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植民地朝鮮の文化の力学からまりあい重なりあう歴史

北海道大学大学院文学研究院研究叢書32
からまりあい重なりあう歴史 植民地朝鮮の文化の力学

四六判 376ページ 上製
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-8329-6877-6 C3021
奥付の初版発行年月:2021年10月 / 発売日:2021年10月上旬

内容紹介

柳宗悦の朝鮮のための「愛の仕事」、移植された桜、文化的欲望をかき立てる博覧会…、そこに引き起された闘争・贈与・受容・敗北・創造。複雑に織りなされた植民地の文化の力学について、朝鮮の人々の思いを描き、「民族の物語」からの転回を見透す。

著者プロフィール

権 錫永(クォン ソギョン)

1964年、韓国生まれ。北海道大学文学研究科博士課程修了(文学博士)。
現在 北海道大学大学院文学研究院教授
専攻 韓国文化史・日本近代思想史

■単著
『オンドルの近代史:オンドルをめぐる朝鮮人の暮らしと歴史』(一潮閣、2010[ソウル])

■主な論文
「思想課題としての帝国主義」(『哲学年報』67号、2021)
「「北方論」のイデオロギーと戦略」(『歴史評論』658号、2005)
「日本における統制とプロパガンダ」(『岩波講座文学第2巻メディアの力学』2002)
「帝国主義とヒューマニズム」(『思想』882号、1997)  など

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

凡 例

序 章 民族主義を超えて

第一章 「白衣」の意味をめぐる闘争
はじめに
 一 朝鮮人の病理化と白衣
 二 柳宗悦と白衣
 三 「白衣」をめぐる闘争
 四 過去の痕跡と韓国人の「白衣」への意味づけ──結びに代えて

第二章 光化門・ヘテをめぐる物語と柳宗悦
 はじめに
 一 柳宗悦の追悼文──「東洋の純粋な建築を敬愛せよ」
 二 移転される光化門をめぐる物語
 三 「ヘテが哭いている」
 結びに

第三章 「朝鮮の美」をめぐる日本人の文化実践──柳宗悦、浅川伯教
 はじめに
 一 柳宗悦と「朝鮮の美」
 二 「朝鮮の美」という観念の問題
 三 朝鮮陶磁礼賛と「高麗茶碗」
 結びに

第四章 〈植民地の国花〉と〈帝国の国花〉(Ⅰ)
    ──無窮花(ムクゲ)と桜、二つの国花の異なる運命
 はじめに
 一 国花としての無窮花
 二 〈帝国の国花〉・桜と「桜の国土」の拡張
 結びに

第五章 〈植民地の国花〉と〈帝国の国花〉(Ⅱ)
    ─―朝鮮人の文化的欲望と伏流する民族主義
 はじめに
 一 朝鮮に蔓延する桜
 二 無窮花と桜の間
 結びに

第六章 「植民地の博覧会」と朝鮮の言論──朝鮮副業品共進会・朝鮮博覧会
 はじめに
 一 朝鮮副業品共進会
 二 1929年の朝鮮博覧会
 結びに

第七章 「ヨボ」という蔑称と「内鮮融和」
 はじめに
 一 「ヨボ」とは?
 二 「ヨボ」という語の氾濫と朝鮮人の思い
 三 他者の眼差しの内面化
 四 「内鮮融和」と蔑称
 結びに

終 章 「からまりあい重なりあう」経験・歴史


あとがき
初出一覧
図版一覧
索 引


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