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困難な時代の人権逆境の中の尊厳概念

叢書・ウニベルシタス1160
逆境の中の尊厳概念 困難な時代の人権

四六判 436ページ 上製
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-588-01160-3 C1310
奥付の初版発行年月:2023年11月 / 発売日:2023年11月下旬

内容紹介

人権の哲学と人権の政治学とともに人間の尊厳を問う。討議倫理学とコミュニケーション的合理性において人権を体系的に説明し、「権利を持つ権利」を主張するアーレントや、アドルノ、ホルクハイマー、シュミットらの思想史的考察とともに、「民主主義的反復」や「法生成性」を展開させる。主権、シティズンシップ、ジェノサイド、反ユダヤ主義、国民国家の危機、「スカーフ事件」など現在もなお紛糾する諸問題を論じて、幻想なきコスモポリタニズムを目指す。

著者プロフィール

セイラ・ベンハビブ(ベンハビブ セイラ)

セイラ・ベンハビブ
(Seyla Benhabib)
1950年生まれ。イスタンブール出身。1977年、イェール大学にて哲学の博士号を取得。同大学の政治学および哲学講座教授を経て、現在は、コロンビア大学ロースクルール上級研究員兼非常勤教授。著作に、Critique, Norm, and Utopia: A Study of the Foundations of Critical Theory (Columbia University Press, 1986); Situating the Self: Gender, Community, and Postmodernism in Contemporary Ethics (Routledge, 1992, 全米教育協会年間最優良図書賞); The Reluctant Modernism of Hannah Arendt (Sage, 1996, new ed., Rowman & Littlefield, 2003); The Claims of Culture: Equality and Diversity in the Global Era (Princeton University Press, 2002); The Rights of Others (Cambridge University Press, 2004 〔『他者の権利──外国人・居留民・市民』向山恭一訳、法政大学出版局、2006年、新装版2014年〕、北米哲学会賞、アメリカ政治学会ラルフ・バンチ賞); Another Cosmopolitanism (Oxford University Press, 2006); Dignity in Adversity: Human Rights in Troubled Times (Polity, 2011; 本書); Exile, Statelessness, and Migration: Playing Chess with History from Hannah Arendt to Isaiah Berlin (Princeton University Press, 2018),などがある。

加藤 泰史(カトウ ヤスシ)

加藤 泰史 1956年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。椙山女学園大学国際コミュニケーション学部教授、一橋大学名誉教授。哲学、倫理学。『人文学・社会科学の社会的インパクト』(共編著、法政大学出版局、2023年)、『スピノザと近代─ドイツ思想史の虚軸』(編著、岩波書店、2022年)、Kant’s Concept of Dignity, (Berlin/Boston: De Gruyter, 2019, Gerhard Schönrichとの共編著)、ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

[訳者紹介]

岩佐 宣明(イワサ ノブアキ) 翻訳担当:第7章
1976年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課修了。博士(文学)。愛知学院大学教養部教授。哲学・倫理学。「デカルト認識論における自己認識の問題」(『理想』第699号、2017年)、「コギトの特権性」(『フランス哲学・思想研究』第12号、2007年)、「歪められたコギト」(『哲学』第56号、2005年)、ほか。

宇佐美 公生(ウサミ コウセイ) 翻訳担当:第6章
1957年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。岩手大学名誉教授。倫理学・哲学。『新・カント読本』(分担執筆、法政大学出版局、2018年)、『尊厳概念のダイナミズム──哲学・応用倫理学論集』(分担執筆、法政大学出版局、2017年)、「尊厳概念の形而上学的意味の再検討」(『日本カント研究』第21号、日本カント協会、2020年)、ほか。

ギブソン松井 佳子(ギブソン マツイ ケイコ) 翻訳担当:第4章
インディアナ大学比較文学部Ph.D.取得。神田外語大学外国語学部教授。「感染症文学・生命・尊厳」(『尊厳と生存』法政大学出版局、2022年)、「翻訳学と脱構築のはざまで考える「社会正義」」(『〈翻訳〉のさなかにある社会正義』、東京大学出版会、2018年)、“Re-examining Human Dignity in Literary Texts: In Seeking for a Continuous Dialogue Between the Conceptual and the Empirical Approaches”, Dialog: A Journal of Theology, volume 56, Number 1, 2017, ほか。

