望
参考文献
第2部 韓国フェミニスト神学概観 教会論を中心に─
序論 問題設定と研究の意義
第1章 1960年代までの韓国教会における女性運動
1.1 1880年代から日本帝国主義による植民地時代(1910年)まで
1.2 日本帝国主義による植民地時代(1910-1945年)
1.3 1945年の解放から60年代まで
第2章 韓国フェミニスト神学の形成と発展
2.1 1970年代におけるフェミニスト神学の受容
2.2 1980年代におけるフェミニスト神学の形成
2.3 1990年代におけるフェミニスト神学の発展
第3章 韓国教会における女性の状況と動向
3.1 女性と教会組織
3.2 女性と按手
3.3 女性と礼拝
第4章 韓国フェミニスト神学と教会論
4.1 伝統的教会論批判
4.2 新たな教会論の模索
4.3 フェミニスト神学の課題と展望
結論 フェミニスト神学の意義と展望
参考文献
あとがき
索引