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メルヴィル文学の倫理誘惑する他者

誘惑する他者 メルヴィル文学の倫理

A5判 300ページ 上製
価格:3,520円 (消費税:320円)
ISBN978-4-588-49522-9 C3098
奥付の初版発行年月:2024年03月 / 発売日:2024年03月中旬

内容紹介

『白鯨』『ビリー・バッド』「バートルビー」をはじめ、安易な解釈を許さない数々の問題作で知られる19世紀米国の大作家メルヴィル。その主要作品群を精読し、誘惑すると同時に理解を拒絶する他者、配達不能郵便(デッドレター)のモチーフ、孤独や共同体や帝国主義的暴力の問題など、書くこと/読むことの根源に関わるテーマを徹底的に掘り下げる。読解への最高の手引きとなる一冊、ここに誕生!

著者プロフィール

古井 義昭(フルイ ヨシアキ)

古井 義昭(フルイ ヨシアキ)
1982年生まれ。エモリー大学英文科博士課程修了(Ph.D.)。現在、立教大学文学部教授。専門は19世紀アメリカ文学。単著にModernizing Solitude: The Networked Individual in Nineteenth-Century American Literature(University of Alabama Press, 2019年/日本アメリカ文学会賞・アメリカ学会清水博賞)、共著に『脱領域・脱構築・脱半球──二一世紀人文学のために』(小鳥遊書房、2022年)、『モンロードクトリンの半球分割──トランスナショナル時代の地政学』(彩流社、2016年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章

第一部 他者を求める──孤独な水夫たち

 第一章 『白鯨』における寂しい個人主義

 第二章 『イズラエル・ポッター』における倫理的寂しさ

 第三章 痕跡を書き残す──『ジョン・マーと水夫たち』 における孤独の共同体

第二部 他者を見つける──不気味な自己像

 第四章 他者を貫く──『タイピー』における個人と共同体

 第五章 「誰も自分の父たりえない」──『ピエール』におけるデッドレターと血縁

第三部 他者を取り込む──帝国的欲望

 第六章 時間の暴力に抗う──「エンカンタダス」における不確かな未来

 第七章 差異を超える──「ベニト・セレノ」における認識の詩学

第四部 他者を覗く──沈黙の裂け目

 第八章 秘密の感情──『信用詐欺師』における障害と公共空間

 第九章 バートルビーの机──情動理論とメルヴィル文学

 第十章 ビリーを撃つ──媒介される内面


あとがき
引用文献
索引


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