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 至高性、交流、剝き出しの生バタイユからの社会学

KGUP série 社会文化理論研究
バタイユからの社会学 至高性、交流、剝き出しの生

四六判 302ページ
定価:3,600円+税
ISBN978-4-86283-306-8 C3036
奥付の初版発行年月:2020年10月 / 発売日:2020年10月下旬

内容紹介

バタイユの著作を社会学的に読み解き、その知見を取り入れることで社会学理論を深化させる。社会学的読解は、バタイユ解釈の一つの方法にすぎないが、いまだ探索されていない鉱脈を掘り当てる試みとなりうる。

著者プロフィール

岡崎 宏樹(オカザキ ヒロキ)

1968年兵庫県生まれ
京都大学文学部哲学科(社会学専攻)卒業
京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学 京都大学博士(文学)
現  職 神戸学院大学現代社会学部教授
専  門 社会学理論 文化社会学
主要業績 『社会学の基本 デュルケームの論点』(分担執筆,学文社,2020年)
     『はじまりの社会学―問いつづけるためのレッスン』(分担執筆,ミネルヴァ書房,2018年)
     『作田啓一 VS. 見田宗介』(分担執筆,弘文堂,2016年)
     『映画は社会学する』(分担執筆,法律文化社,2016年)
     『記憶とリアルのゆくえ―文学社会学の試み』(分担執筆,新曜社,2016年)
     『全訂新版 現代文化を学ぶ人のために』(分担執筆,世界思想社,2014年)
    

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき
序論 バタイユからの社会学
 1 バタイユの社会学的意義
  (1)〈生成の社会学〉の発展
  (2)非合理的な行為の理解
  (3)社会学の源流にあった問題関心の継承と発展
  (4)バタイユの社会学的研究の課題
 2 精神分析の空間と社会学の空間
  (1)作田啓一のラカン解釈
  (2)ラカンから社会学へ
 3 〈リアル〉–〈シンボル〉–〈イメージ〉
 4 ウェーバー、フーコー、大澤真幸
  (1)ウェーバーとバタイユ
  (2)フーコーとバタイユ
  (3)大澤真幸とバタイユ

第一章 至高性の社会学
 1 バタイユの体験──剝奪、脱自、笑い
  (1)剝奪の体験
  (2)笑いの体験
  (3)内的体験
 2 バタイユの至高性
  (1)存在と存在者
  (2)至高性と主体性
  (3)至高性と至高者
 3 三次元の社会学理論
  (1)二次元の理論から三次元の理論へ
  (2)至高性の想像的表象
  (3)言語の機能──認識と表現
  (4)交流──〈リアル〉次元のコミュニケーション
  (5)三次元のコミュニケーション──〈リアル〉〈シンボル〉〈イメージ〉

第二章 聖社会学から生成の社会学へ
 1 バタイユと社会学
 2 社会学研究会と聖社会学
 3 カイヨワとバタイユ
 4 レリスとバタイユ
 5 デュルケームとバタイユ

第三章 生成の社会学の方法論──体験と制度
 1 デュルケームの方法
  (1)社会学的方法の規準──対象を物のように考察する
  (2)文学の活用
  (3)沸騰の記述と共感的理解
  (4)リアルなものへのアプローチ
 2 バタイユの方法──「体験」から制度へ
  (1)不可能な体験の記述
  (2)「無神学大全」の方法
  (3)「体験」の存在論的解釈
  (4)供犠の体験と供犠の制度
  (5)『呪われた部分』の方法──認識と交感
  (6)『エロティシズムの歴史』の方法──総体と起源
  (7)『至高性』の方法──「体験」と制度の境界線
 3 〈生成の社会学〉の方法論
  (1)考察対象の選択
  (2)データの収集
  (3)データの解釈と分析

第四章 聖なるものの社会学──体験、象徴、表象
 1 デュルケーム理論と聖なるもの
  (1)人間の二元性と聖–俗の二元性
  (2)宗教と概念的思考
  (3)積極的祭祀と暴力の問題
 2 バタイユ理論と聖なるもの
  (1)内在の聖と祝祭の誤認
  (2)聖俗の境界移動と世界観の変容
  (3)デュルケームの二元論的パースペクティブの限界
 3 〈聖なるものの社会学〉の批判的継承
  (1)集合的沸騰、聖なるシンボル、集合的思考
  (2)溶解体験、拡大体験、連鎖体験
  (3)体験、シンボル、イメージ
 結語──「主体」、自我、社会

第五章 人間の聖性について―デュルケーム、バタイユ、アガンベン
 1 デュルケームの人格崇拝論を再考する
  (1)近代社会における人格崇拝の成立
  (2)人間の聖性は集合的沸騰から生まれるか
  (3)国民であること/人間であること
  (4)難民における尊厳の剝奪──アーレントとバウマンの分析
  (5)不可視の積極的祭祀
  (6)人間の聖性の両義性
 2 アガンベンのホモ・サケル
  (1)主権権力と剝き出しの生
  (2)人格の尊厳とホモ・サケル
 3 至高性、交流、剝き出しの生
  (1)交流と分有──バタイユとナンシー
  (2)アガンベンのバタイユ批判
  (3)剝き出しの生からリアルな生へ
  (4)嫌悪、羞恥、共苦–共熱
  (5)バタイユはアウシュヴィッツとヒロシマをどうとらえたか
第六章 剝き出しの生と交流──難病ALSの剝奪体験をめぐる省察

参考文献
あとがき──〈バタイユからの社会学〉の来歴
謝辞
初出覚え書き


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