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サニテーションが生み出す物質的・経済的価値

講座 サニテーション学3
サニテーションが生み出す物質的・経済的価値

藤原 拓:編著, 池見 真由:編著
A5判 222ページ 並製
価格:3,850円 (消費税:350円)
ISBN978-4-8329-2953-1 C3336
奥付の初版発行年月:2023年03月 / 発売日:2023年04月中旬

内容紹介

水と衛生に関するSDGs目標6の現状と課題をふまえ、その価値を評価する手法と理論を解説し、価値を高める技術、システム、実践を紹介。持続可能で価値を生む未来のサニテーションの姿を論じる。巻末に3つの技術集(水質分析・汚水処理・消毒)付。

著者プロフィール

藤原 拓(フジワラ タク)

京都大学大学院工学研究科 教授
専門:水環境工学,下水道工学

池見 真由(イケミ マユ)

札幌国際大学観光学部 准教授
専門:開発経済学,参加型開発論,地域研究

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

本講座の刊行によせて


 第1部 サニテーションの現状と課題

第1章 価値を生むサニテーションシステムの必要性(藤原 拓)
 1 持続可能な開発目標(SDGs)
 2 SDGs 目標6 の進捗状況と日本の取組
 3 SDGs 目標6 を世界で加速させる枠組
 4 日本におけるサニテーションの現状と課題
 5 価値を生む持続可能なサニテーションへの転換の重要性

第2章 サニテーションと人びとの暮らし(池見真由・牛島健・Neni Sintawardani)
 1 背景と目的
 2 都市スラム住民の属性と経済
 3 サニテーション・ワーカーの仕事と収入
 4 考察と提言


 第2部 サニテーションの価値を評価する

第3章 サニテーションと地域の物質循環の解析(原田英典)
 はじめに
 1 マテリアルフロー解析とは
 2 マテリアルフロー解析の事例─し尿利用地域の物質循環
 3 マテリアルフロー解析の課題および簡便化・不確実性管理
 まとめ

第4章 下水道の経営理論と収支分析(加藤裕之)
 はじめに
 1 集合処理と個別処理の区分けの考え方
 2 下水道法の目的及び経費負担原則
 3 下水道事業における「お金」の流れの概要
 4 下水道使用料について
 5 下水道事業の財政状況
 6 人口減少下における経営改善のために必要となる政策
 おわりに

第5章 環境への排出による水質汚染と失われる価値(佐野大輔)
 はじめに
 1 感染性胃腸炎による損失DALYpppyとGDP,飲料水へのアクセス可能人口比率,
   及びサニテーションへのアクセス可能人口比率の関係
 2 感染性胃腸炎による損失DALYpppyを説明する因子
 3 サニテーションの経済価値
 おわりに

コラム 障害調整生命年(佐野大輔)


 第3部  サニテーションの物質的・経済的価値を高める技術とシステムの事例

第6章 し尿・汚水から価値を生む技術の考え方(牛島 健)
 はじめに
 1 し尿・汚水から実際に価値を生みだすために考えるべきポイント
 2 志向する価値とその価値を高めるための技術
 3 価値創出プロセス全体における技術の考え方:まとめに代えて

第7章 バンドンでのサニテーションから経済的価値を生み出す挑戦(牛島 健)
 はじめに
 1 想定するサニテーションのしくみの概要
 2 経済的価値を生み出すための基本的な考え方
 3 どこで価値を生み出すか
 まとめと今後の課題

第8章 岩見沢市における下水汚泥肥料利用の事業評価(赤尾聡史)
 1 下水汚泥肥料利用の背景と概要
 2 下水汚泥肥料利用が地域へ与える経済効果:産業連関分析
 3 産業連関表
 4 産業連関分析
 5 新規産業部門の追加:拡張産業連関表
 6 岩見沢市における下水汚泥肥料利用事業の経済効果を測る
 7 さいごに


 第4部 価値を生み持続可能な社会に貢献するサニテーションとは

第9章 サニテーションの技術水準上昇と受容する社会の変容への対応(楠田哲也)
 1 サニテーションの様相
 2 サニテーションの社会における受容
 3 サニテーションの価値連鎖化

第10章 持続可能な社会に接続できるサニテーションの技術(楠田哲也)
 1 持続可能な社会
 2 持続型社会の要件
 3 技術の本質
 4 持続性のあるサニテーション技術
 5 サニテーション技術の事例

第11章 物質的・経済的価値に重きを置いたサニテーション(船水尚行)
 1 現在のサニテーションが抱える課題
 2 価値を生み出すサニテーション
 3 サニテーションとフューチャーデザイン

技術集① 水質分析技術(佐野大輔)
 1 衛生学的水質指標分析手法の種類
 2 衛生学的水質指標分析手法の概要

技術集② 汚水処理技術(赤尾聡史)
 1 汚水処理概要
 2 物理化学処理法
 3 生物処理法
 4 汚泥処理

技術集③ 消毒技術(佐野大輔)
 1 汚水処理水の消毒技術
 2 汚水由来固形物の消毒技術


索 引
執筆者紹介

***

●著者紹介
藤原 拓(フジワラ タク):京都大学大学院工学研究科 教授
池見 真由(イケミ マユ):札幌国際大学観光学部 准教授
牛島 健(ウシジマ ケン):北海道立総合研究機構北方建築総合研究所 研究主幹
Sintawardani, Neni(シンタワルダニ,ネニ):国立研究革新庁(BRIN,インドネシア)上級研究員
原田 英典(ハラダ ヒデノリ):京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 准教授
加藤 裕之(カトウ ヒロユキ):東京大学大学院都市工学専攻 特任准教授
佐野 大輔(サノ ダイスケ):東北大学大学院工学研究科 教授
赤尾 聡史(アカオ サトシ):同志社大学理工学部 教授
楠田 哲也(クスダ テツヤ):広島大学客員教授,九州大学名誉教授
船水 尚行(フナミズ ナオユキ):室蘭工業大学理事・副学長,北海道大学名誉教授


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