スラブ・ユーラシア叢書14
北極の人間と社会 持続的発展の可能性
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-8329-6856-1 C3036
奥付の初版発行年月:2020年03月 / 発売日:2020年02月下旬
急変する北極域の気候変動と環境変化が、人間社会にどのような影響をもたらすのか、また、私たち人間はそれにどのように対応するべきかを、経済発展、環境と社会、国際関係とガバナンスの視点から検討。北極域の持続的発展の可能性を探る。
目次
序 章 持続的発展を目指して………田畑伸一郎・後藤正憲
1 北極をめぐる状況の変化
2 プロジェクトの背景
3 本書の問題意識
4 本書の構成
第1部 北極の経済開発
第1章 北極海航路………大塚夏彦
1 はじめに
2 北極海航路の概要
3 北極海航路小史
4 北極海航路の航行
5 21世紀の北極海航路
6 持続的利用への課題
7 おわりに
第2章 石油とガス………田畑伸一郎・本村眞澄
1 はじめに
2 石油・ガス開発の現状と見通し
3 ロシア北極圏の持続的経済発展の可能性
4 おわりに
第3章 漁 業………成田大樹・平譯 享
1 はじめに
2 世界的な水産物需要を踏まえた北極圏海域における漁業の意義
3 北極圏海域における漁獲の現状
4 地球規模気候変動の北極圏海域の漁業への影響
5 北極域漁業の気候変動影響を評価する意義
――世界の気候変動政策と経済費用の定量評価に関する議論
6 おわりに
第2部 環境と人間の相互作用
第4章 凍土と文化………後藤正憲・中田 篤・飯島慈裕
1 はじめに
2 永久凍土とアラスの形成と変化
3 中央ヤクーチアにおける牧畜
4 農場の経営と流通・調達組織
5 おわりに
第5章 変化と適応………藤岡悠一郎、高倉浩樹、田中利和、ステパン・グリゴリエフ
1 はじめに
2 カヤクシット村の地域史と人々の暮らし
3 サハ人と環境との歴史的なインタラクション
4 近年の環境変化に対する住民の認識と対処
5 おわりに
第6章 先住民とモニタリング………近藤祉秋
1 はじめに
2 ニコライ村における生業活動
3 サケ管理におけるビーバーダム問題
4 内陸アラスカの物質循環と人類の活動
5 地下資源採掘と先住民社会の関係
6 おわりに
第3部 北極のガバナンス
第7章 国際関係………大西富士夫
1 はじめに
2 協調的国際関係の萌芽
3 協調的国際関係の成立
4 地政学的環境の変化
5 大国間競争の影響
6 おわりに――協調的国際関係のゆくえ
第8章 北極評議会………稲垣 治・幡谷咲子
1 はじめに
2 組織的展開
3 機能的展開
4 オブザーバーの関与
5 おわりに
第9章 国際法に基づく秩序づくり………柴田明穂
1 はじめに
2 北極域にも適用がある一般的な国際法
3 北極の海と国際海洋法
4 北極域に特有な状況を踏まえた北極国際法秩序の構築に向けて
5 おわりに
第10章 開発と先住民族………高橋美野梨
1 はじめに
2 前 史
3 非生物資源開発と独立問題
4 四つの論点から同定するグリーンランドの非生物資源開発
5 グリーンランドの非生物資源開発をめぐる開発と先住民族
6 おわりに
あとがき
索 引
執筆者紹介