小林 道太郎(コバヤシ ミチタロウ) 翻訳担当:第8章
1974年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。哲学・倫理学。大阪医科薬科大学看護学部教授。「補い合うことと考えること──ある看護師へのインタビューの分析から」(『看護研究』、49(4)、2016年)、「ケア倫理は看護倫理にどう貢献しうるのか: ケアの諸局面の倫理的要素から」(『日本看護倫理学会誌』、6 (1)、2014年)、「フッサール現象学は臨床のコミュニケーション研究とどう関わるのか──看護研究を中心に」(『Communication-Design』、8、2013年)、ほか。

庄司 信(ショウジ マコト) 翻訳担当:第5章
1958年生まれ。一橋大学院博士課程中退。社会学。日本赤十字秋田看護大学非常勤講師。アントニー・D・スミス『ナショナリズムとは何か』(筑摩書房、2018年)、ユルゲン・ハーバーマス『自然主義と宗教の間──哲学論集』(共訳、法政大学出版局、2014年)、クリスティアン・ボルフ『ニクラス・ルーマン入門──社会システム理論とは何か』(新泉社、2014年)、ほか。

高木 駿(タカギ シュン) 翻訳担当:第10章
1987年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。美学、ジェンダー論、価値理論。北九州市立大学基盤教育センター准教授。『カント『判断力批判』入門──美しさとジェンダー』(よはく舎、2023年)、「美的価値と適切さの基準──『判断力批判』の趣味判断論に基づいて」(『基盤教育センター紀要』第37号、北九州市立大学、2021年)、 「醜さとは何か?──『判断力批判』の趣味論に基づいて」(『哲学』第71号、日本哲学会、2020年)、ほか。

高畑 祐人(タカハタ ユウト) 翻訳担当:序章、謝辞、第1章
1961年生まれ。南山大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。名古屋大学非常勤講師。哲学、倫理学。「カントにおける自然美と芸術美」(中部哲学会編『中部哲学会紀要』第51号、2020年)、マルティン・ゼール『幸福の形式に関する試論──倫理学研究』(法政大学出版局、2018年)、ほか。

徳地 真弥(トクチ シンヤ) 翻訳担当:第2章、第3章
1980年生まれ。一橋大学社会学研究科博士課程単位取得退学。社会哲学。ティートゥス・シュタール「社会正義と制度的権力」(田中拓道編『承認──社会哲学と社会政策の対話』、法政大学出版局、2016年)、ミヒャエル・クヴァンテ『人間の尊厳と人格の自律──生命科学と民主主義的価値』(共訳、法政大学出版局、2015年)、アクセル・ホネット『自由であることの苦しみ──ヘーゲル『法哲学』の再生』(共訳、未來社、2009年)、ほか。

馬場 智一(ババ トモカズ) 翻訳担当:第9章
1977年生まれ、ソルボンヌ・パリ第四大学博士課程修了。博士(哲学)・博士(学術)。長野県立大学グローバルマネジメント学部教授。『倫理の他者』(勁草書房、2012年)、『見ることに言葉はいるのか──ドイツ認識論史への試み』(共著、弘前大学出版会、2023年)、『尊厳と生存』(共著、法政大学出版局、2022年)、ほか。

目次

序文

謝辞

第一章 序論
──幻想なきコスモポリタニズム

第二章 『啓蒙の弁証法』から『全体主義の起原』へ
──アーレントと共存するアドルノとホルクハイマー

第三章 全体主義の影の中の国際法と人間の複数性
──ハンナ・アーレントとラファエル・レムキン

第四章 もう一つの普遍主義
──人権の統一性と多様性

第五章 民主主義に対する人権は存在するか
──介入主義と無関心を越えて

第六章 主権の黄昏、あるいはコスモポリタン的規範の出現?
──不安定な時代におけるシティズンシップを再考する

第七章 国境を超えた権利要求
──国際的な人権と民主主義的な主権

第八章 民主主義的排除と民主主義的反復
──正当なメンバーシップとコスモポリタン的連邦主義のジレンマ

第九章 政治神学の回帰
──フランス、ドイツ、トルコにおける比較憲法学的観点から考察したスカーフ事件

第十章 私たちの時代のユートピアとディストピア

セイラ・ベンハビブの政治哲学について──監訳者後書き

索引


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