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沖縄・シマからの移動と回帰都市で故郷を編む

都市で故郷を編む 沖縄・シマからの移動と回帰

四六判 488ページ
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-13-016124-4 C3011
奥付の初版発行年月:2023年03月 / 発売日:2023年03月下旬

内容紹介

那覇の市場で、広島や大阪の紡績工場で、大阪のメッキ工場で、さらにはダバオの麻農園で、故郷を離れ懸命に生きる沖縄・シマの人々の歩み、故郷への想い、そして結ばれた共同のかたち。その声に耳を傾けようと各地に赴いた研究者の問いかけに、生きてきた沖縄近現代史の世界が開かれる。

著者プロフィール

石井 宏典(イシイ ヒロノリ)

茨城大学人文社会科学部教授

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

一九九〇年、真夏のシクシキ

序章 生まれや一国、育ちや七国
1.シマの内と外
2.本書の立場と接近法――社会心理学とフィールドワーク

一章 紡績工場にできた同郷のたまり場――戦前期、シマ出身女工の体験
1.シマから工場へ
2.改正工場法以前の紡績体験
3.一九三〇年代の大和川紡績
4.紡績工場のなかにできた同郷世界

二章 移動の人生と共同性――戦中期フィリピン移民のライフヒストリー
1.農民・実さんの生活世界へ
2.ダバオの麻山での労働
3.戦後沖縄での歩み
4.移動と回帰のライフヒストリー

三章 同郷と同志の重なる場――メッキ工場群と関西地区備瀬同志会
1.大阪に定着した備瀬出身者たち
2.工場への集結と独立自営
3.苦境のなかの選択
4.重なる二つの共同性

四章 ならいとずらしの連環――那覇・新天地市場の形成と展開
1.新天地市場という場所
2.新天地市場に通う
3.語りの重ね合わせから浮かぶ共通性
4.ならいの生成とずらしの試み

五章 語りあいのなかの〈故郷〉――同郷会に集う老年期の女性たち
1.都市で編まれた同郷会
2.二つの同郷模合の場に身をおく
3.老いの現在
4.子ども時代の〈故郷〉
5.語りあいの場で実現していること

終章 共同のかたちを編みなおす
1.場所に支えられる並ぶ共同性
2.自他の類型化と対する共同性
3.シマの広場の変遷
4.シマと都市を結ぶ伝統行事


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