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近世的発展のなかの植民地化帝国後のインド

帝国後のインド 近世的発展のなかの植民地化

A5判 448ページ 上製
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-8158-0939-3 C3022
奥付の初版発行年月:2019年02月 / 発売日:2019年02月下旬

内容紹介

インドはなぜ英領となったのか。ムガル帝国の衰退と後継国家の群雄割拠のもと生じた在地の大変動をとらえ、中間層権力をめぐる状況の変遷から植民地化の起源を解明、イギリス統治政策の浸透過程を丹念にたどるとともに、近代インドを近世史の発展との連続性のなかに位置づける。

著者プロフィール

小川 道大(オガワ ミチヒロ)

1981年生まれ
2005年 東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了
2013年 プネー大学(インド)大学院歴史学科博士課程修了
人間文化研究機構「現代インド地域研究」東大拠点研究員、
ジェトロ・アジア経済研究所地域研究センター研究員等を経て
現 在 金沢大学国際基幹教育院准教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 「18世紀問題」とインド史上の近世
はじめに
1 インド植民地化に関する近年の研究動向
2 18世紀の植民地化と社会経済変化――本書の研究対象地域の選定
3 国家と在地社会――本書の分析視座
4 近世後期の地税制度
5 本書の課題
6 本書の史料と手法
7 本書の構成

第Ⅰ部 前植民地期インド西部の農村社会

第1章 ムガル帝国後継国家の成立
 ―マラーター同盟の版図拡大と挫折―
はじめに
1 マラーター王国の台頭と対ムガル関係
2 マラーター同盟の成立と領土拡大
3 マラーター同盟の覇権獲得と領土拡大の挫折
おわりに

第2章 マラーター同盟の地方支配
 ―政府の統治と在地の自治の拮抗―
はじめに
1 インダプール郡とその郡役人
2 郡役人の職務と郡行政
3 郡役人の報酬
おわりに

第3章 マラーター同盟の軍事改革
 ―インダプール郡での軍馬育成―
はじめに
1 インダプール郡におけるジャーギール制の特徴
2 インダプール郡におけるジャーギール村の経営
3 ジャーキール経営による在地社会への影響
おわりに

第4章 インド農村社会の姿
 ―徴税記録に注目して―
はじめに
1 近世インド西部における農村の分業体制
2 税史資料にみる職商集団
3 政府と職商集団
おわりに

第Ⅱ部 インド西部の社会経済変化と植民地化

第5章 イギリス東インド会社の進出とマラーター同盟との対立
はじめに
1 イギリス東インド会社のインド進出
2 最後の宰相バージーラーオ2世の即位と第2次アングロ・マラーター戦争
おわりに

第6章 植民地化前夜の在地社会の混乱と変化
はじめに
1 1802~03年の災害とインダプール郡行政の変化
2 植民地化前夜のインダプール郡における権力の集中
おわりに

第7章 在地流通ネットワークの存続
 ―通関税記録による地方経済の分析―
はじめに
1 通関税徴収業務にみるインダプール郡の流通
2 通関税記録にみる商業活動
3 インダプール郡における流通ネットワーク
おわりに

第Ⅲ部 新地税制度の導入と植民地政策の浸透

第8章 植民地期初期の行政再編
 ―ボンベイ管区体制の成立とジャーギール制のゆくえ―
はじめに
1 英領インドの行政編成――宰相政府直轄領の植民地化
2 インド西部における藩王国の成立――宰相領周辺の植民地化
おわりに

第9章 ボンベイ管区における新地税制度の導入と展開
はじめに
1 ライヤットワーリー制導入の政策的背景
2 インダプール郡へのライヤットワーリー制の導入
3 ボンベイ管区におけるライヤットワーリー制の展開
おわりに

終 章 インドからみる植民地化
 ―近世の長期変動のなかで―
1 本書のまとめ
2 植民地化の再考――近世的発展のなかの植民地化

文献一覧
あとがき
初出一覧
図表一覧
索 引

関連書

神田さやこ著『塩とインド―市場・商人・イギリス東インド会社―』


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