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国際競争優位を生み出したもの日本の電子部品産業

日本の電子部品産業 国際競争優位を生み出したもの

A5判 386ページ 上製
価格:5,940円 (消費税:540円)
ISBN978-4-8158-0942-3 C3033
奥付の初版発行年月:2019年02月 / 発売日:2019年02月下旬

内容紹介

大手家電メーカーの落日やモジュール化の波に直面してなお、圧倒的な国際競争力を獲得できたのはなぜか。戦後復興期の組立ラジオの隆盛から今日まで、荒波の中で培われた多様な顧客への志向と、部品の汎用性をめぐる戦略の決定的役割を捉え、グローバルサプライヤーへの軌跡を示す。

著者プロフィール

中島 裕喜(ナカジマ ユウキ)

1971年生
1999年 大阪大学大学院経済学研究科博士課程退学
大阪大学助手、東洋大学経営学部准教授等を経て、
現 在 南山大学経営学部准教授、博士(経済学)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 顧客多様化の歴史的起源
1 日本のエレクトロニクス産業を代表する「一般電子部品」
2 産業分析における歴史的パースペクティブ
3 戦後における電子部品産業発展の歴史的前提
4 本書の構成

第Ⅰ部 戦後民主化と電子部品産業の形成

第1章 ラジオ産業の復興
はじめに
1 ラジオ受信機の生産統制
2 生産活動の停滞
3 本格的な生産復興
小 括

第2章 ラジオ部品流通網の形成と展開
 ―大阪・日本橋を中心に―
はじめに
1 日本橋問屋街の概観
2 日本橋問屋街の形成
3 ラジオ部品の地方販売
小 括 家電小売への転換

第3章 ラジオ部品産業の復興
はじめに
1 ラジオ部品をめぐる統制政策
2 ラジオ部品メーカーの動向
3 部品業界における組織的活動
小 括 電子部品産業の形成

第Ⅱ部 専門生産の確立と高度化

第4章 家電セットメーカーによる下請専属化
 ―電子部品の需要構造(1)―
はじめに
1 松下電器の協約工場
2 三洋電機(北條製造所)の協力工場
3 東芝(柳町工場)の認定工場
小 括

第5章 トランジスタラジオ輸出の展開
 ―電子部品の需要構造(2)―
はじめに
1 生産および輸出の概要
2 トランジスタラジオ産業の形成――1950年代後半
3 トランジスタラジオ産業の再編――1960年代前半
小 括

第6章 電子部品の技術革新と「専門生産」の確立
はじめに
1 電子部品の供給構造
2 電子部品の技術革新
小 括

第7章 業界団体による電子部品の規格化
 ―電子部品産業発展の社会的基盤(1)―
はじめに
1 部品標準化問題の発生
2 電子機械工業会の規格化活動
3 CES規格の効果
小 括

第8章 電子部品産業振興と試験研究機関
 ―電子部品産業発展の社会的基盤(2)―
はじめに
1 電子工業振興臨時措置法による電子部品産業の育成
2 関西電子工業振興センターの活動
3 中部電子工業技術センターの活動
小 括

第9章 承認図部品開発と専門生産の高度化
 ―帝国通信工業の事例―
はじめに
1 帝国通信工業の設立経緯と1950年代までの展開
2 1960年代の経営動向
3 特注品開発の承認プロセス
4 生産管理能力の彫琢
小 括

第Ⅲ部 国際競争優位の確立

第10章 電子部品市場の多様化と技術革新
 ―1970-89年―
はじめに
1 概 観
2 石油ショックへの対応
3 電子部品市場の多様化
4 電子部品の「微小化」技術開発
小 括

第11章 グローバルサプライヤーの誕生
 ―1985-2017年―
はじめに
1 ASEAN諸国への展開
2 中国への展開
3 国際競争優位の固守
4 アルプス電気の海外展開
小 括

終 章 国際競争優位の歴史的コンテクスト
1 アイデンティティの共有がもたらした産業の形成
2 戦略的に獲得された電子部品の汎用性
3 専門生産の確立と高度化


参考文献
あとがき
図表一覧
索 引

関連書

沢井 実著『マザーマシンの夢―日本工作機械工業史―』


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