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国際機構論入門 第2版

国際機構論入門 第2版

B7 256ページ
価格:2,970円 (消費税:270円)
ISBN978-4-13-032236-2 C3031
奥付の初版発行年月:2023年08月 / 発売日:2023年08月下旬

内容紹介

国連やEU、ASEANなどの国際機構は、国際社会の組織化を通じた秩序構築を目指し、第二次大戦後に数多く設立されてきた。いまや国家と並ぶ存在となる一方、世界の激変により存在意義が問われつつある現在の姿を根本から問い直し、歴史・思想から実態と展望まで、初歩的な用語解説と応用的な理論分析を交えて分かりやすく論じる。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行やロシアによるウクライナ侵攻、さらには「グローバル・サウス」の形成過程など、最近の国際社会の変化を踏まえ構成や記述を更新した改訂版。

著者プロフィール

山田 哲也(ヤマダ テツヤ)

南山大学総合政策学部教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はしがき
序 章 国際機構と国際機構論
1 国際機構とは何か
2 主要な国際機構と類型化
3 国際機構論の揺らぎ──本書の立場と射程
第I部 国際社会はどのように組織化したか
第1章 近代国際秩序の形成と国際機構の萌芽
1 近代国際社会の成立
2 ヨーロッパ協調の意義と評価──近代国際秩序の成立
3 「共通利益」認識の出現(1)──国際河川委員会
4 「共通利益」認識の出現(2)──国際行政連合
5 国際行政連合の具体例──ラインシュの分類を手がかりに
6 「共通利益」の実現と平和──ラインシュの分析
第2章 国際連盟と国際連合
1 「20世紀」とはいつか
2 国際連盟という構想
3 国際連盟の組織と活動
4 国際連盟から国際連合へ
第3章 現代国際社会における国際機構
1 国際社会の特徴と国際機構
2 グローバル・ガバナンスとの関係
3 機能主義の再評価?──グローバル・ガバナンスとの接点
第II部 国際機構はどのような活動をしているか
第4章 国家間の戦争防止──「同盟」と「集団安全保障」
1 二つの安全保障方式
2 国際連盟における集団安全保障
3 国連における集団安全保障
4 集団安全保障の変質
第5章 平和維持活動から平和活動へ
1 平和維持活動の起源──国際連盟期の経験
2 国連による平和維持活動概念の誕生
3 冷戦後のPKO──平和維持・平和構築から平和活動へ
4 ポスト冷戦期の紛争を通じた規範変化
第6章 「帝国」の解体──植民地独立と開発援助
1 第一次世界大戦と「帝国」
2 国際連盟の委任統治制度
3 国連における二重基準の克服
4 復興支援から開発援助・貧困削減へ──国際経済システムの形成
5 冷戦後の開発援助・貧困削減
第7章 国際社会における福祉の実現
1 福祉とは
2 19世紀後半から国際連盟設立まで
3 国際連盟・国連システムと福祉
4 人権の国際的保障──外交と条約、普遍と地域
5 冷戦後の転回
第8章 地域的国際社会の組織化
1 地域的組織化を問う意味
2 ヨーロッパ──「統合」の見本?
3 アジアまたはアジア太平洋
第III部 国際機構をどのように考えるか
第9章 グローバル化する国際秩序と国際機構
1 国際秩序の変容と国際機構
2 外的要因による国際機構の変容
3 国際機構の内部的対応とその限界・問題点
4 国際機構ではない「国際社会の組織化」──常設化された国際会議
第10章 国際機構論へのアプローチ
1 国際機構と法
2 国際組織法の体系論
3 国際機構の内部手続きと主権国家体制
4 国際組織法学の意義と限界
5 グローバル化と国際機構
6 グローバル・ガバナンスと国家・国際機構
第11章 国際社会の組織化と日本
1 国際貿易ネットワークへの参入
2 ハーグ平和会議と国際連盟
3 日本の国連加盟
終 章 国際機構と国際機構論の課題
1 主権国家体制と国際社会の組織化
2 国際社会の組織化の含意
3 国際機構論の課題
国連加盟国と加盟年
あとがき


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