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 破壊と包摂のイノベーション〈善い〉ビジネスが成長を生む

〈善い〉ビジネスが成長を生む 破壊と包摂のイノベーション

飯塚 倫子:編著
四六判 458ページ 上製
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-7664-2767-7 C3034
奥付の初版発行年月:2021年11月 / 発売日:2021年11月中旬

内容紹介

▼イノベーション・エコシステムを醸成せよ
先端的な科学技術を駆使して新たな市場を拓き、「貧困」や「格差」などグローバルな社会課題の解決に挑むSDGs時代のビジネスリーダーたち。
彼らは、柔軟な発想と俊敏な行動で人々をつなぎ、「あるべき未来」へと着実に変革を引き起こしていく。
本書は、そうした起業家・投資家へのインタビューなどを基に、新事業の創出によって取り残された人々を包摂する「DII 思考」を抽出、成功と成長をもたらす〈善い〉ビジネスのためのイノベーション・エコシステムの形成要因を導き出す。

▼「DII思考」へようこそ
本書は「あるべき社会」への賛同者を増やすべく、社会課題に取り組む先駆的なエキスパートや企業・団体の事例を皆さんに紹介し、その考え方を整理している。
本書の目的は、彼らの思想に学び、彼らの行動の特長とその革新的な意義を明らかにすることである。
そして、すべての人が包摂され、誰一人取り残されることのない社会を実現するのは可能であること、従来の仕組みや慣行を破壊して新たな価値を創出(disruption)し、多くの人が科学技術やイノベーションの便益を享受できる(inclusion)世の中は、一人一人の日々の行動や意識が変わることによってより実現に近づくことを「破壊と包摂のイノベーション(Disruptive, Inclusive Innovation: DII)」によって提唱することである。

著者プロフィール

飯塚 倫子(イイヅカ ミチコ)

政策研究大学院大学教授
上智大学比較文化学部卒(教養学士)、英国ロンドン大学インペリアルカレッジ環境管理ディプロマ(Post graduate diploma)、英国サセックス大学開発学研究所(IDS)開発学修士号(MPhil)、同大学科学政策研究所(SPRU)科学技術政策博士号(DPhil)。
財団法人国際開発センター調査部研究員(1993-96、2000-03)、国連ラテンアメリカ・カリブ経済環境委員会(チリ:UNECLAC)環境政策官(1997-2000)、国連大学マーストリヒト技術革新・経済社会研究所(オランダ:UNU-MERIT)研究員(2008-18)などを歴任。現在、サセックス大学科学政策研究ユニット(SPRU)アソシエート・フェロー、国連大学マーストリヒト技術革新・経済社会研究所(UNU-MERIT)アフィリエイト・フェローを兼任。
専門は、発展途上国や新興国における持続可能な開発、天然資源、農業分野における開発および科学技術イノベーション政策。
主要業績に、“Towards attaining the SDGs: Cases of disruptive and inclusive innovations,” Innovation and Development (with G. Hane, 2021), “Regulation and Innovation under the 4th industrial revolution: The case of a healthcare robot, HAL by Cyberdyne,” Technovation, vol. 108 (with Y. Ikeda, 2021), “‘Discovery’ of non-traditional agricultural exports in Latin America: Diverging pathways through learning and innovation,” in A.-D. Andersen and A. Marin, eds., Learning and Innovation in Natural Resource Based Industries (with M. Gebreeyesus, Routledge, 2020), Chile’s Salmon Industry: Policy Challenges in Managing Public Goods (with A. Hosono and J. Katz, Springer, 2016), 「ネオ・シュンペタリアンとイノベーション」小池洋一・岡本哲史編者『経済学のパラレルワールド入門・異端派総合アプローチ』(新評論、2019年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はしがき

序 章 社会課題を解決する新たなアプローチの萌芽 [飯塚倫子・羽根ジェラルド]
 1 イノベーションを取り巻く環境変化
 2 重層的な社会変化の影響
 3 持続可能な開発目標(SDGs)と科学技術イノベーション
 4 見えてきた変化の兆し
 5 次世代に求められるDII思考
 BOX1 国連におけるSTI for SGDsへの取り組み
 BOX2 ミッション志向の科学技術イノベーション政策

 第1部 DII思考とは何か?
第1章 「善いビジネス」が成功をもたらす
――CSR2.0と包摂的イノベーション [R・A・マシェルカー]
 はじめに
 1 CSR1.0 成功したうえで善いことをする
 2 CSR2.0 善いことをして成功する
 3 インドのASSUREDイノベーション
 4 善いことをして成功している若きイノベーターたち
 5 ASSUREDイノベーションと公共政策の役割
 6 企業は善いことをして成功できる――しかし、どのように?
 7 先進国にとっての包摂的イノベーションの重要性

