信仰はどのように継承されるか 創価学会にみる次世代育成
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-8329-6758-8 C3014
奥付の初版発行年月:2011年09月 / 発売日:2011年09月中旬
日本ではあまり研究されてこなかった「信仰継承」に着目し、日本最大の新宗教であ
る創価学会を事例に、大規模な調査票調査、面接調査を実施。親から子へという個人
的な信仰継承と教団組織による次世代育成戦略という複数の側面から、立体的に信仰
継承の実態を分析する。
猪瀬 優理(イノセ ユリ)
北海道大学大学院文学研究科・助教
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序 章 テーマと構成
第一章 信者と宗教集団の再生産
第一節 宗教集団、世代、家族
宗教集団
世代と家族
第二節 宗教集団の維持と変容
宗教類型論と制度化過程
教団ライフサイクル論と教団ライフコース論
第三節 世代間信仰継承
宗教集団と家族関係
社会的学習としての世代間信仰継承
世代間信仰継承に関わる課題
第二章 創価学会について
第一節 創価学会の概要
第二節 創価学会の歴史的展開
第三節 創価学会の組織構造
第四節 創価学会の教義
第五節 創価学会における信仰活動
第六節 創価学会に対する評価
第三章 教団が提示する信仰継承のモデル
第一節 次世代への宗教的伝達
第二節 子どもの信仰モデル――「学会っ子」として
第三節 世代間信仰継承のモデル
第四章 調査にみる札幌市の創価学会員
第一節 北海道における創価学会の歴史
第二節 札幌市における調査票調査の概要
第三節 信者の属性
第四節 信者の行動
第五節 信者の信仰動機
第六節 まとめ
第五章 世代間信仰継承の要因と世代交代の効果
第一節 世代間信仰継承の要因
変数の設定
信仰継承率
分析モデル
分析結果
第二節 世代交代の効果
第三節 まとめ
第六章 世代間信仰継承のパターン
第一節 信仰継承の具体相
第二節 信仰継承のパターン
<パターン1> 継続的な信仰継承
1-1 悩み解決目的
経済的問題
病気
人間関係
進路選択
1-2 人生の指針目的
生き方の指針を得る
人生修行の場を得る
生き方のモデルを得る
1-3 家族関係維持目的
肯定的な受容の例
否定的な受容の例
<パターン2> 離脱後の信仰継承
2-1 組織活動を重視する
2-2 組織活動からは距離を置く
<パターン3> 信仰継承をしない場合
3-1 学会員ではあるが活動していない
3-2 正式な脱会はしないが否定的にみている
3-3 正式に組織を離れ反対する立場をとる
第三節 親と教団組織の影響
第四節 まとめ
第七章 未来部組織の変遷
第一節 未来部の歴史的展開
第二節 北海道未来部調査(一)――モデルを提示する機能
未来部活動の頻度・形式・内容
未来部担当者のモデル提示機能
男女の違い
第三節 北海道未来部調査(二)――未来部組織における変化
未来部活動の変化
会合開催状況の量的・質的変化
第四節 まとめ
終 章 考察と結論
註
参考文献
あとがき
付 録 単純集計表