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経済の原理 第3・第4・第5編

リ・アーカイヴ叢書
経済の原理 第3・第4・第5編 An Inquiry into the Principles of Political Economy

J.ステュアート:著, 小林 昇:監訳, 竹本 洋:他訳
菊判 926ページ 並製
価格:16,500円 (消費税:1,500円)
ISBN978-4-8158-1076-4 C3033
奥付の初版発行年月:2022年04月 / 発売日:2022年04月下旬

内容紹介

アダム・スミス『国富論』に先立ち、理論・政策・歴史の諸領域を統合した最初の経済学総体系の本邦未訳部分(貨幣論・信用論・租税論)の全訳。経済学が混迷を深める現在、経済学とは何か、経済学は何をなしえるのかという根源的問題に対する理論的・思想的解答を秘めた孤峯の古典。

著者プロフィール

J.ステュアート(ジェイ ステュアート)

James Steuart

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

監訳者まえがき(小林昇)
凡例

第3編 貨幣と鋳貨について

第1部 貨幣にかんする諸原理の演繹と、諸原理の大ブリテンの鋳貨への適用

序 言
第1章 計算貨幣について
第2章 人為的あるいは素材的貨幣について
第3章 両金属が不変の価値尺度の役割を遂行する上での不適格性
第4章 素材的貨幣が被らざるをえない種々の不都合を軽減するために、提案しうる諸方策
第5章 貨幣単位の価値が鋳貨のあらゆる混乱から被る諸変動
第6章 貨幣単位の内在的価値における変動が、いかにして1国のあらゆる国内的利害関係に影響を及ぼさずにおかないか
第7章 ブリテンの鋳貨の混乱、とくにそれが正貨の溶解や搬出を引き起こしていることについて
第8章 ブリテンの鋳貨の混乱、とくにそれがポンド・スターリングの流通上の価値に影響を与えていることについて
第9章 ブリテンの鋳貨の変遷にかんする歴史的解説
第10章 ブリテンの鋳貨の混乱が金貨と銀貨との流通に影響を与えていることについて、さらに、ギニーの20シリングへの引下げの結果について
第11章 貨幣単位をエリザベスの標準に回復させる方法と、この変更に伴う帰結
第12章 この研究で立てられた諸原理に向けられる反論と、それに対する解答
第13章 いかなる意味において、標準は法律によって引き下げられたと言うことができるのか、またいかなる意味において、それは政治的諸原因の作用によって漸次的な引下げを被ったと言うことができるのか
第14章 ブリテンの鋳貨の新たな規制にあたって注意すべき諸事情
第15章 ブリテンの鋳貨を規制する新法令によってなされることが得策だとして、この研究の諸原理が教える諸規制
第16章 鋳貨法の通過した1773年におけるブリテンの鋳貨の状態。そのとき実施された規制の諸結果。金本位確立のためにとられた方法〔この版での補章〕

第2部 貨幣の諸原理の交易への適用

第1章 1国の鋳貨にたいする鋳造料と鋳造税との賦課が、とりわけ地金価格とその他のあらゆる商品の価格とに与える結果
第2章 イングランドの造幣局における鋳造料と鋳造税との賦課が、為替相場と大ブリテンの交易とに及ぼす影響について
第3章 為替相場にあらわれている大ブリテンの対フランス貿易の損失は、現実のものであるのか、あるいは外見上のものであるのか
第4章 鋳造料を賦課する種々の方法について、および、その方法がそれぞれにその国の貨幣単位の価値や、その国の国内諸利害にもたらす影響について
第5章 鋳造料の賦課による実際の効果を確実に見つけるには、どのように実施すればよいか
第6章 貨幣と鋳貨との理論にたいする種々の疑問と所見
第7章 フランスで遵守されている鋳貨、地金、金銀器にかんする規制について
第8章 オランダで遵守されている鋳貨と地金とにかんする規制について

第4編 信用と負債について

第1部 貨幣の利子について

序 言
第1章 信用とは何か、またそれは何に基礎をおいているのか
第2章 信用が与えられた結果として履行されるべき債務の性質について、さらに貨幣の逆流および滞留という言葉が意味することについて
第3章 貨幣の利子について
第4章 利子率を規制する諸原理について
第5章 法令による利子の規制について
第6章 ブリテンの法令によって、貨幣の法定利子を公債の現在の水準以下へ引き下げると、結果はどうなるであろうか
第7章 需要と競争との諸原理の帰結に基づいて利子率を下げる方法
第8章 利子率は商業の状態をはかる確実な尺度だろうか
第9章 利子は富が増加するのに比例して下落しないだろうか

