歴史としての高成長 東アジアの経験
価格:4,400円 (消費税:400円)
ISBN978-4-8140-0247-4 C3033
奥付の初版発行年月:2019年12月 / 発売日:2019年12月下旬
年平均10%という途方もない成長を生み出したのは「神の見えざる手」だけではない。これまでの経済史は、政府の介入が市場メカニズムに果たした役割を見過ごしてきた。国家の介入を通じて産業が育成された東アジアの共通点を抉り出し、政府の資源配分、通商産業政策がいかに成長を支えたかを明らかにする、実態に迫る新たな経済史。
武田 晴人(タケダ ハルヒト)
東京大学名誉教授。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学、博士(経済学)。専門は日本経済史。主な著作に、『日本経済史』(有斐閣、2019年)、『異端の試み ―日本経済史研究を読み解く』(日本経済評論社、2017年)などがある。
林 采成(イム チェソン)
立教大学経済学部教授。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了、博士(経済学)。専門は経済史。主な著作に、『鉄道員と身体 ―帝国の労働衛生』(京都大学学術出版会、2019年)、『戦時経済と鉄道運営 ―「植民地」朝鮮から「分断」韓国への歴史的経路を探る』(東京大学出版会、2005年)などがある。
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
まえがき
序 章 東アジア高成長史の意義 [林采成]
第一部 高成長と経済政策
第1章 日本の高成長と産業政策 [武田晴人]
第2章 台湾の高成長と経済政策 [湊照宏]
第3章 韓国の経済政策と圧縮成長 [林采成]
第4章 中国の産業貿易政策と高成長 [張紅詠]
第二部 産業政策と産業発展
第5章 日本における産業政策の役割
――機械工業と電子工業 [河村徳士]
第6章 台湾経済の体制転換と輸出振興
――1946年から1960年代まで [呉聡敏]
第7章 台湾合成繊維産業の発展と産業政策 [湊照宏]
第8章 韓国の産業構造変化・産業発展・産業政策 [呂寅満]
第9章 韓国石油化学産業の形成と展開
――政府と外資と財閥 [林采成]
第10章 中国の産業政策と企業成長
――鉄鋼業からのエビデンス [張紅詠]
終 章 日本の経験からみた東アジア高成長 [武田晴人]
あとがき
索引