地球惑星電磁気学
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-8140-0430-0 C3044
奥付の初版発行年月:2022年09月 / 発売日:2022年09月下旬
太陽系内の天体を「磁場」を使って捉え直す。電磁場の支配方程式系,惑星が持つ磁場の空間分布と時間変化,天体規模の電磁誘導現象など,電磁気学の基礎から最新の木星探査の成果までを平易に解説した好著。
藤 浩明(トウ ヒロアキ)
京都大学大学院理学研究科准教授、東京大学理学部地球物理学科卒。東京大学大学院理学系研究科地球物理学専攻にて,博士号(理学)取得。東京大学海洋研究所助手,英国ケンブリッジ大学理論地球物理学研究所で文部省在外研究員等を経て現職。第29次日本南極地域観測隊夏隊員。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序
第1章 地球電磁気学から地球惑星電磁気学へ
§1-1 地球惑星電磁気学とは
§1-2 マックスウェル方程式
§1-3 磁場のベクトルポテンシャルと電場の静電ポテンシャル
§1-4 磁束密度のポテンシャル表示
――トロイダル/ポロイダル分解とオイラーポテンシャル
§1-5 波動と拡散
第2章 地球や惑星あるいは衛星の磁場空間分布
§2-1 磁場のスカラーポテンシャルとその球面調和関数展開
§2-2 双極子磁場
§2-3 国際地球磁場標準モデル
§2-4 マウエルスバーガースペクトル
§2-5 太陽系の磁化天体が持つ磁場
第3章 地球主磁場の時間変動
§3-1 地磁気永年変化
§3-2 外核表面流
§3-3 地磁気逆転
§3-4 大陸移動説からプレートテクトニクスへ
第4章 磁場の時間変化と天体内部電磁誘導
§4-1 外部磁場時間変化
――地磁気静穏日変化・地磁気脈動・シューマン共鳴
§4-2 磁気嵐
§4-3 周期変化による電磁誘導
§4-4 過渡現象としての電磁誘導
第5章 球対称導体の電磁誘導
§5-1 導体内における誘導磁場の支配方程式
§5-2 電気伝導度境界における電磁場の連続条件
§5-3 一様導体球に対する解析解
§5-4 同心導体球に対する解析解
第6章 水平成層構造をなす導体の電磁誘導
§6-1 半無限一様導体中の電磁場
§6-2 誘導電場と磁場の振幅比と位相差
§6-3 水平成層構造をなす導体系内の解析解
§6-4 非一様薄層導体近似
第7章 惑星や衛星内部の電気伝導度
§7-1 地球深部の電気伝導度
§7-2 地震/火山と電気伝導度
§7-3 水星の核
§7-4 月の表層
§7-5 外惑星氷衛星の内部海
第8章 海洋と地磁気変化
§8-1 海水運動と海洋起源電磁場
§8-2 地磁気ダイナモとの違い
§8-3 津波が作る電磁場
Column 1 ベルヌーイ父子とオイラー
Column 2 ガウスと外部磁場
Column 3 フンボルトと磁気嵐
Column 4 ファラデーとウォータールー橋
Column 5 発散定理とプリンキピア
付録A 本書に必要なベクトル解析の知識
付録B 軸性ベクトルと極性ベクトル
付録C 波動と拡散~その一般解
付録D ロウズ半径
付録E TEモードとTMモード
付録F 自然電磁場変動のエネルギースペクトル
付録G 時間発展計算における陽解法と陰解法~ CFL条件との関係
付録H 第一種および第二種球ベッセル関数
付録I レーダーの話
付録J アルヴェン翼
付録K 線形分散波
文献
索引