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 失われつつある「社会保険としての機能」を取り戻す医療保険制度の再構築

医療保険制度の再構築 失われつつある「社会保険としての機能」を取り戻す

四六判 288ページ 上製
定価:2,700円+税
ISBN978-4-7664-2707-3 C3033
奥付の初版発行年月:2020年10月 / 発売日:2020年10月中旬

内容紹介

受益と負担のバランス回復を!

日本が世界に誇る「国民皆保険」制度も、形骸化が進み、それを維持するための財政基盤もいまや風前の灯!
国民の暮らしと健康を守れる公的医療保険制度を、どのように次世代へとつないでいくか。
データとエビデンスを精査・駆使してこれからの医療保険財政と医療提供体制のあり得べき姿を模索する意欲作。

▼“公的” 医療保険制度が直面する課題を四つのポイントに集約。
▼専門家だけではない、幅広い層の読者に向けた骨太のメッセージ!

①高齢化の進行、 ②雇用形態の変化、 ③財政健全化とのバランス、 ④科学技術の進歩に伴う高額医療費の登場――論点を大きくこの四つに整理し、多様化と構造変化に伴って従来型の制度のままでは維持が難しくなってきたわが国の医療保険制度をこの先どう支えていくか、そのために必要不可欠なこと、乗り越えるべき課題とは何かを鮮明に浮かび上がらせる。
社会保障研究のスペシャリストが、「いま真剣に考え直すべき論点」を丁寧に解説。

著者プロフィール

西沢 和彦(ニシカワ カズヒコ)

1965年生まれ。89年、一橋大学社会学部卒業、三井銀行入行。98年より(株)さくら総合研究所環境・高齢社会研究センター主任研究員。2001年、(株)日本総合研究所調査部主任研究員。2002年、法政大学修士(経済学)取得。社会保障審議会年金部会委員、社会保障制度改革国民会議委員等を歴任。
現在(株)日本総合研究所調査部主席研究員。
主著
『年金制度は誰のものか』(日本経済新聞出版社、2008年、日経・経済図書文化賞)
『税と社会保障の抜本改革』(日本経済新聞出版社、2011年、日本公認会計士協会学術賞)
『北欧モデル』(共著、日本経済新聞出版社、2012年) ほか

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 わが国の医療保険制度

 1 社会保障は目的、社会保険は方法
 2 医療費の範囲と規模
 3 社会保険料における公平とは
 4 事業主負担と消費税
 5 医療費と医療保険
 6 保険者自治こそ起点
 補論 医療機関の設備投資額(資本形成)把握に関する諸問題

第2章 医療保険財政の危機

 1 高齢者医療費への支援金等の増大
 2 老人保険制度導入とその後の健康保険料による再分配強化
 3 マイナス・シーリング予算と退職者医療制度の導入
 4 介護保険第2号保険料という目的税
 5 高齢者医療制度の再構成
 補論1 オランダにみる税と保険料の役割分担
 補論2 医療保険を危機に陥れる不作為

第3章 働き方の変化が医療保険に迫る変革

 1 社会保険の理念と現実
 2 協会けんぽの適用・資格取得という二つのハードル
 3 国保加入の被用者の保険料負担
 4 ハードル引き下げに向けた改革案
 5 これからの健康管理(保健事業)は誰が行うのか
 補論 一定の収入以下の専業主婦と被用者保険

第4章 国民健康保険はどこへ向かうのか

 1 実像の見えにくい2015年改正
 2 2015年改正法施行前の国民健康保険財政
 3 2015年改正の全体像
 4 2015年改正後の保険者の多面性
 5 国保と医療提供体制の改革
 6 子どもにかかる均等割と子育て支援政策
 7 国民健康保険の将来

第5章 高額医療費の登場と薬剤費統計

 1 1人年間3500万円オプジーボの衝撃
 2 厚生労働省から示される薬剤費と薬剤費比率
 3 薬剤費と薬剤費比率の推計
 4 薬剤費のより精緻な把握におけるその他の論点
 5 薬剤費統計の整備に向けた課題
 補論1 推計方法
 補論2 診療報酬における消費税に関する諸問題

第6章 社会保険としての医療保険

 1 再構築に向けて
 2 ビジョンの共有
 3 所得捕捉の精度向上が拡げる政策の選択肢
 4 マクロ費用統計の根本的な改善
 5 消費税の再評価と改善
 6 社会保障横断的な改革に進める場合
 7 国の財政運営の見直し
 8 後期高齢者支援金・前期高齢者納付金をどうするか
 9 保険者によるデータ利活用と留意すべき点
 10 保険者という寄辺と多様な議論

おわりに
参考文献
 


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