第2章 なぜ科学技術は貧困を解決できないのか?
――問題は「普及」にある [アルフレッド・ワトキンス]
 はじめに
 1 普及にこそ創造と革新を
 2 「技術の普及」に大切な五つのコンセプト
 おわりに――技術の普及のために行うべきこと
 BOX 3 ソーシャル・フランチャイズによるスケールアップ――ジブ 

第3章 テクノロジーからビジネスへ
――デジタル時代のスタートアップ・エコシステム[ビクター・ミュラス]
 はじめに――デジタル経済のインパクト
 1 デジタル時代のスタートアップ
 2 都市型テック・スタートアップ・エコシステムの形成
 3 テック・スタートアップ・エコシステムを理解する
 4 スタートアップ・エコシステムの支援政策
 BOX 4 都市型テック・スタートアップ・エコシステムの台頭
 BOX 5 アクセラレーターとインキュベーター

第4章 SDGs時代のイノベーション
――DII思考入門 [飯塚倫子]
 はじめに
 1 DII思考とは何か?
 2 トランスフォーメーションを支えるエコシステム
 3 SDGs達成へのトランスフォーメーション促進政策
 4 望ましい未来に向けて
 BOX 6 科学技術イノベーション政策の歴史と政策手段 

 第2部 DIIのトップランナーたち 
EPISODE 1 インドでBOPビジネスを支援する
――アービシュカール・グループ
 1 起業家ビニート・ライの誕生
 2 起業家を育てるには?
 3 金融エコシステムを築く
 BOX 7 世界で拡大するインパクト投資
 BOX 8 ネプラのゴミ分別・再資源化事業

EPISODE 2 SDGsへの投資が東南アジアの成長を生む
――パタマール・キャピタル
 1 政府と民間の狭間で
 2 投資案件の選択とファンドの運営方針
 3 インパクト投資のための触媒になる
 4 インパクト投資の立ち位置と効果
 BOX 9 伝統的貯蓄慣行とアプリを結合し金融包摂を図る

EPISODE 3 アフリカでデジタル農業プラットフォームを
――日本植物燃料
 1 日本植物燃料の立ち上げ
 2 電子事業への転換
 3 デジタル農協プラットフォームの構築へ
 4 Eプラットフォームを制する者がビジネスを制する
 5 プラットフォームを駆使する
 6 30年後の日本を見据えて

EPISODE 4 流通と製造を参加型にする新型先行販売マーケットプレイス
――マクアケ
 1 テストマーケティングのためのマーケットプレイス
 2 マクアケはデビューまでの伴走者
 3 マクアケの五つの独自性
 4 新たなエコシステムを作る
 5 アイデアとケイパビリティを包摂する
 BOX 10 クラウドファンディングの仕組み
 BOX 11 大企業の使われていない技術をプロデュース――シャープ×
 石井酒造「雪どけ酒」
 BOX 12 地方企業と金融機関とのコラボレーション――ツカダ「キー
 クエスト」

EPISODE 5 インドネシアでユニコーン企業を生む
――イーストベンチャーズ
 1 成長するインドネシアのデジタル経済
 2 なぜベンチャーキャピタルだったのか?
 3 なぜユニコーンが必要なのか?
 4 エコシステムの構築へ
 BOX 13 イーストベンチャーズの投資事例

EPISODE 6 ラストマイルをつなぐファーストペンギン
――コペルニク
 1 モノを届けるのではなく「仕組み」を作る
 2 営利・非営利の枠組みを越える
 3 競合せず協働し、次のラストマイルへ
 4 エコシステムの中の橋渡し役
 5 インパクトをいかに生み出すか?

EPISODE 7 酢酸で森も畑も元気にする
――アクプランタ
 1 植物を強くして水不足を解決する
 2 規制がないという参入障壁
 3 バイオスティミュラントはリープフロッグになるか?
 4 科学者として、起業家として
 5 リスクと規制とイノベーション
 BOX 14 科学で農業・環境問題に挑む――アフリカ・ストライガ対策

EPISODE 8 途上国と協働するイノベーション・エコシステムの触媒として
――JICA
 1 ICT立国ルワンダとJICA
 2 日本との協力関係の構築
 3 イノベーション・エコシステムの構築へ
 4 途上国こそイノベーションのパートナー

終章 破壊的・包摂的イノベーションで「ありたい未来」を実現する
――持続可能な社会に向けたエコシステムの創出へ [飯塚倫子]
 はじめに
 1 企業の役割とエコシステムの構築
 2 トランスフォーメーションを引き起こす破壊的・包摂的イノベー
 ション
 3 DIIイノベーション・エコシステムの特徴とは?
 4 構成要素から見た各エコシステムの特徴
 5 規制について
 6 政府の役割について
 おわりに

あとがき
参考文献

編著者・執筆者・メインインフォーマント紹介


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