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 なぜ「夫婦と未婚の子」単位なのか日本の家族と戸籍

日本の家族と戸籍 なぜ「夫婦と未婚の子」単位なのか

四六判 308ページ
定価:3,600円+税
ISBN978-4-13-051144-5 C3036
奥付の初版発行年月:2019年11月 / 発売日:2019年11月中旬

内容紹介

戦後,家族単位(=「夫婦と未婚の子」)の戸籍制度が成立し,人びとは今もなお戸籍の制度と意識に振り回され続けている.制度導入に関わった法学者や法務官僚の「回顧談」,新聞の「身の上相談」の記事を通して,戸籍と家族から日本社会を再考する.

著者プロフィール

下夷 美幸(シモエビス ミユキ)

放送大学教養学部教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 戸籍の何が問題なのか
1 戸籍とは――個人の生涯にわたる身分証明
 (1)戸籍・戸籍謄本・戸籍抄本
 (2)戸籍謄本の使いみち
 (3)戸籍の編製単位
2 戸籍と家族の結びつき――明治から戦後までの戸籍法
 (1)明治政府と戸籍
 (2)身分登記制度の導入
 (3)身分登記制度の廃止
 (4)「家」制度の廃止と新戸籍法
 (5)親族単位の一貫性
3 戸籍の単位をめぐって――家族単位か,個人単位か
 (1)家族単位と「婚姻家族」規範
 (2)家族単位の擁護論
 (3)個人単位の擁護論
 (4)個人単位の理想と現実
4 家族単位の戸籍を問う――本書の課題

第2章 「家族単位」という選択――民法・戸籍法改正案起草委員・幹事の「回顧談」から
1 「夫婦と未婚の子」という妥協点――「家」と「個人」の中間
 (1)起草委員会案までの流れ
 (2)「家」単位の提案とその修正
 (3)個人カード方式の不採用
2 民法学者・我妻栄の着眼点――公証ツールとしての機能性
 (1)戦後改革に対する自問
 (2)個人カード方式の可能性

第3章 「家族単位」成立の時代性――法務官僚の「回顧談」から
1 司法省事務官・青木義人のスタンス――最小限度の法改正
 (1)現場重視の考え方
 (2)当時の戸籍事務
2 改正作業の過程――難題と緊急事態
 (1)心血を注いだ改正作業
 (2)民法応急措置法に伴う緊急対応
3 GHQ提案に対する抵抗――家族単位の死守
 (1)東京一極管理の拒否
 (2)個人単位の拒否
4 青木義人の戸籍観――人々の生活に直結する制度

第4章 戸籍と格闘する人々――婚外子にまつわる「身の上相談」から
1 虚偽の出生届――戸籍の「汚れ」という観念
 (1)配偶者の子としての届出
 (2)親族の子として届出
 (3)婚外子を産む女性のこだわり
2 嫡出子にする手段の模索――戸籍に翻弄される女性たち
 (1)虚偽の婚姻届
 (2)特別養子縁組
 (3)子の父との婚姻
3 認知がもたらす葛藤――妻および嫡出子の反発
 (1)戸籍に記載される認知の事実
 (2)認知された子の入籍

第5章 戸籍の不条理――結婚・離婚・再婚にまつわる「身の上相談」から
1 結婚と戸籍謄本――身元調査の時代性
 (1)結婚詐欺からの自己防衛
 (2)結婚の障害
2 嫡出推定にかかる子の籍――現在に至る問題
 (1)離婚成立前の出生
 (2)離婚後300日以内の出生
3 離婚・再婚と子の籍――家族と非家族の境界
 (1)離婚後の子の籍
 (2)再婚の障害
 (3)連れ子の入籍
 (4)前婚の子の除籍

第6章 家族政策としての戸籍制度
1 「家族単位」の選択と作用――意図せざる結果
 (1)公証ツールとしての選択
 (2)「婚姻家族」の規範化
2 「婚姻家族」の規範化の背景――戸籍謄本の日常性
3 個人単位へ向けて――失われた視点の回復
 (1)戦後改革の忘却
 (2)家族政策からの脱却


Family and Family Registry in Japan
Miyuki SHIMOEBISU


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