シリーズ三都
シリーズ三都 京都巻
価格:6,160円 (消費税:560円)
ISBN978-4-13-025182-2 C3321
奥付の初版発行年月:2019年07月 / 発売日:2019年08月上旬
歴史的な蓄積をもち文化史的にも大きな位置を占める京都.中世以来の関係性がいかに近世へと展開したのか,
人と物資が行き交う結節点としての都市の実態を明らかにする.公家・寺社,町人たちの活動する空間と,交錯する諸身分の一体的編成による都市支配秩序の形成を描く.
杉森 哲也(スギモリ テツヤ)
放送大学教養学部教授
上記内容は本書刊行時のものです。
目次
序(杉森哲也)
〈近世へ〉
第1章 近世都市京都の成立(三枝暁子)
はじめに
一 中世京都の支配構造
ニ 「町人」と「町」の成立と展開
おわりに
〈I 権力と社会〉
第2章 近世前期の武家社会と都市京都(三宅正浩)
はじめに――一七世紀の武家社会と都市京都
一 政治都市京都
ニ 大名の立ち寄り
三 牢人の滞在
四 都市京都の磁力――政治情報・医療・文化・人脈
おわりに――近世都市京都と武家社会,その転換
第3章 幕府役人と享保期の改革(小倉 宗)
はじめに
一 京都の幕府役人と江戸
ニ 京都・上方の幕府機構と享保期の改革
第4章 豪商三井の内紛と朝廷(村 和明)
はじめに
一 一八世紀の三井
ニ 三井各家と朝廷のかかわり
三 地下官人化と辞職の連続
おわりに――三井にとっての朝廷
特論1 女御入内の行粧と拝見(岸 泰子)
はじめに
一 元禄度・享保度の入内行粧とその拝見
ニ 元文度の入内行粧とその拝見
三 入内行粧を見る人々
おわりに――入内行粧拝見の背景と意味
〈II 町方の社会〉
第5章 町役人としての茶屋四郎次郎家(牧 知宏)
はじめに――京都の豪商・茶屋家
一 茶屋家が果たした役割
ニ 京都における茶屋家の立場の浮沈
三 茶屋家の経営逼迫
おわりに――「京都町人頭」としての茶屋家
第6章 町方社会と三井(西坂 靖)
はじめに
一 慶応二年『仁風集覧』にあらわれる三井
ニ 三井家一族の居宅と営業店舗の展開
三 有力町人との婚姻関係
四 町との関係
五 出入商職人との関係
六 奉公人の供給源
むすびにかえて――明治維新後の三井
特論2 薬種流通と薬種屋仲間(渡辺祥子)
はじめに
一 京都の薬種関係の仲間
ニ 八日組構成員の居所
三 八日組の生業
四 八日組の仲買業
おわりに
第7章 明治初期の町と家持(岩本葉子)
はじめに――近代京都の町の特質
一 明治期の町組と町
ニ 真町の空間と人
三 明治初期の町役員体制と町組との関係
四 その後の町役員と老分
おわりに――明治期の真町にみる町役員体制の変遷
〈III 民衆世界の諸相〉
第8章 近世京都の寺社と非人(吉田ゆり子)
はじめに
一 非人小屋と悲田院支配
ニ 大仏殿と非人小屋
三 下賀神社境内の管理・運営
おわりに
第9章 近世における洛中洛外図屏風の受容(西山 剛)
はじめに
一 定型の確立と流布
ニ 内側からの視点
おわりに
特論3 六条村の成立過程(杉森哲也)
はじめに
一 六条郷と六条河原
ニ 御土居の築造・付け替えと東本願寺寺内の拡大
三 北小路村
おわりに
特論4 本山寺内町と真宗教団(芹口真結子)
はじめに――東西本願寺寺内町研究の現状と課題
一 東本願寺寺内町の構造と行政
ニ 住民の生活
三 所化と寺内町
おわりに――真宗の寺院社会論への展望
特論5 明治維新と豊国神社の再興(高木博志)
はじめに――豊国社の創建
一 豊国神社の再興
ニ 帝国京都博物館
〈三都を結ぶ〉
第10章 三都の医師と医療環境(海原 亮)
はじめに――「観臓」が始まった京都
一 京都を中心とした医学の発展
ニ 医療の選択と普及
三 医書と都市の医療環境
おわりに――「医療環境」の視角から
〈周縁へ〉
第11章 東山・妙法院周辺の地域社会構造(杉森哲也)
はじめに
一 東山西麓南部地域と妙法院
ニ 妙法院領と大仏廻
三 大仏廻の成立過程
四 大仏廻の町々と妙法院
おわりに
Series: The Three Great Cities of Early Modern Japan
Volume: Kyoto
Tetsuya SUGIMORI, Editor