死とスピリチュアルケア論考
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-86283-283-2 C3047
奥付の初版発行年月:2019年10月 / 発売日:2019年10月上旬
窪寺 俊之(クボデラ トシユキ)
1939生まれ、埼玉大学、東京都立大学大学院に学び、米国エモリー大学神学研究科を修了(M.Div.)、コロンビア神学校神学研究科修了(Th.M.)、博士(大阪大学)、米国リッチモンド記念病院元チャプレン、米国イーストベイ・フリー・メソジスト教会元牧師、淀川キリスト教病院元チャプレン、関西学院大学神学部元教授、聖学院大学大学院元教授、現在、客員教授。スピリチュアルケア学、死生学、牧会学。日本スピリチュアルケア学会副理事長、日本臨床死生学会常任理事、日本臨床宗教師会副会長、日本ホスピス財団評議員。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
第Ⅰ部 死と向き合う
第一章 魂の遍歴─「スピリチュアリティ」の探求
一 はじめに
二 危機に直面した西田英史の魂の叫び
三 遍歴の区分
四 「スピリチュアリティ」の考察
五 結論
第二章 スピリチュアリティ覚醒のメカニズム
一 はじめに
二 「危機」の諸定義
三 「スピリチュアリティ」の諸定義
四 研究目的
五 研究方法
六 本章での概念の説明(暫定的定義)
七 西川喜作のスピリチュアリティの覚醒
八 西川喜作の心理的・精神的葛藤
九 結び
第三章 死にゆく人の宗教性を支える
一 はじめに─ホスピス運動における全人的医療
二 「宗教的」援助への認識
三 「宗教性」について
四 青木日出雄の宗教性
五 結論─不可避性としての「宗教性」
第四章 岸本英夫の生死観について
一 問題設定
二 岸本英夫の死の体験
三 岸本英夫の生死観─「死は別れのとき」の理解をめぐって
四 結論
第Ⅱ部 スピリチュアルケア
第五章 スピリチュアリティと自己喪失─自己を求めて
一 はじめに
二 自己の喪失
三 自己の回復─関係性の解決
四 結び
第六章 医療におけるスピリチュアルケア・モデルの構築
一 はじめに
二 スピリチュアリティの理解
三 医療の中のスピリチュアルケア・モデルの必要性
四 医療の中でのスピリチュアルケアの既存モデル
五 スピリチュアルケア・モデル
六 結論
第七章 スピリチュアルケアにおける「ケアすること」と「ケアされること」の本質的問題
一 はじめに
二 終末期ガン患者の現状
三 緩和医療と「ケア」の必要性と役割
四 「ケア」の概念の検討
五 「スピリチュアル」ケアの検討
六 スピリチュアルケア者が必要とするスピリチュアルケア
第Ⅲ部 日本人へのスピリチュアルケアの可能性
第八章 日本人の古層のスピリチュアリティを求めて─『竹取物語』を資料にして
一 はじめに
二 説話文学『竹取物語』
三 『竹取物語』が示す「別離」
四 不可避な別離・死
五 スピリチュアリティと人生の危機
六 月の世界、天女のスピリチュアリティ
七 「迎え」の思想
八 死別から本来の生の回復
九 仏教伝来以前の日本人のスピリチュアリティ
一〇 日本人のスピリチュアリティの形成
一一 結び
第九章 スピリチュアルケアへの宗教の貢献
一 目的
二 スピリチュアリティの概観
三 ケアの概念(ケアの概念についての概観)
四 医療におけるスピリチュアルケアの評価(患者の視点から見る意味・価値)
五 医療におけるスピリチュアルケアの倫理的判断の困難性
六 スピリチュアルケアと宗教
七 宗教のスピリチュアルな遺産
八 結び─スピリチュアルケアヘの宗教の貢献する可能性(宗教の再生に向けて)
第一〇章 医療と人権─自己選択権をめぐって
一 はじめに
二 ガン末期医療における問題
三 末期ガン患者の人権に関わる問題点
四 自己決定への道
五 結論
あとがき
初出一覧