第2部 諸銀行について

第1章 多様な種類の信用について
第2章 私的信用について
第3章 銀行について
第4章 担保すなわち私的信用に基づく流通の銀行について
第5章 流通の銀行は商業的信用ではなく私的信用にもとづいて紙券を発行すべきである
第6章 下級銀行業者と為替業者との役割
第7章 鋳貨での支払義務と、その帰結とについて
第8章 逆貿易差額は流通の銀行にどのように影響するか
第9章 どうすれば鋳貨に依拠せずに総差額は銀行によって支払われうるか
第10章 逆差額の支払いに一時的信用をあてることの弱点
第11章 銀行が逆差額の支払いを為替業者に任せる時に、その銀行に生じる損失について
第12章 逆差額の支払いはどのような仕方で流通に影響を及ぼすのか
第13章 同じ主題の続きと、銀行が外国から借り入れ、国内で信用を与えるべきときに依拠する諸原理について
第14章 銀行券に記載されている選択条項について
第15章 下級の流通の諸銀行と、その相互の競争について
第16章 国民的銀行にたいして行なうべき適切ないくつかの規制について
第17章 銀行は、いつ、いかなる場合に帳簿の公開を義務づけられるべきか
第18章 自国から鋳貨を送る事業を営んでいる為替業者のような人々に、信用やキャッシュ・アカウントを与えることは銀行の利益となるのか
第19章 これまでに演繹された原理を流通の政策の形成に適用する
第20章 前章の理論にたいする異論
第21章 順差額が回復することで、いかにして銀行は外国人に支払うべき債務を完済し、その国民をその負担から解放することができるか
第22章 イングランド銀行と商業的信用にもとづいて設立された流通の銀行とについて
第23章 フランスにおける1716年のロー氏の銀行の創設について
第24章 ルイ14世の死亡前後のフランス鋳貨の変動にかんする説明
第25章 ローの銀行にかんする説明の続き
第26章 公信用にもとづいて設立されたフランス王立ミシシッピ銀行にかんする説明
第27章 フランス・インド会社についての略説
第28章 史実の編年史
第29章 インド会社が1株200リーヴルの配当を約束する時点までの、フランス王立銀行にかんする説明の続き
第30章 ミシシッピ計画の共同立案にあたったオルレアン公の動機にかんする考察
第31章 1720年5月21日の全面的破産に至るまでのフランス王立銀行にかんする説明の続き
第32章 ミシシッピ計画の結末
第33章 なぜ信用が崩壊したのか、またそれはいかにすれば維持されえたのだろうか
第34章 1720年5月21日の裁決による流通紙券の呼称の引下げがフランスの信用を崩壊させたのに、そのとき採用された同じ恣意的な方策が、鋳貨にかんしてそうした結果を生じなかったのはどうしてか
第35章 現状ではフランスにおいて銀行はどうすれば安全に設立されうるのか
第36章 預金および振替の銀行について
第37章 アムステルダム銀行について
第38章 アムステルダム銀行の打歩について
第39章 同じ主題の続き、すなわちアムステルダム銀行による鋳貨の流通について

第3部 為替について

第1章 為替の基本原理について
第2章 諸外国にたいする差額を支払う手段である金属や鋳貨や貨幣の真の内在的価値を正確に決定する方法
第3章 差額を金属や1国の鋳貨で支払う際に生じる不都合を取り除く方法
第4章 富裕な交易国において、為替の価格が差額に影響するのをだけではなく、双務的な支払いの全体に作用するのを阻むためには、いかにしたらよいか
第5章 他の諸手段が差額の決済に無効であることが明らかになったときに、この差額を鋳貨や地金の介在なしに、信用という手段でどのようにして支払いうるのか、またその操作を指揮すべき人は誰であるのか

第4部 公信用について

第1章 公債のさまざまな帰結について
第2章 公信用の起源と発展
第3章 先借り、つまり元本と利子との支払いのかわりに租税を割り当てて貨幣を借りることについて、およびこの主題にかんするダヴナント博士の見解について
第4章 ルイ14世の治世以前におけるフランスの公信用の状態、およびこの主題にかんする大リシュリーの見解について
第5章 大ブリテンにおける公信用の現状について
第6章 1763年の講和時におけるフランスの公信用、債務、基金、充当先の状態
第7章 大ブリテンとフランスとの歳入、債務、信用の比較検討
第8章 信用の膨張と債務の増大との付随的な諸結果
第9章 破産について
第10章 公債の契約と清算との方法

第5編 租税と租税収入の適切な使用とについて

序 言
第1章 租税のさまざまな種類について
第2章 比例税とその適切な対象とについて
第3章 比例税はどのようにして勤労者に回収されるのか、またその回収がどのようにして租税による諸商品の価格引上げの唯一の原因となるのか
第4章 累積税について
第5章 比例税から生ずる不都合と、それを取り除く方法とについて
第6章 累積税と比例税との相互比較と、さらに立ち入った検討
第7章 租税収入が正しく利用された場合の税の結果について
第8章 課税の限度について
第9章 税廃止の諸結果
第10章 税というものは、一部の人が主張するように勤労の動因であろうか
第11章 イングランドとフランスとの地租にかんする省察にもとづく、地租についての考察
第12章 租税にかんする種々の問題
第13章 第4編の要約
第14章 第5編の要約 租税について

諸鋳貨の表

訳注
第3編
第4編
第5編

訳者解説(竹本洋)
訳者あとがき(竹本洋)
索引


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