公共哲学叢書
東アジアにおける公共知の創出 過去・現在・未来
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-13-010095-3(4-13-010095-5) C301
奥付の初版発行年月:2003年11月
東アジア諸地域では,この150年ほど,欧米列強のあおりを受けて支配や抗争の地域となり,トランスナショナルな公共空間の創出が挫折もしくは妨げられてきた.公共空間創出のために,公共知をめぐってどんな試みや問題があったのか.それは今後どうあるべきか.東京大学の分野横断的な国際的発信の試み.
目次
まえがき(佐々木毅)
第一部 東アジアにおける公共知の創出をめぐって
東アジアにおける「公共知」の創出—幾つかの前提について(佐々木毅)
東アジアの認識共同体の形成に向けて(李仁浩)
東アジア公共知という議題—その歴史的困難と未来(金観濤・劉青峰)
第二部 東アジア公共知を〈省みる〉
文明の世界知(プレサンジット・デュアラ)
アジア主義と社会連帯論の位相—大正社会主義の理論的射程を中心に(酒井哲哉)
二〇世紀の韓国歴史教科書に見る東アジアの「近代」像(白永瑞)
第二部の解説と質疑応答
第三部 東アジア公共知の〈現在〉
現代韓国の政治理念—民族主義,自由民主主義,人権思想(柳弘林)
公約,公憤および公議—現代中国における法の言説空間(季衛東)
ナショナリズムを超えて
—東アジアの故国(ホームランド)というパースペクティブ(ガバン・マコーマック)
第三部の解説と質疑応答
第四部 東アジアにおける公共知の〈将来〉
中国の社会変化をめぐって—新自由主義批判と対抗ヴィジョン(汪暉)
実践的公共知(良識)を目指して—生活世界に根付いた公共哲学への道筋(金泰昌)
二一世紀の東アジア—公共知交流の場として展望とその前提(木畑洋一)
第四部の解説と質疑応答
特論 現代日本のアジア研究とナショナル・アイデンティティ(村田雄二郎)
特論 グローカル公共哲学と東アジア公共知の未来(山脇直司)
あとがき(村田雄二郎)