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 慷慨から煩悶へ文学熱の時代

文学熱の時代 慷慨から煩悶へ

A5判 320ページ 上製
価格:5,940円 (消費税:540円)
ISBN978-4-8158-0821-1 C3095
奥付の初版発行年月:2015年11月 / 発売日:2015年10月下旬

内容紹介

政治の季節が終わり、蘇峰が新たな理想を求め、独歩が無名の人民の歴史を 「記憶せよ」 と呼びかけるうちに、文学は切実な営みとして 「発見」 された。内面の告白や青年の煩悶をひとたび正面から受け止め、経世の世にあって人生を問いかけていった知識人の挑戦を、端正に描き出す力作。


目次

序 章 明治期の政治と文学
     1 新思想としての文学
     2 政治から文学へ
     3 徳富蘇峰とその周辺
     4 高山樗牛から自然主義へ
     5 本書の方法

  第Ⅰ部 政治と文学の紐帯

第1章 徳富蘇峰の文学振興
     1 はじめに
     2 美文学の庇護者
     3 蘇峰と政治小説
     4 『国民之友』 の文学厚遇
     5 文学と宗教の政治的貢献
     6 「非文学者」 の業績

第2章 経世と詩人論 —— 徳富蘇峰の批評活動
     1 はじめに
     2 評論 「新日本の詩人」
     3 宮崎湖処子 『帰省』
     4 講演 「新日本の詩人」
     5 経世の再設定

第3章 明治中期、排斥される馬琴 —— 松原岩五郎の事例
     1 はじめに
     2 内田魯庵と松原岩五郎
     3 市談の開拓者
     4 貧民窟探訪記事
     5 明治中期の馬琴批判

第4章 平民主義の興隆と文学 —— 国木田独歩 『武蔵野』 論
     1 はじめに
     2 「忘れえぬ人々」 の旅
     3 平民主義と観察
     4 『武蔵野』 の記録者
     5 独歩と平民主義

第5章 民友社史論と国木田独歩 —— 「人民の歴史」 の脈絡
     1 はじめに
     2 人民の歴史
     3 経世家風の尺度
     4 「武蔵野」 「源おぢ」 「忘れえぬ人々」
     5 独歩の出発

第6章 人生を思索する精神 —— 1890年代の内村鑑三
     1 はじめに
     2 基督教文学時代
     3 悲哀と涙
     4 「流竄録」 の博愛
     5 内村と明治文学史

  第Ⅱ部 文学の卓越化

第7章 告白体の高山樗牛
     1 はじめに
     2 「美的生活を論ず」
     3 徳富蘇峰の失墜
     4 姉崎嘲風宛の書簡
     5 樗牛から自然主義へ

第8章 藤村操、文部省訓令、自然主義
     1 はじめに
     2 1903年の動向
     3 1906年の動向
     4 独歩の再評価
     5 自然主義運動の背景

第9章 明治後期文壇における 「告白」 —— 梁川熱から自然主義へ
     1 はじめに
     2 『病間録』 の反響
     3 『病間録』 の告白
     4 自然主義と告白
     5 自然主義の連帯

第10章 自然主義と教育界 —— 正宗白鳥 「何処へ」 を中心に
     1 はじめに
     2 学生風紀問題
     3 「何処へ」 と教育界
     4 青年の内面
     5 独歩から白鳥へ
     6 現実らしさの背景

第11章 政治の失墜、文学の隆盛 —— 1908年前後
     1 はじめに
     2 文学者の顕彰
     3 現実的政治家的態度
     4 『春』 と 「罠」
     5 「不健全」 の擁護

第12章 自然派ぶりの漱石
     1 はじめに
     2 考へさせる小説
     3 厭世家の告白
     4 『心』 から 『明暗』 へ
     5 抵抗としての内省


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