大学出版部協会

 

教育からみる南アジア社会 -交錯する機会と苦悩

教育からみる南アジア社会 -交錯する機会と苦悩

押川 文子:監修, 小原 優貴:編著, 茶谷 智之:編著, 安念 真衣子:編著, 野沢 恵美子:編著
A5判 263ページ 並製
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-472-40622-5 C0037
奥付の初版発行年月:2022年03月 / 発売日:2022年04月中旬

内容紹介

文化的・社会的多様性を抱える南アジア諸国における教育は、グローバル化が進む世界のなかで新たな課題に直面している。様々な分野を専門とする21名の執筆陣が、国家、市民組織、宗教、民族、カースト集団、女性、障がい児、貧困層など、多様なアクターの視点から教育の実情をとらえ、その意義や問題点、そして展望を探る。


目次

第Ⅰ部 学びの風景
第1章 どの学校に通ったか―公立学校と私立学校の光景にみるネパールの学校間格差(安念真衣子)
第2章 ムンバイーのインターナショナルスクールと子育て事情―富裕層の「至れり尽くせり育児」と中間層の「チャレンジ育児」を垣間見て(深町澄子)
第3章 パキスタンの「ベンガリー」の子どもたちと教育―ノンフォーマル小学校での学び(小野道子)
第4章 子どもの描いた絵―インドの公立保育施設アーンガンワーディー・センター(茶谷智之)
第5章 インドの学校行事と文化―デリーの私立学校における教室外の学びの風景(小原優貴)
第6章 みんなで一緒に食べるランチ―世界最大のインドの給食制度(辻田祐子)
第7章 成功物語としての教師を見つめる子ども―スリランカ茶農園地域の教育(古田弘子)
第8章 バングラデシュ女子学生たちのブルカー戦略―ムスリムアイデンティティと社会進出の両立(南出和余)

第Ⅱ部 教育熱
第9章 「教育熱」は幼児に何を与えるか―バングラデシュにおける過熱化する私立の就学前教育(門松愛)
第10章 街道沿いのカレッジ群―インドの地方都市における教育産業(押川文子)
第11章 ドバイにおけるインド系外国大学分校の展開(中島悠介)
第12章 「大衆化」するインドの高等教育と高学歴者の就職難(佐々木宏)
第13章 過熱する大学受験競争―「公平」な大学入学者選抜制度とインドのゆくえ(渡辺雅幸)
第14章 インドのRTE法はスラムの子どもたちにどのような影響をもたらしたか(辻田祐子)
第15章 中等教育の壁―インドのスラムの若者はどこに向かうのか(茶谷智之)
第16章 インドにおける児童養護施設出身者の移行過程―施設を出た若者の教育と就業への支援とアフターケアの導入(針塚瑞樹)

第Ⅲ部 言語―階層・国家・グローバリゼーション
第17章 多言語国家パキスタンにおけるウルドゥー語教育の選択(須永恵美子)
第18章 ベンガル・ミディアム(ベンガル語での教育)―バングラデシュにおけるナショナリズムとグローバリズムの狭間で(南出和余)
第19章 ブータンにおける英語の優位性―国語が苦手なお国事情(平山雄大)
第20章 ポスト植民地インドの英語教育(野沢恵美子)
第21章 口話・手話、教授言語とインドの聴覚障害教育(古田弘子)
第22章 ネパールの識字教育にみる言語と文字の複層性(安念真衣子)
第23章 英語・グローバリゼーション・エンパワーメント―インド北東部ナガの若者を事例に(太田哲)

第Ⅳ部 教育と市民形成の諸相―国家と社会のかかわり
第24章 インドの歴史教育と政治―政権に翻弄される歴史教科書(澤田彰宏)
第25章 パキスタンにおける学校教科書のなかの多文化共生(須永恵美子)
第26章 教育のブータン化―新たな教育に向けた取り組み(平山雄大)
第27章 イスラームの現代化とムスリムネス―バングラデシュのマドラサを中心に(日下部達哉)
第28章 誰が貧困層の教育を担うのか―インドの低額私立学校の拡大と新政権の公立学校改革(小原優貴)
第29章 アンベードカルとダリトの教育(牛尾直行)
第30章 多様性と現実―インド国家と北東部少数民族(太田哲)
第31章 インドにおけるジェンダー規範と農村の女性の教育(野沢恵美子)

 より深く学びたい人のための参考文献・資料


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。