近代世界の誕生 上 グローバルな連関と比較1780-1914 The Birth of the Modern World, 1780 - 1914
価格:4,950円 (消費税:450円)
ISBN978-4-8158-0929-4 C3022
奥付の初版発行年月:2018年12月 / 発売日:2018年12月上旬
一国史や地域史を超えて、グローバルな相互連関から「近代世界」の成り立ちを解明。革命の時代から第一次世界大戦にいたる「長い19世紀」を中心に、西洋近代化とは異なる視点で世界史を問い直し、政治・経済から人々の衣食住まで、新しい全体史を描ききるグローバル・ヒストリーの代表作。
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目次
序 章
本書の構成
問題1 「原動力」と経済要因
問題2 グローバル・ヒストリーとポストモダニズム
問題3 深まる「近代の謎」
標準化に向き合う —— 身体的実践
身体の外部に築かれたもの —— 交通・通信と複雑性
第Ⅰ部 旧体制の終焉
第1章 旧体制と「初期グローバリゼーション」
小作農と領主
差異の政治学
国家辺境の支配権
新たな政体の先駆け
「グローバリゼーション」の前史
初期グローバリゼーションと初期近代のグローバリゼーション
次章に向けて
第2章 旧体制から近代性への道
最後の「大いなる栽培化」と「勤勉革命」
アフリカ=アジアの物質文化、生産、貿易における新たなパターン
アフリカ=アジアの「勤勉革命」の内的限界・外的限界
貿易、金融、革新 —— ヨーロッパの競争上の強み
愛郷心・愛国心を育む国家の展開
批判的公衆
アジアやアフリカの公衆の発展
むすびに ——「後進性」、遅れ、結合
次章に向けて
第3章 収斂する諸革命 1780-1820年
世界的危機を熟考する同時代人たち
1720-1820年の世界的危機
国家の正当性の破壊 —— フランスから中国へ
近代左翼と近代国家のイデオロギー的起源
国民対国家・帝国
第三の革命 —— 世界じゅうの穏健で商業的な人々
次章に向けて
第Ⅱ部 生成する近代世界
第4章 世界革命のはざま 1815-65年頃
「国家の破綻」の評価
イギリスの海上覇権、世界貿易、農業の復活
移民 —— 安全弁?
「新世界秩序」の敗者たち 1815-65年
ハイブリッドな正当性の問題 —— 誰の国家なのか
国家の強化とその不十分さ
アジアでの正当性をめぐる戦争 —— 概略
アジアの諸革命の経済・イデオロギー的要因
ヨーロッパにおける飢餓と反乱の時代 1848-51年
グローバルな出来事としてのアメリカ南北戦争
収斂か差異か
議論をふり返って
第5章 工業化と新都市
歴史家、工業化、都市
工業化の前進
工業の不在と貧困
生産、消費、政治の中心としての都市
グローバル危機の都市への影響 1780-1820年
新しい都市の人種と階級
労働者階級の政治
世界的な都市文化とその批判者たち
むすびに
第6章 国民、帝国、エスニシティ 1860-1900年頃
ナショナリズムの諸理論
ナショナリズムはいつ現れたのか
誰の国民か
ナショナリズムの永続化 —— 記憶、国民協会、出版
共同体から国民へ —— ユーラシアの諸帝国
ナショナリズムの位置づけ
国家を持たぬ人々 —— 迫害か同化か
帝国主義とその歴史 —— 19世紀後半
「新帝国主義」の特質
国民国家からなる世界?
初期グローバリゼーションの根強さ
グローバリゼーションから国際主義へ
国際主義の実践
むすびに
注
(下巻目次)
第Ⅲ部 帝国主義時代の国家と社会
第7章 近代国家の神話とテクノロジー
第8章 自由主義、合理主義、社会主義、科学の理論と実践
第9章 宗教の帝国
第10章 芸術と想像力の世界
第Ⅳ部 変化、衰退、危機
第11章 社会的ヒエラルキーの再編
第12章 先住民の絶滅と生態系の破壊
終 章 大加速 1890-1914年頃
謝 辞
訳者あとがき
注
参考文献
図表一覧
索 引