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戦後日本を生きる華僑・台僑たちの「故郷」二重読みされる中華民国

二重読みされる中華民国 戦後日本を生きる華僑・台僑たちの「故郷」

A5判 392ページ 上製
価格:6,600円 (消費税:600円)
ISBN978-4-87259-783-7 C3036
奥付の初版発行年月:2023年12月 / 発売日:2023年12月上旬

内容紹介

「台湾系華僑」とはどのような人びとなのか―「台湾」でも「中華民国」でもない。アイデンティティをたどる冒険から在日華僑研究を捉えなおす。
第二次世界大戦後、互いに正統政府であると主張しあった中華人民共和国と中華民国。海外在住の「華僑」をどちらの「国民」とするのか、熾烈な争奪戦が繰り広げられた。日本で暮らす台湾出身者や台湾に移転した中華民国と結びつく大陸出身者=「台湾系華僑」は、戦後東アジア地域秩序の再編によって迫られた「中華民国を支持するか」、「中華人民共和国を支持するか」、「台湾独立を支持するか」という政治選択に翻弄され、様々なカテゴライズやレッテルのもとで自己認識を問われてきた。在日華僑研究のなかで明確に位置づけられてこなかった台湾系華僑の存在を歴史的変遷のもとで捉えなおし、地図上に引かれた境界の経緯と、それに基づく呼称や自己認識との関係のなかで再考する。

著者プロフィール

岡野 翔太(葉 翔太)(オカノ ショウタ)

大阪大学レーザー科学研究所特任研究員・人文学研究科招聘研究員

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき
序章─ 語られない人びとを描く視点
第一章 戦後日本における「華僑」の描かれ方─ 「台湾」をどう見るか
第二章 「華僑」前夜の台湾出身者と「省民証」の発明─ 神戸の台湾省民会(1945~1946)を基に
第三章 台湾出身者・満蒙留学生・日本人引揚者の交錯と「新中国」 ─ 歌曲《我愛我的台湾》の伝播と
第四章 新たな「中華民国」を作り出す─ 来日台湾外省人の日本帝国経験に注目して
第五章 「二つの中国」の呪縛と脱植民地化の課題─ 戦没者慰霊、法的地位問題の浮上
第六章 台湾出身者の歴史的自己省察の試み─ 台湾人権利擁護総連合会の成立とその挫折
第七章 日華断交後の「台湾系華僑」
第八章 歴史のなかの「私」─ 「華僑」「台僑」と 
終 章


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